『airCloset』がコンビニからの返送を大幅簡素化 ローソンの物流網を使った無人返却システムを実現

株式会社エアークローゼット(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:天沼 聰)は、2019年4月1日(月)より月額制ファッションレンタルサービス『airCloset(エアークローゼット)』のBOXを返送する際に、大手コンビニエンスストアの『ローソン』にて「約10秒で手続き完了が可能になる」無人返却の『Smari(スマリ)』導入を開始する。

『Smari』は、三菱商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長:垣内 威彦)と株式会社ローソン(本社:東京都品川区、代表取締役 社長:竹増 貞信)がローソンの既存物流網(配送後の戻り便)を活用し、レンタル商品などの配送を受け付ける仕組みだ。対象店舗は、まず東京都内の一部ローソン店舗約100店舗で開始し、今後全国300店舗での展開に向けて順次拡大していく。

抜本的な物流問題の改善に向けた挑戦

エアークローゼット社ではこれまで『airCloset』を通し、サービスにとって欠かすことのできない「物流=配送面」において、オペレーション構築や改善を通して、社会問題とされていた配送問題解決やユーザーのUX向上への取り組みに注力してきた。

今回、サービス事業主として“新しい配送網の開発”に参画することで、抜本的な物流問題の改善に挑戦していくとしている。

同社は三菱商事・ローソンの新しい配送網基盤づくりへの参画において、テストマーケティングとして2018年冬に都内約100ヶ所のローソンで『airCloset』の一部のユーザーを対象に試験運用を実施してきた。本格稼働に向けて機能改善への提案をし、ユーザーにとっての利便性の向上に貢献していく方針だ。

レジに並ばずにコンビニから返送可能に

レジに並ばずにコンビニから返送可能に専用BOXイメージ (高さ:135cm横:55cm奥行き:66cm

同社は、「Smari(スマリ)」の特徴とメリットについて次のように述べている。ユーザーはこれまでも近くの対象コンビニエンスストアでのご返送が可能で、実際に多くの方がコンビニでの返送方法を選択していたそうだ。

メインユーザーのうち9割強が働く女性で、その中でも4割強が子育て中の女性である、サービス利用時における「手続き」や「受け取り・返送」に関する利便性は重要な観点だった。

これまでコンビニのレジでの返送手続きにかかっていた「列に並ぶ・手続きをする」といった時間を大幅削減し、約10秒で完了できるようにすることでサービス利用時の「返送」に関する時短を実現し、さらなるUX向上を目指すとしている。

airClosetの「Smari(スマリ)」利用での返却方法

airClosetの「Smari(スマリ)」利用での返却方法

サービスサイトで取得した「Smari」利用専用QRコードを、対象のローソン店内に設置した専用BOXにかざして読み取る。

専用BOXのドアが開錠され、同時にラベルが印刷される。

ラベルを対象商品に貼付し、専用BOXに入れてドアを閉める。

※ラベルには、住所、氏名などの個人情報が印字されないため、プライバシーが保護された状態で返品配送が行われる。

ローソンの物流網を活用

同社はローソンが保有する既存の物流網活用について、次のように述べている。

「『ローソン』は全国に約15,000店舗あり、専用配送センターから多い日で1店舗あたり約7~8回商品を納品しています。今回開始するサービスは、納品後のトラックの戻り便を活用した取り組みです。

専用BOXに入れられたレンタル品やECの返却・返品商品を、ドライバーが回収します。既存の物流網を活用するため、新たな人員の手配の必要がありません。また、専用BOXの利用のみで返品作業が完了する仕組みの為、店舗にとっては、返品に伴うレジ作業時間の削減が期待できます。

利用者にとっては、宅配便の返品伝票への記入や店舗でのレジ待ちの手間が省け、簡単に短時間で返品することができます。同時に、EC事業者にとっても、返品方法の多様化による顧客満足の向上が期待されます」

EC市場を筆頭にサブスクリプション(定額レンタル)のサービスが各社から提供され、その利用が広がっている。

ファッション分野でサブスクをリードする『airCloset』だが、サービスの利用時に付いてまわる返却のわずらわしさについて、ローソンの既存のスキームを活用して一気に簡素化に成功したようだ。利用者の利便性が高まるだけでなく、それを通して同社の価値を高めるだけでなく、ローソンへの集客の面でも一役買いそうだ。