Webと電話の顧客データをシームレスにつなぐ 『KARTE』と『IVRy』が連携開始

ECのミカタ編集部

株式会社プレイド(東京都中央区:代表取締役CEO 倉橋健太、以下「プレイド」または「同社」)が提供する「KARTE」と、株式会社IVRy(東京都台東区:代表取締役CEO 奥西亮賀)が提供する「IVRy」がプロダクト連携を開始した。

半年足らずで売上5倍超も

プレイドが提供するCX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」と、IVRyが提供する、月額3,000円から使える電話自動応答サービス「IVRy(アイブリー)」がプロダクト連携を開始した。

KARTEとIVRyの連携は、鹿児島茶・知覧茶のリーディングカンパニーとして事業を展開する「新原製茶株式会社」の総合電話窓口にて導入を開始しているという。これまでもIVRyの活用による電話DXに取り組んでおり、導入開始半年足らずで売上を5倍超に成長させた実績があるという。

なおプロダクト連携の展開にあわせて、EC事業者向けの「KARTE Entry Series for EC」、BtoB SaaS事業者向けの「KARTE Entry Series for SaaS」でも「電話DXパッケージ(IVRy連携)」の提供が開始される。

同社は、KARTE Entry Seriesについて、低価格で手軽に導入・運用開始が可能で、サイト改善における最初の成功体験に繋がる成果が素早く得られることを目指して開発されており、規模を問わずどのような企業であっても今回の連携を活用することができるとしている。

KARTE×IVRyプロダクト連携の概要

KARTE×IVRyプロダクト連携の概要

IVRyは、様々なシーンでの電話業務を自動化・効率化し、普段の業務オペレーションへの集中や対応工数削減を実現するSaaSサービスだ。自由な分岐設定と自動応答・SMS返信・電話の転送(リダイレクト)・録音機能・ブラウザ電話機能等を活用することで、営業電話・顧客からの問い合わせ・注文・予約等の様々なシーンを自動化・効率化する。

今回のプロダクト連携によって、KARTEでリアルタイムに解析するウェブサイトやモバイルアプリに訪れる顧客一人ひとりの行動データと、IVRyで解析する電話対応ログをかけ合わせ、より深い顧客理解とシームレスなCRMを実現することができるという。

例えば、KARTEによって電話番号および顧客固有の認証コード(顧客番号)を任意のページにポップアップ表示させ、IVRyの電話自動応答においてその認証コードを顧客に入力してもらうことで、その顧客の過去および現在の行動データにあわせた電話によるコミュニケーションを実現するとともに、そのコミュニケーション自体も行動データとして蓄積・活用することができる。

IVRyは自動応答・SMS(ショートメッセージサービス)返信・電話の転送と様々な対応ができるため、FAQページで自己解決できるような相談や問い合わせであればSMSでURLリンクを返信したり、人による支援が必要な状況であればスムーズにカスタマーサポート窓口につないだりすることもできる。顧客の状況が「見える」ことでカスタマーサービスの質が向上し、今までとは違って、電話の窓口でも対面のような問い合わせの体験を実現することが可能となるのだ。

プレイドは2021年12月にIVRyへの出資を行っているが、今回のプロダクト連携により、必要不可欠でありながらイノベーションが進んでいない「通話」コミュニケーション手段である「電話」を再定義することで、あらゆるビジネスを対象としたデータ活用による顧客体験の向上と業務効率化を推進していくとしている。

Webと電話のデータをシームレスにつなぐ

公表に際して各キーパーソンからは、次のようなコメントが出されている。

新原製茶株式会社代表 新原光太郎氏

「コロナ禍でオフライン店舗での売上が下がり、ECを活用したオンラインでの接客・集客に挑戦してみましたが、なかなか成果につながりませんでした。そこでデジタルに明るくない弊社の60代スタッフでも使える既存の『電話』というチャネルを活かした取り組みを行いたいと考え、導入をしたのがIVRyでした。結果、折り込みチラシとの掛け合わせで非常に順調な売上成長を実現することができ、同時に改めてお客様のデータをしっかり活用することの必要性にも気づきました。そしてこの度、KARTEとの連携の話を伺い、よりスムーズに電話とオンラインを掛け合わせた展開ができるとのことで、導入を即決しました。今後も試行錯誤を繰り返し、プレイドさん、IVRyさんにサポートをいただきながら、日本茶の良さを広めていきたいと考えております」

株式会社IVRy 代表取締役CEO 奥西亮賀氏

「プレイド社からはプロダクト連携を前提とした出資もいただいていますが、初回の連携機能の打ち合わせ以降、単純な2社間の取り組みとしてではなく、1つのチームとして迅速かつ気持ちよく開発を進めさせていただき、今回の発表ができたことを大変嬉しく思います。本連携により、今まで分断されることが多かったウェブと電話のデータを、シームレスに繋ぐことが可能となりました。KARTEとIVRyのデータを掛け合わせて活用していくことで、電話を通じた顧客体験の向上やウェブの行動履歴と紐付いた電話コンバージョンデータの取得〜広告最適化など、今までできなかった様々な新しい価値提供を推進していきます。本取り組みをきっかけとして、様々なプロダクトや事業者との連携を拡大し、さらに多角的な『電話DX』を実現していきます」

株式会社プレイド執行役員 宮原忍氏

「2021年12月末にIVRy社への出資を発表させていただいてから、約2ヶ月という短期間で、KARTEとのプロダクト連携が実現できたことを大変嬉しく思います。私たちと同じ目線・同じスピード感でプロジェクトを進められるIVRyチームには、改めて頼もしさを感じるとともに感謝の気持ちでいっぱいです。本連携をインサイドセールスやカスタマーサポート業務に導入した企業は、ウェブサイトやモバイルアプリに来訪したお客様の状況をリアルタイムに把握することで、まるで対面のようなコミュニケーションが『電話』でも可能になります。また、オンラインのリアルタイムな顧客体験とオフラインの業務オペレーションがシームレスに繋がることで、次世代のカスタマーデータプラットフォームの実現が期待されます。プレイドはIVRy社とのパートナーシップを通じて、企業規模の大小や地域に限らずあらゆるビジネスを対象に、データ活用による体験価値の向上と業務効率化を推進していきます」

プレイドでは今回の連携を通して、パートナーとともに顧客および企業への新たな価値実現を目指す「PLAID Ecosystem」の構築を加速させるとしている。またKARTEと連携を行うことにより、さらに深い顧客理解とシームレスなCRMを実現するとしており、連携によって両者に新たな価値がもたされることになりそうだ。

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