ワタミとローソンが配送に関する初の協業を開始　配送トラックの非稼働時間を活用した物流シェアリング

ワタミ株式会社（以下：ワタミ）と株式会社ローソン（以下：ローソン）は商品配送トラックの「物流シェアリング」を2024年4月6日から開始する。

ローソン店舗へのトラック非稼働時間を活用

ローソン店舗への商品配送を行っているトラックの非稼働時間を活用して、ワタミが運営する「ワタミの宅食」の商品を埼玉県東松山市の製造工場から首都圏（東京都・埼玉県）の営業所約20カ所へ配送。配送トラックのシェアリングを行うのは両社ともに、一時的な実験を除き今回が初となる。

◆協業内容
▷開始日：2024年4月6日から開始
▷実施日：土曜・日曜・祝日に限定
▷対象地域：東京都、埼玉県の営業所約20カ所（同エリアで土日祝に稼働している営業所総数は約100カ所）
▷配送時間帯：夜間から早朝にかけて
▷対象となる商品数：約3200食／1日平均

◆協業イメージ図

商品温度帯、時間帯、物流拠点の場所などから協業開始

「ワタミの宅食」では、全国（北海道、青森、岩手、秋田、鳥取、沖縄除く）523カ所の営業所から、1日23万食（平日）を配送。物流の2024年への対応としてドライバーの労働時間を考慮した配送コースで対応してきたが、土日祝日などは配送数が大きく減少することから1台当たりの積載効率が低く、配送網の効率化が課題となっていた。

一方、ローソンでは昨年12月から順次、2024年問題への対応やCO2排出量の削減およびコスト抑制に繋げるため、弁当・惣菜・デザートなどのチルド・定温商品の配送回数を1日3回から2回に切り替えを進めていた。この切り替えによる一部の配送車の非稼働時間の有効活用を検討しており、協業先を探していたという。

今回、配送する商品の温度帯やシェアリング可能な時間帯の合致、さらに両社の物流拠点が近いことから協業を開始。今後は2024年度中を目途に、順次エリアへの拡大を目指すとしている。

2024年問題への対策は業界の垣根を超えた連携が求められる。持続可能な店舗網の構築に向けた取り組みから目が話せない。