Criteo社が2017年第4四半期と通期の決算について公表

ECのミカタ編集部

Criteo社は、第4 四半期と通期の決算の内容を取りまとめ公表した。

業界トップクラス企業の決算内容はいかに

コマースマーケティングのテクノロジー企業である、Criteo社(本社:フランス、NASDAQ:CRTO)は、2017 年12 月31 日を末日とする2017 年第4 四半期と通期の決算について取りまとめその内容を公表した。

同社は、小売業やブランドの利益と売上高の拡大を支援するため、高いパフォーマンスを生み出すオープンなコマース・マーケティング・エコシステムを構築している。

世界中18,000社の広告主と、数千のパブリッシャーと連携しており、コマース向けに設計されたCriteo コマース・マーケティング・エコシステム上で分析されるオンライン取引高は6,000 億ドル超にのぼる。以下、公表された決算の内容について見ていく。

2017年第4四半期業績の概要

まずは、2017年第4四半期業績の概要についてだ。売上高は前年同期比19%(為替変動の影響を除くと16%1)増の6億7,400万ドルだった。トラフィック獲得コスト(TAC)を除く実質売上高は、前年同期比23%(為替変動の影響を除くと20%)増の2億7,700万ドルとなり、対売上高の比率は41%だった。

また、調整EBITDA2は前年同期比45%(為替変動の影響を除くと36%)増の1億2,000 万ドルであり、TACを除く実質売上高に対する比率は43%だった。営業活動によるキャッシュフローは前年同期比10%増の7,900万ドルとなった。フリー・キャッシュフロー2 は前年同期比10%増の5,400 万ドルだった。純利益は前年同期比29%増の5,200 万ドルで、希薄化後1 株当たり調整純利益2 は前年同期比44%増の1.21 ドルだった。

2017年通期業績の概要

次に、2017年通期業績の概要についてだ。売上高は前年度比28%(為替変動の影響を除くと27%)増の22億9,700万ドルだった。トラフィック獲得コスト(TAC)を除く実質売上高は、前年度比29%(為替変動の影響を除くと29%)増の9 億4,100 万ドルとなり、対売上高の比率は41%だった。

また、調整EBITDA は前年度比38%(為替変動の影響を除くと35%)増の3 億1,000 万ドルで、TAC を除く実質売上高に対する比率は33%だった。営業活動によるキャッシュフローは前年度比60%増の2 億4,500 万ドルで、フリー・キャッシュフローは前年度比80%増の1 億3,700 万ドルだった。

純利益は前年度比11%増の9,700 万ドルとなり、希薄化後1 株当たり調整純利益は前年度比30%増の2.70 ドルだった。

好調な業績、その要因は?

好調な業績、その要因は?

同社によれば、既存クライアントのTACを除く実質売上高(全製品を含む)は、為替変動の影響を除いて6%増加したそうだ。これは同社の技術向上と広告インベントリーへのアクセス向上、製品の拡充の結果としている。

たとえば、2017年10月に取り扱い開始したベータ版の新製品であるCriteoカスタマーアクイジションとCriteoオーディエンスマッチのTACを除く実質売上高が、第4 四半期に約300万ドルとなった。また、第4 四半期のクライアントの純増数は820となり、2017年度末のクライアント総数は1 万8,000を超えた。顧客維持率は全製品に渡って90%に近い水準を維持している。

また、データを同社のインタレストマップの中で共有することを当社に許可したクライアントとのビジネスを通じて獲得した売上高が、TACを除く実質売上高の43%となった。

さらに同社のヘッダー入札技術であるCriteoダイレクトビッダーは、今や1,500 社の大手パブリッシャーに連携している。加えて、マーケットプレイスにおいて、運営者がマーケットプレイスの売り手に対しCriteoダイナミックリターゲティングの提供を可能にするCriteoリセラープログラムの提供も開始している。

こうした次々に打ち出される施策や新しい技術の提供が、好調な決算を下支えした事は容易に推察できる。

強固な財務基盤をもとに効果的な投資を遂行

強固な財務基盤をもとに効果的な投資を遂行

Criteo社のエリック・アイヒマンCEOによれば、同社の事業は、特に米国において、顕著な勢いで伸びているそうだ。同時に、この勢いが新製品採用件数の増加と相まって、2018 年以降に向け当社を今後の展開上望ましいポジションに導いていくことを目指すとしている。

2017年度、同社は、力強い成長と収益性およびキャッシュフローの増加を実現できたようだ。強固な財務モデルを持ち、それを基盤とした効果的な投資手法をとるCriteo社。向かう所敵無しといった様子だが、2018年はその勢いをどこまで伸ばせるのかぜひ注目したい。


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