クルーズ、第3四半期決算を発表。今後の展開に注目

ECのミカタ編集部

クルーズ株式会社(以下、クルーズ)が第3四半期決算を発表した。アパレルECサイトとして人気が高い「SHOPLIST」を中心としたECへ事業構造を転換したCROOZだが、その戦略はどのような結果を出しているのだろうか。

Eコマース事業が前年よりも23%UP

 決算によると、総売上高が7,541百万円となり、内訳は、ゲーム事業(※)が1,690百万円、Eコマース事業が5,706百万円、その他が145百万円であった。また、営業利益が382百万円で営業利益率が5.1%となった。

※10月13日に公表したゲーム事業譲渡は、11月1日付で実施されている。そのため、業績には10月の1ヶ月分の譲渡対象事業の売上・利益が含まれている。

 特にECコマース事業の売上は、前期3Q比約23%増となっており好調である。そんなECコマース事業の中心である「SHOPLIST」では、“お手頃な価格でカジュアルファッションを楽しめる”を定義としたファストファッションを取り扱っており、ファストファッション志向の10〜20代をメインユーザーとしつつ40代からの支持も広がっている。また、90%以上が女性ユーザーとなっている。

新規ユーザーのリピート率向上のために

 SHOPLISTが更なる成長を遂げるために取り組むべきこととして、今回の決算発表では、新規ユーザーのリピート率向上があげられた。ユーザーが2回目購入をしない理由はいくつかあるが、特に「商品がなかなか届かない」ということが大きな理由となっているそうだ。その問題を解決するために、SHOPLISTでは、2017年9月頃を目処に全商品5日以内配送を実施する予定だ。

 もう1つの理由として「商品のイメージが違う」ということがある。アイテムによっては色味・サイズ・素材感など届いた商品とイメージとのかい離がある現状だ。それを解決するために、2017年9月頃を目処に品質基準の強化を通して商品の平均ユーザーレビュー4.0以上を目指す。

 さらに現状、「注文後のサイズ変更が出来ない」といった「~出来ない」ユーザーの不満リストが70項目あることに対し、2017年9月頃を目処にサイト上で「ユーザーが出来ない」70項目全ての機能を実装する予定だ。

WeiboとSINAと組み、越境EC進出へ

 クルーズの新たな挑戦に「越境EC」があり、中国最大級のSNS及びポータルサイト「微博 weibo.com」(以下、Weibo)「sina新浪」(以下、SINA)と組んだ。この2つのサイトは、日本のSNS利用者数の約9倍の利用者を抱える中国最大級の集客力を持つメディアである。

 今回、WeiboとSINAと組むことにより、連結子会社ワールドリンクが6億人のユーザーに対し、越境EC事業に着手することとなる。さらに、ファッションだけでなく、海外の人から人気の高い、化粧品・香水、健康グッズ、トイレタリーといった日本の商品を販売する予定だ。

 若い女性を中心に人気が高い「SHOPLIST」。商品が豊富でお手頃な価格という点がユーザーの心を掴んでいる。それだけでなく、クルーズが“いかにショッピングを楽しんでもらうか”ということを常に考え、様々な問題を解決していることが高い人気に繋がっているのだろう。今後も2017年9月を目処に新たな施策を実行するため、今以上にショッピングがしやすくなるはずだ。また、越境ECにも力を入れていくということで、クルーズの今後に注目が集まることだろう。

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