メルカリShopsが鳥取県と連携――アプリからカニを購入できる「メル”カニ”Shops」を開始

ECのミカタ編集部

株式会社ソウゾウ(以下、ソウゾウ)は、Eコマースプラットフォーム「メルカリShops」にて、9月15日から鳥取県と連携し、松葉ガニなどの鳥取県公認の特産品が購入できる「メルカニShops」の取り組みを開始した。メルカリShopsとしては初めてとなる自治体公認企画で、同社としては、今後も地方事業者のEC化と自治体連携を進める-狙いだ。今回は、サービス開始に先駆けて行われた、記者会見の模様をお伝えする。

ECは新しくなれる。全ての人とモノに新たな価値を。

ECは新しくなれる。全ての人とモノに新たな価値を。

会見では同社の石川佑樹社長が、今回の取り組みについて説明した。「メルカリShops」は、2021年10月に開始した、事業者向けのECプラットフォームだ。同サービスの特徴は、誰でも簡単にネットショップを開設できる手軽さにある。これまでメルカリとして、ITの知識がなくても簡単に出品できる仕様を、CtoC領域で培ってきた。

そのノウハウが同サービスでも生かされている。スマートフォン1つで、ショップの開設から出品、在庫の管理まで対応している。また、全国各地の店舗に対して、月間で2,000万人以上が利用するプラットフォームでの「売れる機会」を提供している。

特産品の認知拡大とEC化支援で地域経済活性化へ

特産品の認知拡大とEC化支援で地域経済活性化へ

そんなメルカリShopsでは、「Eコマースは新しくなれる。メルカリShopsで全ての人とモノに新たな価値を。」をプロダクトビジョンに掲げ、EC化支援事業を通した地域活性を推進している。同サービスの累計出店者数は、リリースからおよそ半年間で、20万店舗を突破した。なかでも食品カテゴリーは、ユーザーからのニーズが高く、新たな需給のマッチングを生み出している。

そんな同社では、これまでも2つのパターンで、自治体との連携を強化してきた。1つは、地域の事業者のEC化を自治体と連携してサポートする取り組み。メルカリショップ講座の提供により、出店販売を促進する。この結果、地方発の商品が全体の6割を占めており、地域経済の活性化に貢献している。

もう1つは、自治体自身が出店販売するケース。町で出た不用品や、廃校になった学校の備品など、自治体が自ら販売者として出品する。これにより、リユースの促進や町の財源確保につながっている。

松葉ガニをメルカリアプリで購入可能に

松葉ガニをメルカリアプリで購入可能に

こうした自治体連携の3つ目のタイプとして、今回は鳥取県と提携し「メルカニShops」をリリースするに至った。メルカニShopsでは、鳥取県が公認する特産品店が、24店舗出店する。松葉ガニや和牛といった鳥取の食を、メルカリアプリや公式サイトから、簡単に購入できる。

自治体が公認する形でのメルカリShopsへの出店は、全国でも初の試みとなる。また、一度に24店舗が同時に開店するのも、初めてだそうだ。さらに、同サービスとして初めて「メル”カニ”」という、ダジャレを交えたネーミングを採用した。

石川氏は「鳥取県の特産品の認知拡大と、EC化支援を図り、地域経済のさらなる活性化を目指したい」と語った。会見では、石川氏によるデモンストレーションが行われ、数タップで簡単に購入できる様子が披露された。

遠隔地のお客様へ特産品を手に取ってもらえる機会

遠隔地のお客様へ特産品を手に取ってもらえる機会

鳥取県の平井伸治知事は、オンラインで参加し、鳥取県とカニとのつながりについて説明した。鳥取県は、カニの水揚げ量が全国1位でそのシェアは36%で、2位の北海道の倍以上という。また消費量も日本一という、カニとゆかりの深い鳥取県が、カニのシーズンに合わせて開催しているのが「蟹取県」キャンペーンだ。鳥取から全国へ向けて、カニをはじめとした特産品を楽しんでほしい、という。9年目となる今年、初めてメルカリShopsとの提携が実現した。

今回の取り組みに対して平井知事は「メルカリがECを本格化し、パイオニアとなる動きに期待を寄せている。コロナ禍で遠隔地にいるお客様に、なかなか商品を手にとってもらいづらい現状だ。こうした機会を県としても媒介していきたい」と語った。またメルカリに対しては、「”カニの仲間”ではないかと思い、お声掛けした」と話し、終始ユーモアあふれるトークで会場を盛り上げた。
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コロナ禍で、長らく旅行を控える動きが続いている。地方の事業者にとっては、ユーザーに商品を手に取ってもらえる機会すら、減ってしまうケースも少なくない。今回のような、自治体と企業が連携したEC化への動きは、地域経済の活性化を後押しできるのか。今後の取り組みに注目したい。


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