生産者と外食をつなぐ会員制青果物 EC『彩直』のサービスが開始される

ECのミカタ編集部

株式会社農業総合研究所(代表者名 代表取締役社長 及川 智正、以下「農業総合研究所」)は、平成30年9月11日開催の取締役会において、外食向け会員制青果物 EC『彩直』のサービスを開始することを決定した。

東京圏約15,000店舗が対象

農業総合研究所では、外食向け会員制青果物 EC「彩直(さいちょく)」のサービスを開始する。彩直は、全国86ヶ所の集荷場と大田市場内の自社センターを活用し、約8,000名の登録生産者の青果物を外食向けに直接販売する新たなサービスとなる。

彩直より受注した登録生産者は、日々出荷している同社の集荷場に出荷をする。同社は、集荷した青果物を大田市場内の自社センターを経由し、大田市場の外食向け卸業者に提供し店頭まで配送する(サービス開始時は、東京圏約15,000店舗を対象)。

食材と外食をとりまく各者にメリット

食材と外食をとりまく各者にメリット画面イメージ(同社資料より、以下同様)

今回、サービス提供が開始される「彩直」のメリットについて、農業総合研究所は次のようにまとめている。

[農業総合研究所]
既存の物流網を活用するため、新たな投資や追加のコストをほぼかけることなく、販路を拡大することが可能になる。これにより、流通総額の拡大及び収益の増加が図れる。

[生産者]
同社に登録することで、これまでの小売店のみならず外食への販路拡大、売上の増加が見込める。出荷先はこれまでと同じ当社の集荷場であるため、追加のコストは不要となる。また自身のファンを獲得しブランド化することが可能となる。

[卸業者]
外食に対して新たな商品の提案と販売が可能になり、売上の増加が見込める。また、既存の契約や商流、物流網等はそのまま活用できるため新たな投資や追加のコストは不要となる。

[外食産業]
全国の生産者の青果物を最小1パックから購入することが可能になり、顔が見える青果物を使った付加価値の高い商品を手軽にメニューに載せることができる。収穫から最短 24 時間以内に店頭まで商品を届けるので、鮮度の高い青果物は日持ちが良く、ロス率低下に寄与する。

また、同社と卸業者の既存の物流網を最大限に活用するため、低価格で高付加価値の青果物が調達可能になる。すでに取引のある卸業者経由で彩直を利用できるため、他の商品と一括受け取りが可能で、新たな手間が発生しない。

生産者と外食を繋ぐプラットフォーム構築を実現

生産者と外食を繋ぐプラットフォーム構築を実現

「彩直」では、既存の卸業者の物流網を活用し、会員となる外食関連事業者に鮮度の高い産品が届けられることになりそうだ。同社では、将来に向けた収益力向上を目指すため、既存事業(生産者と小売店を IT でダイレクトに繋ぐ、情報・物流・決済のプラットフォーム「農家の直売所」)の強化及び農家の直売所を活かした新たなサービスの開発に努めてきた。

これまで、生産者と外食を繋ぐプラットフォームの要望や問い合わせはあったものの、物流網が構築されておらず見送っていた経緯があったそうだが、今回、平成30年8月期に再構築した物流網(大田市場内の自社センター)を活用することで、生産者と外食を繋ぐことができると判断し、新たなサービスを開始することに踏み切ったとのことだ。

同社は、今後も物流網を拡大するとともに、構築した物流網を活用した新たなサービスに取り組み、全国の生産者に販路拡大を提供し、安定的な収益を獲得することに貢献していく方針で、同サービスと今後の展開にも注目したい。

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