EC物流でのロボット運用が本格化 STOCKCREW倉庫でシリウスジャパンのピッキングアシストロボットが稼働

ECのミカタ編集部

株式会社STOCKCREW(所在地:東京都千代田区、代表者:中村慶彦)は、管理運営する倉庫 Sugito Dockにて、シリウスジャパン株式会社が提供するピッキングアシストロボットの一部、本格稼働を開始した。

実証実験から本格稼働へ

ネットショップの発送代行サービスを提供する株式会社STOCKCREW(以下「STOCKCREW」または「同社」)は、同社が管理運営する倉庫 Sugito Dock(所在地:埼玉県北葛飾郡杉戸町屏風200-6)にて、シリウスジャパン株式会社が提供するピッキングアシストロボット(PA-AMR)の実証実験を行っていたが一部、本格稼働を開始した。

FlexComet6台・FlexSwift4台の計10台を契約し、導入の技術支援を受け本年3月から実証実験を行っていた。同社のWMS(倉庫管理システム)からAPI連携でロボットへデータ連携を行えるなど設定環境が整い、この6月より一部作業で本格的に運用にこぎ着けた。

深刻な労働力不足をカバー

同社では、顧客事業者へ提供する物流サービスの内容の拡充のみならず、品質向上のために新しいテクノロジーを積極的に取り入れ改善を進めるために同社運営倉庫から、新しい取組を発信している。今後は、現在の倉庫をより拡張していくため、ロボットの試験活用から全体への活用やBtoCだけではなく、BtoBの出荷作業への活用も進めていくとしている。

なお今回のロボットの運用により、同社では、以下倉庫内作業の向上を目指すとしている。

▶労働者不足を補うため、少人数でも出荷作業の対応が可能な倉庫内作業の効率化

▶ロボットのタブレットに表示される画像による商品の確認など、倉庫内作業の経験値に頼らず作業工程を標準化することによる一定品質の確保

▶バーコードスキャンの商品検品を実施することにより、精度の高い検品を行い誤出荷のリスクを低減

サブスクで低コスト導入が可能に

昨今の少子高齢化の流れにより日本の労働人口減少は長らくの課題となっており、その深刻度も増している。その状況に加え、物流業界は倉庫の立地による集客の難しさ・倉庫内業務は一程度肉体労働であることなどの要因が重なり、物流倉庫での安定的な人員確保は年々難しくなっている。

一方、EC市場の需要は高まり続けている。経済産業省の電子取引に関する市場調査では、2020年以降はコロナの影響もあり、BtoC市場は約12.2兆円と前年比21.7%成長。市場の成長により、ネットショップの発送代行を担う物流倉庫の需要も高まっている。

物流業界の人員確保の課題とBtoC市場の拡大に対応するため、物流業界では長らく「自動倉庫」や「物流ロボット」の導入による業務の自動化が急務だ。しかし、ロボットや各種設備は初期投資の必要性があることから、大手物流会社や大手メーカーなど資金力のある企業しか導入できない設備だった。同社でも倉庫を運営する中で物流業界の課題に直面していたという。

今回この課題の対策として、シリウスジャパン株式会社が提供するPA-AMR(自律走行型ピッキングアシストロボット)の導入を決定したのだ。同社の製品はRaaS(Robotics as a Service)と呼ばれる月額定額制のサブスクリプションサービスになっており、初期投資費用をかけず必要台数を導入することが可能になっており、今後、EC物流への導入拡大が期待できそうだ。

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