運送業者の倒産件数が増加中 2024年1〜4月の累計倒産件数は116件と2011年以降の最多を更新

ECのミカタ編集部

4月の運送業倒産30件で前年同月から倍増 人手不足と高齢化で「後継者難」、人件費・燃料費上昇も収益圧迫 2024/05/14

株式会社東京商工リサーチ(以下:東京商工リサーチ)は、2024年4月の道路貨物運送業倒産の件数が30件(前年同月比114.2%増、前年同月14件)と、2カ月連続で前年同月を上回ったことを公表した。

人手不足、人件費高騰による倒産も増加

2024年1〜4月の累計倒産件数は116件(前年同期比39.7%増、前年同期83件)に到達。同期間では2014年(108件)以来、10年ぶりに100件台に乗せ、2011年以降の最多を更新した。

このうち、「後継者難」倒産が10件(前年同期3件)と3倍以上に増加。人手不足のなか、代表者やドライバーの高齢化も進み、後継者の育成がままならない企業が増えている状況だ。また、「2024年問題」を背景に拍車がかかる「人件費高騰」による倒産も5件(同3件)と増加した。

※画像元:4月の運送業倒産30件で前年同月から倍増 人手不足と高齢化で「後継者難」、人件費・燃料費上昇も収益圧迫(株式会社東京商工リサーチ)

今後も倒産の増勢が続く懸念が高い

燃料費の高騰による「物価高」関連倒産は1〜4月累計で52件(前年同期比108.0%増、前年同期25件)と、前年の2倍のペースで増加。2023年6月以降は2024年1月(9件)を除き、2ケタ台で推移している。

資源エネルギー庁が公表する軽油小売価格は、2024年4月30日時点で154.4円/リットルと、依然として高止まりの状況が続く。人件費や燃料費など、あらゆるコストの上昇が運送業者の収益を圧迫しているといえるだろう。

下請企業が多く、価格転嫁が難しいことなどから、採算が悪化した企業を中心に、今後も倒産の増勢が続く懸念が高い。EC事業者は常に最新の情報に注視し、できる限り安定した配送環境の維持を心がける必要があるだろう。


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