FedEx、多数小口貨物サービスを改善 輸送時間が2~4日から1~3日に短縮(特定地域)

ECのミカタ編集部

フェデックス エクスプレス(以下「フェデックス」または「同社」)は、多数小口貨物サービスの「フェデックス・インターナショナル・プライオリティ・ダイレクトディストリビューション」を改善することを公表した。

輸送時間を短縮

フェデックスは、多数小口貨物サービスの「フェデックス・インターナショナル・プライオリティ・ダイレクトディストリビューション(以下IPD)」を改良し、アジア太平洋地域から出荷される貨物について、以下の6つの仕向地への輸送時間を2-4日から1-3日に短縮する。

オーストラリア、香港、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾1のお客様は、フェデックスの主要な輸送サービスであるフェデックス・インターナショナル・プライオリティ(IP)と同等の輸送時間のメリットを、IPDで追加料金無く享受できる。

IPDは、EC事業者をはじめとする企業がその製造拠点から、ひとつの仕向国/地域向けの複数の貨物を1つの貨物として一元管理することで、輸送プロセスを効率化する。一元管理のもとで出荷される貨物は1枚のインボイスでの通関手続きが可能だ。フェデックスは仕向地で貨物を開梱し、その国/地域内の複数箇所に個別に配送される。

IPDサービスの改良による主なメリット

IPDサービスの改良による主なメリット

IPDサービスの改良による主なメリットは以下の通りだ。

▶リスク軽減:
IPDはサプライチェーンを効率化し、多くのプロセスを必要とする輸送や在庫・倉庫管理に伴うリスクを軽減。また輸送の一元化は、貨物の損失やダメージのリスクも軽減する。

▶迅速な配送:
サプライチェーンの効率化と通関手続きの一元化によって、輸送所要時間を週単位から日単位に短縮できる。

▶信頼性:
運送業者1社が責任をもって発送元から仕向地までのプロセス全体を管理するため、輸送全体でのプロセスが減り、貨物の損失、ダメージあるいは遅延の可能性を軽減する。

▶可視性:
配達証明を含む包括的な貨物のトラッキングを提供する、フェデックス アドバンス・トラッキングを利用することで、輸送プロセス全体を通して、貨物ごとの状況を管理・追跡できる。

製品の市場投入までの時間を短縮

フェデックス エクスプレスのアジア太平洋、中東、アフリカ地域マーケティング&カスタマーエクスペリエンス担当上級副社長のサリル・チャリ氏は次のように述べている。

「いまだ続く世界的なパンデミックの中で、信頼性やサプライチェーンの回復は、全ての企業にとって最重要事項です。我々はより効率的な国際輸送ソリューションをお客様に届ける取り組みを続けてまいります。2030年までに、アジア太平洋、中東、アフリカ地域内の貿易は世界の貿易成長の20%超に貢献することが見込まれている現在、このインターナショナル・プライオリティ・ダイレクトディストリビューション(IPD)の改良によって、お客様は物流インフラへのさらなる投資を行うことなく、物流フローの効率化によって製品の市場投入までの時間を短縮することができます」

現在アジア太平洋地域では、貨物輸送需要が伸びている。国際航空運送協会(IATA)によると、アジア太平洋地域の航空貨物需要は、2022年1月時点で前年比4.9%伸長。これは世界平均(前年比2.7%)の約2倍に相当する。アジア開発銀行による最近の研究では、アジア太平洋地域内の貿易がパンデミックの期間を通して伸び続けているとされている。

こうした状況を受けて、フェデックスはこれまでもサービス向上を行っており、1月にはフェデックス・インターナショナル・プライオリティ エクスプレス(IPE)で、貨物の配達時間帯を早める輸送サービスを開始している。同サービスでアジア太平洋、中東、アフリカ地域の顧客は、午前10:30あるいは正午までの期限を設けて、国際配送のスケジュールを立てることが可能となっている。

新型コロナウイルスによる感染拡大の影響が長引く中で、ECを根幹から支える物流とサプライチェーンは試練に見舞われてきた。こうした厳しい状況の中で、同社はサービスの改善を進めており、越境ECを安定的に行う上でも、同社の果たす役割と存在感はこれからも大きなものとなりそうだ。

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