GW商戦期「気づかれない転売」に注意 Spider Labs調査
株式会社Spider Labsは2026年4月24日、人気コスメ・健康食品のD2C現場で広がる「気づかれない転売」の実態について発表した。
調査概要
◆調査期間:2025年1月1日〜12月31日
◆調査対象:「Spider AF 転売対策」を利用している98アカウント
◆サンプル数(総注文数):734万5070件
◆調査方法:Spider Labs自社データベースに基づく集計
◆不正注文数:32万1728件
◆出典:人気コスメ・健康食品のD2C現場で広がる“気づかれない転売”の実態(株式会社Spider Labs)
23件に1件が「不正注文」と判定
Spider AFの不正注文検知機能を本番稼働で利用している98アカウント、約734万件を分析した結果、不正注文率は4.38%(1日あたり約881件)となった。ECサイトに流入するおよそ23件に1件が転売目的・いたずら・アフィリエイト不正などと判定されていることが明らかとなった。
Spider Labsは警戒すべき3つの不正手口パターンとして、以下の3点を挙げている。
◆クラウド/データセンター発のボット大量購入(全体の約5割)
▷AWS・Azure・GCPなどからスクリプトで自動購入を行う手口。2025年には単一IPから年間7万件超の集中注文が確認された。
◆居住地プロキシ・VPNによる"地域なりすまし"(約2〜3割)
▷海外アクセスを国内に偽装するVPNや住宅プロキシ経由の注文。不正注文の約83%は国内IPから発生しており、正規アクセスへの偽装が進んでいる。
◆複数アカウント・複数デバイスでの"初回割引"狙い撃ち(約2割)
▷複数アカウントで初回割引を繰り返し利用する手口。配送先情報を微細に変える「アドレスジギング」や、自作自演注文によるアフィリエイト成果報酬の不正取得も含まれる。

不正注文は収益構造を侵食する規模に
国内の「デジタルD2C」市場規模は、2025年に3兆円規模に達すると予測されている(※1)。
この市場規模にSpider AFが検知した不正注文率4.38%を当てはめると、国内D2C市場で不正注文の影響を受けている取引規模は年間推計約1340億円と推計される。
これは、初回割引原資の流出、定期継続率(F2転換率)の見かけ上の悪化、アフィリエイト報酬の不正流出、ブランド価値の毀損など、D2C事業者の収益構造を侵食する規模に達している。
見落としリスクが高まる、GW商戦期
D2C事業者にとってGWは、初回割引や定期購入の初回特典、クーポン施策、アフィリエイト出稿などが集中する新規顧客獲得の重要期となる。
一方、こうした施策は不正購入グループにも狙われやすい。複数アカウントや複数デバイスを使って初回特典を繰り返し悪用し、商品を転売する手口が発生しやすくなっている。
Spider Labsはこのような状況について「問題は、こうした注文が正規の新規顧客と見分けにくいことです。D2Cで広がっているのは、事業者にも正規顧客にも気づかれにくい“気づかれない転売”です。GW商戦期は正規注文も急増するため、人力での目視チェックや個別審査が追いつかなくなりやすく、見落としリスクが特に高まります」とコメントしている。
不正転売は、ブランド価値の毀損やファン離れ、SNS炎上を招きかねない深刻な課題である。繁忙期を前に、事業者には自社のセキュリティ体制の再点検と対策強化が求められる。
※1:株式会社売れるネット広告社「『デジタルD2C』市場動向調査」


