有名ECサイトやネットオークションも比較!フリマサービスの最新動向についての調査が実施される【インテージ調べ】

ECのミカタ編集部

株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚純晃、以下「インテージ」)は、近年広がりを見せるCtoCのデジタル商取引「フリマサービス」の利用実態について、インターネット人口を母集団とする「デジタル統合視聴率 」から明らかにする調査を実施し、その内容を公表した。

存在感を増すフリマサービス

存在感を増すフリマサービス図表1

インテージ社によれば、これまでデジタル上の商取引は、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどBtoC向けの「ECサービス」、Yahoo!オークションなどの主にC to C向けの「オークションサービス」が中心だったが、近年はCtoCに特化する「フリマサービス」が台頭し、業界・市場での注目も年々高まっている。実際に、「誰が」「どのように」フリマサービスを利用しているのだろうか。

まず、フリマサービスを利用している人がどのくらいいるか、インターネット人口を母集団とする「デジタル統合視聴率 」のデータを見てみる。同じフリマサービスでも、パソコンから利用する人、スマートフォンから利用する人、複数のデバイスを横断して利用する人とさまざまだ。これまで存在したデータの多くでは、パソコン、スマートフォンなどそれぞれのデバイスからの利用率しか確認することができなかったが、「デジタル統合視聴率」では各デバイスからの利用率も、デバイスを横断した“デジタル全体”での利用率も精緻に計測されている。

フリマを代表してネットユーザの利用率が業界No.1のフリマサービスA(以下、「フリマ A」)の利用率※を、それぞれ同様に業界No.1のECサービスB(以下、「EC B」)、オークションサービスC(以下、「オークション C」)と比較している(図表1)。「フリマ A」はフリマサービスユーザーの8割近くに利用されているサービスで、「EC B」と「オークション C」は各業界を代表するサービスなので、これらの比較によって業界の特徴が明らかにできるとしている。

デバイスを横断した“デジタル全体”における「フリマ A」の利用率は、20.9%という結果だった。「オークション C」の33.1%には及ばないが、一方でデバイス別に見たスマートフォンからの利用率では、「フリマ A」が17.7%と「オークション C」とほぼ変わらない水準となっていた。

※購入有無によらず、Webブラウザ・アプリを通しての接触経験を「利用」と定義。

フリマアプリは若年層がスマホで利用

フリマアプリは若年層がスマホで利用図表2

図表2は “デジタル全体”における各サービスの性年代別利用率だ。「フリマA」は年代が若いほど利用率が高く、男性10代や女性10-30代では「オークション C」よりも多くの人に利用されていた。

これらのデータから、フリマサービスがEC、オークションといったサービスと比べて、「若年層を中心に」、「スマートフォンで」利用されていることがわかるとしている。

オークションとの「併用」が主流か

オークションとの「併用」が主流か図表3

フリマサービス利用者はEC、オークションといった他の電子商取引サービスも使っているのだろうか。「フリマA」利用者の他サービスの併用状況を確認したところ、図表3の通り「フリマA」のみの利用者は全体の10%程にとどまった。同社では、ほとんどの人が「EC B」、「オークションC」のいずれかあるいは両方と併用、使い分けをしていると分析している。

比較してフリマでの購入が多いのはT層・F1層か

比較してフリマでの購入が多いのはT層・F1層か図表4

次にフリマサービス利用者の多くが併用しているそれぞれのサービスは、どのように使い分けられているのかについてだ。「フリマ A」・「EC B」・「オークション C」で購入した商品と、1回あたりの購入金額を比較して、それぞれの特徴はどうだろう。

図表4の通り、「フリマ A」での購入商品のうち、最も多いのは「レディースファッション」。これに、「本・雑誌・コミック」、「化粧品・香水」、「キッズ・ベビー・マタニティ用品」、「メンズファッション」と続く。「フリマ A」はファッションアイテムの売買が中心のようだ。また、「EC B」、「オークション C」と比べて購入率の高い特徴的な商品は、「レディースファッション」、「化粧品・香水」などのファッションアイテムと、「キッズ・ベビー・マタニティ用品」だった。

各サービスで利用動向に差

各サービスで利用動向に差図表5

1回あたりの購入金額にも「EC B」、「オークション C」と異なる傾向が見られた(図表5)。1万円未満の少額決済が全体の80%強を占めるなど、他のサービスよりも1回の購入金額が少なくなっている。

ネットでのまとめ買いの対象となる本・CDなどのソフト類や、信頼できる所から買いたい新品のパソコンや家電といった耐久消費財が特徴的に買われている「EC B」、車用品・バイク用品が特徴的に買われている「オークション C」は高額な買い物が行われやすいのに対し、使わなくなったファッションアイテムなどを売りに出す「フリーマーケット」の発想が起点である「フリマ A」は比較的少額のやり取りとなると同社では分析している。

まだまだ伸びしろが大きいフリマ市場

調査結果にあるように、No.1フリマサービスの利用率はネット人口の約2割だった。またフリマサービスのメインユーザーは男性10代と女性10-30代で、フリマサービス利用者の9割はEC、オークションと併用していることがわかった。さらにEC、オークションよりフリマサービスでの購入が多いのはファッションアイテム、キッズ・ベビー・マタニティ用品で、フリマサービスでの購入金額はEC、オークションより少額であることがうかがえる結果となった。

フリマサービスは、”手軽” に ”身近なアイテム” を売買できる、双方向型電子商取引サービスとして若年層、特に10代男性や10-30代女性でよく利用されていること、フリマサービス利用にはスマートフォンが浸透、商品によって他の電子商取引サービスと使い分けしていることが明らかになったと言えるだろう。

今回の調査からも、まだまだフリマサービスの伸びしろは大きく、また若い世代の利用が多い現状を踏まえつつ、他の層にもどう訴求していくのかも肝要となるだろう。マーケティングやプロモーションを行う際もこうした動向を的確にとらえつつ、施策を実行していく必要がありそうだ。

 


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