「本のガチャ × 香水ガチャ®️」は企画担当者の趣味からはじまった! 「何が届くか分からない」を不安からワクワクへ

ECのミカタ編集部

文庫本と香水がコラボした「本のガチャ×香水ガチャ®」。第一弾はECサイト限定、第二弾は実店舗とECの両方で販売し即日完売と大きな反響を得ている。オムニチャネルでの展開についてや課題、今後の展望を伺った。

新しい読書体験を読者に提供

もともと、hontoでは2022年8月より「本のガチャ」という価格とテーマだけで何が届くか分からない文庫のブラインド販売企画を実施している。本のガチャを通して目的買いだけではない、新しい本との出会いを求めていることが分かったという。さらなる新しい読書体験を提供する方法を模索する中で「本のガチャ×香水ガチャ®」は誕生したそうだ。

「本のガチャ×香水ガチャ®」はhonto書店員が4つのテーマに合わせて選書した文庫本と、ニッチフレグランス専門店「NOSE SHOP」がセレクトした全29種の香水とのコラボレーション企画。どんなセットが当たるかは、届いてからのお楽しみであり、香水とともに本の世界に浸り、五感を刺激する読書体験を提供する。

読書と香水の組み合わせについて、honto担当者は「趣味で香水を集めており、様々な香水販売店に足を運ぶ中で、NOSE SHOPさんの香水と本を一緒に販売したら新しい読書体験が提供できるのではと考えました」と語る。

NOSE SHOPの香水にはそれぞれストーリーが設定されており、香りをかぎながらストーリーに思いを馳せるという顧客は多い。この一連の楽しみ方と本の買い方や楽しみ方と親和性が高いのではないかと感じ、コラボレーションを提案したという。

第1弾の3倍にものぼる在庫が2日で完売

「本のガチャ×香水ガチャ®」の第1弾はECサイト限定として2023年3月に実施し、即日完売。第2弾はhonto連携書店でも販売し、リアルでの訴求も狙った。この理由について、honto担当者は以下のように語る。

「お互いのブランド認知の目的もあり、それぞれの店舗にたまたま足を運んだ際に『本のガチャ×香水のガチャ®』に興味を持ったお客様が、この企画商品からそれぞれのブランドを認知し、利用するきっかけを作りたいと考えておりました」。

前回の約3倍の在庫を準備した第2弾であったが、2日ほどで完売し何度か追加販売を実施したという。実店舗とECサイトでの展開については、「honto連携書店については各店舗のSNSアカウントで情報を発信してもらいましたが、それを見て足を運んだお客様が多かったようで、通販でも販売しているのは知らなかったという声もありました」(honto担当者)というように、それぞれで異なる顧客属性にアプローチできたことが伺えるだろう。

香水は「知らないと購入しにくい」という観点から、実店舗での販売が最適だと考えられてきた。今回の「本のガチャ×香水ガチャ®」の反響について、honto担当者は以下のように話す。

「ストーリーが重要な要素となるNOSE SHOPさんの香水と、ストーリーで構成された文庫がどんな化学反応を起こすのか購入から開封までワクワクし、実際香りをかぎながら読書をすることで新しい読書体験ができる点が今回多くのお客様に支持された理由と考えております」。

オンラインだからこそ提供できるワクワク感

今後の企画予定についてhonto担当者は、「販売予定数の見込みや配分などは今後の改善の余地があると感じています。(中略)より多くの方に『本のガチャ×香水ガチャ®』による読書体験を楽しんでもらえるよう、今後の計画をすすめていきたいと考えています」と語っており、より顧客満足度の高い企画になることが想定される。

「どんな香りか分からない」という不安を「何が当たるか分からない」という、オンラインだからこそ提供できるワクワク感に変更した点が、「本のガチャ×香水ガチャ®」の成功に繋がった大きな要因だろう。

実店舗とECサイトでの展開によって、連携書店から来店促進につながったとの評価も得ている。初のオムニチャネル展開となった第2弾は大成功を収めたといえるだろう。季節に応じた展開も想定できるため、今後の企画内容の変遷に注目だ。


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