Amazonでの展開などECビジネス拡大を支援 世界的コンサル企業とEC分析ツール提供企業がタッグ

ECのミカタ編集部

ショッパー戦略はじめ営業戦略やマーケティングに精通する世界的コンサルティング企業であるKantar Consulting(以下カンター社)と世界各国に拠点を持ち、50ヶ国以上の全ECモールを分析するツール開発プロバイダーであるProfiteroが共同でeコマース事業サポートサービスを共同で開発、提供することに合意した。

ECビジネス拡大を支援

同サービスは、自社ECサイトを運営またはECモール上で自社製品を販売する企業を対象とするもので、日本のみならず、世界各国で展開されるという。

具体的には、ネットワーキングサービスやイベント、ネット配信による研修を通じたクライアントのEC事業担当者のスキルアップや、EC事業のデータ分析パッケージサービスやコンサルティングサービスをご提供することで、ECビジネス拡大を狙う企業のサポートを行うことがアメリカ・ボストンで開催されていた「eCommerce & Omnishopper Conference」で発表された(ロンドンおよびニューヨーク)。

EC関連企業がより効率的に投資ができるようサポート

EC関連企業がより効率的に投資ができるようサポート

カンター社は、実店舗事業やブリック&モルタル事業で成功することは容易なことではなく、Amazonのようなアルゴリズム主導のデジタルプラットフォーム、eコマースビジネスで成功することはなおさら困難なことだと指摘する。

デジタル上の在庫に影響を与える要因は実に多岐に渡る。ブランドごとに何百もの商品が存在し、何十もの販売業者が存在するため、在庫は多岐にわたる。そのためにデジタル在庫はとてつもなく早いスピードで動くのだ。

こうした状況に対応する為、企業は雇用拡大、投資を急速に増やしている。昨年12月にカンター社とプロフィテロ社が共同で実施した調査によれば、大手メーカーは2017年からeコマース関連の人材登用をほぼ90%も増加させ、76%がさらにeコマースビジネスへの投資を増やす予定であることが明らかとなっている。3分の1の企業が、売上の10%をツールや人材、外部業者の利用に投資する計画をしていると言われている。

こうしたトレンドを踏まえて、カンター社とプロフィテロ社は戦略と実行を円滑につなげるためのサービスを開発し、eコマースビジネスに携わる企業がより効率的に投資ができるようサポートすることにしたのだ。両社の提携で進める主な内容は次の通りだ。

◆【効果的な戦略の策定】

カンター社が提供する市場データやコンサルティングサービスを使うことで、クライアントは最も増加している顧客や流通経路、カテゴリーやアソートメントの機会を特定できる。アマゾンや何千ものECモールで販売されている商品販売動向を読み解くプロフィテロ社のきめ細かいアイテム単位のデータを組み合わせて使うことにより、よりきめ細やかな戦略やプランニングをすることが可能となる。

◆【効果的な組織運営】

カンター社の組織運営に関する知見、専門性やベンチマークの研究手法とプロフィテロ社のデータを活用することにより、最重要事項に対し企業は最適な人材数、プロセス、仕組みづくりに活用できるようになる。また、カンター社とプロフィテロ社は、eラーニングツールやライブ配信による研修プログラムを共同開発しているので、企業がより高いパフォーマンスを出すことができるeコマースの人材づくりの手伝いができる。

◆【効果的に業務を遂行】

プロフィテロ社のきめ細やかなデジタル在庫の分析やアマゾンの売上やシェア、トラフィックやコンバージョン分析のツールは、カンター社の回帰モデルをより強固なものとし、クライアントが真にビジネスが直面する課題に穴をあける戦術や商品をより効果的を特定できることに役立つ。メーカーは新しいコンテンツやプロモーション手法をテストし、全ポートフォリオに通ずるROI(投資利益率)を計測できるようになる。

迅速かつ効果的に事業拡大ができる唯一の存在に

迅速かつ効果的に事業拡大ができる唯一の存在に

今回の提携に際して両社のキーパーソンから次のようなコメントが出されている。

「eコマースは、投資に値するにふさわしい、成長過程にある事業ではあるが、大手メーカーは、どのようにルール作りを図り、どこにポイントを定めて実行すべきか明確でない現時点において、十分な支出を行う判断ができないでいるようです。それは、特に大手企業の場合、実店舗事業を維持しなくてはならないことが多いからです。我々が提供できるデータやノウハウによって、カンター社とプロフィテロ社は大手メーカーがデジタル事業戦略と実行をつなぎ、迅速に効果的に事業拡大ができる、唯一の存在になる事でしょう」(カンター社CEO、Phillip Smiley氏)

「カンター社とプロフィテロ社は有用なデータを数多く保有しており、グローバル企業にメリットを提供できるという点で、我々はeコマースビジネスが抱える問題を唯一明らかにできる存在となるでしょう。我々はカンター社とパートナーシップを取ることに非常に喜びを感じております。我々のデータ技術やAIテクノロジーは、クライアントがeコマースでより効果的かつ迅速に業務を遂行する上で役立てられることでしょう」(プロフィテロ社CEO兼共同設立者Vol Pigrukh氏)

このように世界的なコンサル企業とEC分析ツール提供企業のタッグによって、最適な投資判断をはじめとしたECビジネスでの強力な支援をすることになる。

両社の概要

KANTAR CONSULTING社(カンターコンサルティング社)について

カンターコンサルティング社は、世界的なコンサルティング会社。1000名を超えるアナリスト、ソフトウェア開発者、コンサルタントを保有し、クライアントのブランド開発やマーケティング、店舗事業、営業戦略や売上向上のためのショッパー戦略の開発を支援している。世界1200もの店舗をトラッキングし、2億人を超える買い物客の購入記録データを保有、世界中の社会的現象、カルチャートレンド、消費者動向などを予測するサービスを提供している。

Profitero社(プロフィテロ株式会社)について

Profitero 社は、eコマースデータ分析ツールの開発企業だ。同社ツールは、世界的な大手消費財メーカーが利用しているもので、現在世界50 ヶ国以上、8,000 を超える EC モール(PC 及 びモバイル。アマゾン、楽天、ロハコなど世界中の全ECモール対象)上のデジタルデータを計測し、商品別表示順位や掲載ページ数、商品ページとの関連性の高いキーワードの特定、カスタマー・レビューや商品ページの問題点の特定と改善案の指摘、在庫切れの防止、対象商品の価格帯動向の把握など、eコマースビジネスの拡大施策のための行動にすぐにつながるヒントや情報を日々提供している。

特にAmazonにおいては同社ツールは、上記情報だけでなく、Amazonで取引している自社、他社、自社製品を販売する第3者販売業者の売上高、売上数量、シェアを計測し、Amazon全体における対象製品市場の動向及び自社、競合、第3者業者の動向把握を可能としている。これにより利用者は、どのような要素が売上に影響を与えているのかを細部にわたって把握することができる。世界的大手消費財メーカー(バイヤー 社、バイヤスドルフ社、アイロボット社、エッジウェルパーソナルケア社、ゼネラル・ミルズ社、 ハイネケン社、キッズ・ツー社、ミラー・クアーズ社、ロレアル社など)の多くが、e コマースビジネスを計測、向上させるのに役立つ、同社のきめ細やかで高い精度を誇るデータを利用している。

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