楽天スーパーポイントの流通額は?数字で読み解くEC業界

ECのミカタ編集部

楽天スーパーポイントの流通額

楽天スーパーポイントの利用機会が増加

2,000億という数字は、楽天スーパーポイントが一年間に流通した累計ポイントです。

楽天は、昨今、楽天スーパーポイントの存在を強調することが増えました。つまり、スーパーポイントアッププログラム(SPU)という施策を取り入れ、ポイントの意味を高めたのです。

アプリを使えば、+1倍、楽天カードを使えば、+3倍という具合に、使い方によっては、ポイントが最大8倍となるもので、時期に関係なく、常に実施しています。つまり、常にお得さを出すことで毎日が購入のきっかけとなる、というわけです。

これが店の戦略にどう活かされるかというと、例えば、楽天のスーパーSALEで新規のお客様が流入して来た後に、そのお客様に対して、その後、きちんとしたアプローチをし続ければ、このスーパーポイントアッププログラムの恩恵を受けて、いつでも購入の後押しをするというわけです。

楽天の立場で言えば、楽天のサービスで囲い込みができれば、楽天のサービスの接触機会が増え、かつ、ショッピングの機会も増えるわけで、結果、楽天全体の業績をアップさせることができ、そのメリットはとても大きいというわけです。故に、このポイントの流通が増えることに力を入れています。

これらのポイントは楽天の70ものサービスに適用でき、そこで価値が発揮されます。あらゆる生活シーンに楽天が入って、楽天経済圏の形成に力を入れているのには、こうした背景があります。

ここに三木谷さんの野望も?

ふと考えると、ここには三木谷浩史という経営者の野望が見え隠れする気がします。彼は銀行出身。まさにそれは、銀行になりたい、というものではないかと思われます。

2,000億ポイントを手にすることで、2,000億円に相当する価値を手にしました。

彼は、「貨幣であれば、銀行はそれを紙で発行するだけでしかない。楽天スーパーポイントであれば、我々で様々なサービスが存在しますから、そのポイントで、よりエキサイティングな体験を提供できる」と言い、貨幣と比較して、価値を述べていました。

日本ならずとも、海外でもそのポイントが使われることになれば、それは、国内で使える貨幣すら越える存在になれるかもしれない。そうすると、彼がサッカーチームFCバルセロナへのスポンサード契約など、海外にこだわる理由もうなずけます。

ただ大きな動きが増え、店への貢献のあり方が変わったとはいえ、店舗が期待しているのは自分達と意見を交わせる親身な関係構築なので、それだけは忘れずにいたいものです。

<2018年版 EC業界大図鑑>より抜粋

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