国土交通省がついに「トラックGメン」を創設、荷主・元請への監視強化へ

ECのミカタ編集部

国土交通省は、「物流革新に向けた政策パッケージ」に基づき、適正な取引を阻害する疑いのある荷主企業・元請事業者の監視を強化するため、いわゆる「トラックGメン」を創設することを公表した。

法律の実効性を確保

国土交通省は、発荷主企業だけでなく着荷主企業も含め、適正な取引を阻害する疑いのある荷主企業・元請事業者の監視を強化するため、2023年7月21日(金)に「トラックGメン」を創設することを公表した。

同施策は、2023年6月2日に「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」において取りまとめられた「物流革新に向けた政策パッケージ」に基づいているとのことだ。

その上で同省は、緊急に体制を整備するとともに、当該「トラックGメン」による調査結果を貨物自動車運送事業法に基づく荷主企業・元請事業者への「働きかけ」「要請」等に活用し、実効性を確保するとしている。

改正貨物自動車運送事業法とは?

改正貨物自動車運送事業法とは?

貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律(議員立法・令和5年法律第62号)の概要は、次の通りだ。

◆改正の目的

令和6年4月からの時間外労働の上限規制を見据え、平成30年の議員立法において時限措置として、「標準的な運賃」と「荷主対策の深度化」の制度を創設。一方、新型コロナウイルスや原油価格高騰などの影響を受け、トラック事業者の経営状況はいっそう厳しさを増しており、荷待ち時間の削減や適正な運賃の収受等により、労働条件を改善し、担い手を確保するための取組は道半ばだ。働き方改革の実現と安定的な輸送サービスを確保するため、「標準的な運賃」や「働きかけ」等の制度を継続的に運用することが必要であり、改正・施行へと至った。

◆現行

時間外労働規制が適用される(令和6年3月)までの時限措置を適用。トラック事業者の法令遵守に係る国土交通大臣による荷主への働きかけや要請等の規定がなされている。運賃については、運転者の労働条件を改善し、持続的に事業を運営するための参考指標としての「標準的な運賃」制度(令和2年4月告示)に基づいており、セミナーや各種協議会による周知・浸透を図っている。

◆改正後

上記について「当面の間」の措置とする。

注目されるEC物流のこれから

トラックドライバーは、労働時間が長く低賃金にあることから担い手不足が喫緊の課題となっている。働き方改革の一環として2024年4月からドライバーに時間外労働の上限規制(年960時間)が適用されるが、これによる物流への
影響が懸念される(いわゆる「2024年問題」)。

国土交通省では、貨物自動車運送事業法に基づく荷主等への「働きかけ」「要請」等による是正措置を講じてきたが、2024年問題を前に強力な対応が必要であるとしていた。このため、新たに「トラックGメン」を設置することで荷主等への監視体制を緊急に強化し、荷主対策の実効性を確実なものにすることにしたのだ。

2023年7月21日には、162名体制で同省及び地方運輸局等に設置される予定としており、経過措置はあるものの改正貨物自動車運送事業法の実効性を確かなものとするため、実働要員を配置することになったものと見られる。2024年問題と貨物自動車運送事業法、そして物流の課題とその対応はECを支えるラストワンマイルをはじめとした物流システムのあり方に直結するものであり、今後もその動向に注目が集まりそうだ。


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