ISETAN×オイシックスの『ISETAN DOOR』がスタート

ECのミカタ編集部

ミールキットなどの食品宅配を展開するオイシックスドット大地株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:高島 宏平)が運営支援をする、株式会社三越伊勢丹ホールディングスのサブスクリプション(定期宅配)型のECサイト『ISETAN DOOR』が本年6月21日(木)にグランドオープンした。

「日常買い」にフォーカス

オイシックスドット大地と三越伊勢丹は、2018年3月に協業提携契約を結んだが、その提携をもとに両社のそれぞれの強みを生かし、『ISETAN DOOR』の展開を開始した。今後は同サービスの拡大を目指すとしている。

ISETAN DOORでは、三越伊勢丹の百貨店を利用する顧客層に対し、日常的に利用してもらえるサービスを目指し、まずは食品の取り扱いをスタートする。伊勢丹新宿店で人気のブランドの商品と、生鮮品をはじめ、日常生活品などを購入できる定期宅配サービスとなっている。今後は、より日常使いしやすい食品以外の商品の取扱いなどアイテムの拡充も検討していく計画だ。

<サイト概要>

[名称]
ISETAN DOOR

[取扱商品数]
約3800品目

[入会金・年会費]
無料

[取扱いブランド]
フィーカ、円果天、ノワ・ドゥ・ブール、パティスリー キハチ、とらや、西光亭、王様堂、ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベほか全15ブランド

[サービスコンセプト]
「忙しい毎日に、ちょっとした嬉しさや豊かさを届けるために、お客さまの日常と伊勢丹を繋ぐドアになる。」という想いから、日々に欠かせない品々から、自分へのごほうび、休日に大切な人と囲みたくなる、とっておきの一品まで。あなたの毎日を豊かにする、うれしい発見をお届けします。

約200万人のデジタル会員の顧客基盤

約200万人のデジタル会員の顧客基盤

このように三越伊勢丹は、従来の「ハレの日」を中心とした需要に加え、顧客接点を高頻度かつ定期的にするため、日常的に利用する「食品」領域から、定期宅配サービスを開始する。約200万人のデジタル会員の顧客基盤を生かした「ISETAN DOOR」サイトへの集客や、伊勢丹新宿店で扱うブランドを中心とした商品、食品スタイリストが目利きをした商品の品ぞろえを提案し、事業の拡大を目指す。

一方のオイシックスドット大地は、「Oisix」「大地を守る会」、そして今年10月に経営統合する「らでぃっしゅぼーや」の3ブランドで食品の定期宅配事業を展開しているところだ。オンラインに特化した「Oisix」では、約17万人の定期会員が、1人あたり年間25回程度購入をしている。サブスクリプションのノウハウや機能など、食品の定期宅配事業運営で培った「マーケティング・プラットフォーム」と「フルフィルメント・プラットフォーム」を活用し、「ISETAN DOOR」の運営支援をしていくことになる。

さらに展開を進めるオイシックスと百貨店の今後

なお、オイシックスドット大地では、他にも「DEAN & DELUCA」オンラインストアのコンサルティングや、「Amazonフレッシュ」へミールキット「Kit Oisix」の卸売などを実施している。また、今後は株式会社NTTドコモとミールキット専用ECサイトを立ち上げる予定で、いずれも同社プラットフォームを活用した事業を展開中だ。

自社事業と他社からの受託を合わせた総流通金額を増加させることで、食品ECマーケットや高付加価値食品マーケットの拡大を図るとともに、物流の効率化も図る取り組みを進める方針だ。

百貨店の苦戦が言われて久しい状況だが、三越伊勢丹はオイシックスドット大地との提携とISETAN DOOR通して「ハレの日」にこだわらないニーズに対応したフィールドへと新たに乗り出したことになる。百貨店業界のEC化が立ち遅れているとの指摘が各方面からなされる中、従来のモデルを打ち破る攻めの一手とも言えるだろう。

今後は、百貨店とそのECであえて買い物をする理由をいかに再構築するかという視点と共に、今回の施策のような提携を通した新たなチャネル展開やオムニチャンネル化がどう進むのかにも注目が集まるところだ。

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