ふるさと納税の転機となった2017返礼品ランキング【さとふる社調べ】

ECのミカタ編集部

ふるさと納税の転機となった2017返礼品ランキング【さとふる社調べ】

ふるさと納税一括代行を行う株式会社さとふる(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤井 宏明、以下「さとふる」)は、2017年のふるさと納税お礼品人気ランキング最終版として、2017年1月1日~12月31日にふるさと納税ポータルサイト「さとふる」で申し込みがあった、ふるさと納税の返礼品人気ランキングの確定版を公表した。

ふるさとの納税制度にとって、転機となった2017年

「ふるさと納税」とは、応援したい自治体に一定の金額や回数の範囲内で寄附を行い(自己負担2,000円)、後に手続きとして住民税の控除などが行われる仕組みだ。自治体によっては、実質的な住民税の移転にもかかわらず、寄付者に返礼品を用意している所も多い。この返礼品については、本来の制度とは寄付金額の5割や場合によっては7割以上という高額で豪華な返礼品を用意する自治体が散見された。

「ふるさと納税」が制度として開始され、約10年が経過している。こうした、返礼品に関する「ひずみ」や「ゆがみ」が顕在化し、特に2016年以降は、メディアなどでも取り上げられるようになっている。こうした過熱状態ともいえる返礼品競争を前に、2017年4月には高市早苗総務大臣(当時)が、「ふるさと納税返礼品は納税額の3割以内に」とした通知を出した。

いわば「ふるさと納税」の所管官庁である総務省自らが過熱する返礼品競争に「待った」をかけた形で、続く野田総務相もその方針を踏襲する意向を公式に表明している。そうした「ふるさと納税」の転機ともなった中での、さとふる社による2017年の返礼品ランキングの発表となった。

2017年のふるさと納税お礼品人気ランキング確定版 <総合版・抜粋>

※凡例:順位/返礼品名/自治体名

1位 佐賀牛 切り落とし 1kg 佐賀県嬉野市  

2位 【厳選三特品】北海道近海産毛ガニ 北海道八雲町

3位 特選 いくら醤油漬け 500g 北海道森町

4位 【創業60年】老舗肉屋の特上ハンバーグ 10個 佐賀県唐津市

5位 特盛り九州産豚切り落とし 4kg 福岡県上毛町

上位には食品が並び、最も人気が高かったのは2017年の上半期ランキングでも1位だった佐賀県嬉野市の「佐賀牛 切り落とし 1kg」だった。また、「佐賀牛 切り落とし 1kg」と北海道八雲町の「【厳選三特品】北海道近海産毛ガニ」は2015年より3年連続で本ランキングの上位3位以内にランクインしているとのことだ。

2017年のふるさと納税お礼品人気ランキング確定版<体験型お礼品ランキング>

2017年のふるさと納税お礼品人気ランキング確定版<体験型お礼品ランキング>「嬉野市子ども学校塾」の様子

※凡例:順位/返礼品名/自治体名
※ 申込件数で集計

1位 バイキングプラン 千葉県勝浦市

2位 嬉野温泉宿泊券ペア1泊2食(竹コース) 佐賀県嬉野市

3位 嬉野温泉宿泊券ペア1泊2食(松コース) 佐賀県嬉野市

4位 うなぎお食事券 岐阜県関市

5位 塩原温泉宿泊券ペア1泊2食(竹コース) 栃木県那須塩原市

豪華な返礼品に総務省をはじめとした「待った」がかかる中で、体験型の返礼品を用意する動きも広がっている。しかしチケットや金券の類は換金性が高く、転売されるケースが多かったため、やはり総務省が制度の趣旨に反するとして「待った」をかけている状況だ。2018年はどういった形で返礼品の質が変化していくのかにも視線が集まっている。

2018年は「使い道」重視への転換の年になるか

返礼品は地場産業の振興やプロモーションに一役買う一方、地場産業とは一切関係の無い返礼品を並べている自治体もある。これに関しても総務省は苦言を呈している状況だ。また、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府などの大都市圏では、「ふるさと納税」の導入以降、年間で100億円単位で住民税が流出しているとの統計もあり、すでに看過できないレベルだとの声も一部から聞こえる。

こうした状況を踏まえて、ふるさと納税代行のトップクラス企業である「ふるさとチョイス(運営:株式会社トラストバンク)」や、楽天の「楽天ふるさと納税」でも、返礼品に関する豊富な情報を載せつつも特設サイトや返礼品情報に紐づける形で各自治体の寄付の使い道について丁寧に説明する動きが加速している。

さとふる社は、ただ自治体や返礼品の情報だけをサイトに掲載するのではなく、「ふるさと納税」の一括代行企業として独特の業務形態を選択している。本来であればこうした「ふるさと納税の寄付の使い道」についてを丁寧に発信することもできるはずだが、ランキングからは、それがいまひとつ見えて来ない。

ふるさと納税そのものは、地方自治体の貴重な財源になっているだけに、荒波に見舞われてる、ふるさと納税の制度そのものと共に、さとふる社の2018年の展開にも注目が集まるところだ。

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