メルカリが英国に展開していた子会社を解散・精算へ

ECのミカタ編集部

株式会社メルカリ(東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー、以下「メルカリ」)は、取締役会において、同社英国子会社のMercari Europe LtdとMerpay Ltdを解散し清算することを決議したことを公表した。

英国でのマーケットプレイス事業から事実上の撤退

メルカリは「海外子会社の解散及び清算並びに特別損失の計上に関するお知らせ」を発出し、その中で開催の取締役会において同社英国子会社のMercari Europe LtdとMerpay Ltd(以下、「メルカリ英子会社」)を解散し清算することを決議したことが明らかにされた。

メルカリループは、日本・米国・英国において、それぞれの地域に根差した企画・開発・運用・マーケティング機能を持つ体制でマーケットプレイス関連事業に取り組んでいた。

期待する水準の事業の確立に至らず

期待する水準の事業の確立に至らず

資料によれば、今回のメルカリ英子会社の解散と精算に至った理由は、次の通りだ。英国市場向けでは、2015 年 11 月にメルカリ英国子会社 Mercari Europe Ltd を設立して以降、同社グループが保有するノウハウの移管を推し進め、CtoC マーケットプレイス「Mercari」の拡大に取り組んだが、期待する水準の事業の確立には至らなかったため、Mercari Europe Ltd 等の子会社を解散し清算することにしたとのことだ。

なお、同社は引き続き「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」をミッションとして、米国を含むグローバル市場においてマーケットプレイス関連事業の拡大に取り組んで行くとしている。

2億円前後の閉鎖費用を計上予定

今後の見通しについては、Mercari Europe Ltd 等の子会社の解散に伴い、拠点閉鎖に伴う諸費用等、概算で2億円前後の費用が2019年6月期又は2020年6月期の連結決算で発生する見込みだ。

なお同社はこれまで、Mercari Europe Ltd に係る関係会社株式評価損を合計約13.5億円認識し、Merpay Ltdに係る関係会社株式評価損を合計約0.9億円認識してきた。当該損失は2019年6月期以降に税務上認容され、同社の連結及び単体の法人税等の金額が軽減される見通しとなっている。

日本発のユニコーン企業であり、日本のリユースEC市場を牽引しているメルカリ。同社は英米で同様のマーケットプレイス創出に向けて果敢な挑戦を続けているが、その中で英国に展開していた同社子会社を解散することになった。今後、残されたアメリカでの事業をはじめ、同社の海外展開の方向性についても注目が集まる所だ。

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