「ユニー・ファミリーマートHD」と「ドンキホーテHD」が業務提携を検討中

ECのミカタ編集部

 ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社(以下「ユニー・ファミリーマートHD」)と株式会社ドンキホーテホールディングス(以下「ドンキホーテHD」)が、両社グループの業務提携に向けた検討を開始すると発表した。

 大きなニュースが飛び込んできた。株式会社ファミリーマートを主力としたコンビニエンスストア事業(CVS事業)、ユニー株式会社を主力とした総合小売事業(GMS事業)及びその周辺事業などを展開しているユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社と、バラエティ型総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」、ファミリー向けライフスタイル型総合ディスカウントストア「MEGA ドン・キホーテ」及びDIY用品を取り扱うホームセンター「ドイト」など、複数の業態を運営するドンキホーテHDが業務提携に向けた検討を開始すると発表があった。

業務提携で、より効率的な経営を目指したい両社の思惑

 両社が共同で出したプレスリリースによると、「小売業界においては、総人口の減少による市場規模の縮小や、eコマースの市場規模の拡大を含めた業態を超えた競争環境の激化、消費者の低価格志向の継続、店舗や物流における人手不足等により、厳しい経営環境が続いており、また、消費者ニーズの多様化や選別消費の傾向がますます強まっております。」としている。

 さらに「今後の小売業は、より優れた商品開発と仕入れ、消費者の変化するニーズに対応する技術的対応やチャネルの多様化、プライシングの最適化が求められ、また、店舗オペレーションの効率化や商流の合理化をはじめとして、より効率的な経営をすることが求められております。」と続けた。

業務提携に向けた具体的な取り組み

 まだ検討の段階なので、これからどうなるかは未知数だが、業務提携が進めば消費者にとって嬉しい展開となることは間違いない。コンビニ・スーパー・ディスカウントストアという小売業の連携はEC業界にとっては脅威の存在になり得るだろう。

業務提携に向け、両社で協議・検討を進めている具体的な取り組みは以下の通り。
1)小売事業における協働
小売事業における共同での基盤整備や出店開発、店舗の実験的な共同運営や相互利用を始めとした協働を目指す。
2)商品の共同開発・仕入れ
商品特性や顧客層が異なる両社の商品の開発ノウハウを共有することで、魅力ある商品の開発及び仕入れ力強化によるコストダウン・効率化を目指す。
3)物流機能の合理化
商品の店舗配送等を始めとする物流機能の合理化を目指す。
4)海外市場及び新業態開発での協働
両社が展開する海外市場での協働や両社の経営資源を融合した新業態開発での協働を目指す。

業務提携の具体的な内容については、半年内を目途に提携内容を具体化し、業務提携契約を締結することを目指して協議を進めているという。

生き残りをかけた戦いは、大いなる可能性を秘めている

 小売業界も生き残りをかけて必死だ。それほどEC業界の伸び率が顕著であるということではある。しかしこの提携が実現すればオムニチャネル、フィンテック、越境への進出拡大や、両社ともに勢いのあるプライベートブランド戦略、新業態の出店など軽く想像するだけでも可能性が広がる。こうした動きは競合を生むかもしれないが、協働も生むはずだ。期待して続報を待ちたいと思う。

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