ベクトルとマガシーク提携 広がるファッションECの選択肢

ECのミカタ編集部

 ITを活用した古着ファッションの買取や販売を手掛けるベクトルグループ(本社:岡山県岡山市、以下ベクトル)とマガシーク株式会社(本社:東京都千代田区、以下マガシーク)は2017年5月30日(火)に戦略的業務提携を締結したと発表。この業務提携により、6月7日(水)にマガシーク会員への買取サービス「マガシーク ブランド古着買取サービスsupported by フクウロ」を開始する。また7月以降、順次マガシークが運営するアウトレット通販サイト「OUTLET PEAK」やベクトルが運営するブランド古着通販サイト「ベクトルパーク」、連携先ECモール上で古着を販売していくとした。

 全国に94店舗展開するリサイクルショップとブランド古着通販サイトの運営をしているベクトル。自社運営通販サイトをはじめ楽天やYahoo!オークション等で販売するマルチチャネル販売戦略をとっており、取り扱いアイテム数は常時65万点以上と日本最大級の品揃えを実現している。

 そのベクトルと、総合ファッションECサイトを運営しているマガシークが戦略的業務提携を締結した。マガシークは総合ファッションECサイトの運営だけでなく、長年培ってきたEコマースノウハウを駆使し大手百貨店やメーカーの公式ECサイトを受託するECソリューション事業なども手がけている。

 その2社が手を組み、新たにマガシーク会員への買取サービス「マガシーク ブランド古着買取サービスsupported by フクウロ」をリリースすると発表した。ベクトルが、マガシーク会員の不要になった洋服を「マガシークブランド古着買取サービスsupported by フクウロ」を通じて買い取る。買取の査定額は現金もしくはマガシークが運営するサイトで買い物が可能なマガシークポイントで支払われる。マガシークポイントによる支払いの場合は、査定額の120%相当分のポイントが付与される。

 また、7月よりマガシーク会員より買取した商品をマガシークが運営するアウトレット通販サイト「OUTLET PEAK」やベクトルが運営するブランド古着通販サイト「ベクトルパーク」や、連携先ECモールの販売チャネルに出品するとした。これにより、マガシークとベクトルが、古着の買取と販売において、それぞれのチャネルをより効果的に利用し多くのユーザーとコミュニケーションを図ることが可能になる。今後の展開としては、2017年度中に月間2,000点の販売を目標に掲げているという。

この業務提携は両者の長所を活かした事業の確立となれるか

この業務提携は両者の長所を活かした事業の確立となれるか

 今回の提携により、より多くのユーザーに古着の販売・買取が行えるビジネススキームが確立した。2009年より会員向けに宅配買取のサービスを行っているマガシークは、ベクトルの持つ多くの販売チャネルを通じ古着アイテムの購入機会創出を実現し、顧客コミュニケーションの長期化によるロイヤリティ向上を図っていくとしている。

 一方でベクトルは、買取チャネルにマガシークが加わることで、ファッション感度の高いマガシークユーザーから古着の買取を行うことができ、大幅な古着アイテムの買取点数向上が期待されている。

 こうした取り組みはリサイクル業界において、初めての試みとなる。ECサイト会員へ買取サービスを行うだけでなく、商品在庫を連携し、販売することで、ワンストップで古着を取り扱うことが実現する。両者の長所を存分に活かし新たな事業が確立される好例となれるか。引き続き動向に注目していきたい。

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