本気のCRM推進には、強力なパートナー選びが欠かせない

ECのミカタ編集部

EC 事業者にとって、顧客LTV向上が命題になっている今、その具現化のためのCRMが重要視されています。しかし、MAやSFAといったツールを導入しても、十分に成果が出ないことも多いと言われます。CRM成功のポイントを、アーカス・ジャパン株式会社である代表取締役社長 松原 晋啓氏に伺いました。

今や、ECの最重要命題はLTVの向上

黎明期、成長期のEC市場においては、新規顧客の獲得がEC事業者にとっては最重要命題でした。しかし、今日では競合も増え、広告さえ出せば新規顧客を獲得できる、という状況ではなくなっています。もちろん、新規顧客は継続的に獲得し続けなければなりませんが、以前に比べると獲得コストが目に見えてアップしているのが実情です。

そうした環境を背景に、既存顧客の購入金額を重視する戦略へ多くのEC事業者が舵を切り始めました。それがLTVというコンセプトです。顧客の生涯価値と訳されますが、端的にいえば「一人のお客様から、長く、継続的に自社の商品やサービスをご利用いただく」ことです。

顧客のLTVは、(平均購買単価)×(購買頻度)×(継続購買期間)÷(新規獲得
コスト+ 顧客維持コスト)で計算されます。

つまり、LTVを高めるためには、①平均購買単価を向上させ、②購買頻度を向上させ、③できるだけ長い期間、購買していただけるようなリピート顧客化を推進するとともに、④顧客の獲得コストや維持コストを低減させることが必要となります。

そして、そのためには顧客価値の創造が不可欠です。さらにいえば、顧客価値を創造するということは、商品やサービスを提供する企業自体の価値、すなわち企業価値が創造されなければならないということになるのです。

では、どのようにして顧客価値を創造するのか。
要素は5つあります。

まずは、①新商品・サービスの開発、②既存商品・サービスの改良、③クレームの削減、④イメージ・ブランド形成が必要です。

そして、最も重要なのが、⑤従業員のクオリティ向上なのです。①から④までは多くの方がすぐに理解してくれるのですが、⑤の従業員のクオリティ向上をきちんと理解できている方は意外と少ないのです。

しかし、よく考えてください。基本的にお客様と接するのは従業員です。従業員がお客様と接する際に、感動的な接客、サポートを提供できれば、お客様はそのお店のファンになる可能性が高まります。それは顧客価値創造につながります。つまり、顧客接点である従業員のクオリティが向上することで、顧客価値が上がるのは自明の理なのです。

LTVの向上のためには、顧客価値向上に資するCRMが不可欠

CRMとは、実は、この従業員のクオリティ向上を支える仕組みなのです。CRMに取り組もうとすると、多くの企業ではMAやSFAを導入して、それでCRMが具現化すると考えがちです。しかしそれは違います。MAやSFAといった仕組みは、CRMを推進するためのサブシステムに過ぎないのです。本質的なCRMを進めて行く中で、それを支える仕組みとしてこうしたサブシステムを導入するのは良いのですが、順序が逆になってしまうと、CRMは決してうまくいきません。

ところが、ややもすると、CRMを顧客管理のためのシステムだと勘違いしている方も多いようです。そのため、MAやSFAといったシステムを導入することで、CRMが効果を上げるものと思い込んでしまっている方も少なくないのが実情です。そのことをマネジメント層にはぜひ理解していただきたいと思います。

あらゆる施策の全体最適を目指す、アーカス・ジャパンのCRMコンサルティング

あらゆる施策の全体最適を目指す、アーカス・ジャパンのCRMコンサルティング

CRMを推進していくにあたっては、まずは経営戦略が必要ですが、ここでいう経営戦略とは"顧客戦略"のことです。顧客満足をどう獲得していくかという戦略が明確化したら、次に顧客インサイトが必要になります。顧客を理解するということです。

顧客を理解し、顧客に対してどうアプローチするのか、そして自社のブランドをどう統一的に展開していくのか、そういうことすべてに、一気通貫で取り組んで、全体最適を目指す。これがCRMの大前提となります。

また、CRMを推進する上では、顧客情報と従業員の活動情報が必要です。従業員の活動情報とは、要はチャネル情報です。顧客が、自社のチャネル接点で、どんな商品を購入したか、どこのチャネルでいつ、何回接したか、どんなクレームがあったか、そういう顧客情報とチャネル情報を把握し、かつそうした情報は顧客一人ひとりのIDで統合されていることが重要です。顧客を1つのIDで管理する「One顧客・OneID」を実現するということです。これができていなければ、CRMは失敗してしまうでしょう。

そして、「One顧客・OneID」が実現していることを前提に、必要に応じてサブシステムとしてのMAやSFAなどを活用するのです。

CRMとは、戦略そのものなのです。ですから、当社がCRMのコンサルティングをお引き受けすると、まずは企業ミッションを定義するところからプロジェクトをスタートします。

そこからビジョンを明確化し、市場と商品・サービスを分析・企画して、場合によってはビジネスモデルそのものを再設計することもあります。

そして、その上で中期・短期の目標設定を行い、事業を実行し、着実に企業価値の創造につなげていくようにしています。また、弊社では「CRM3.0(パーソナライズドCRM)」という次世代CRMコンセプトを提唱し、AIと融合させた世界初のエモーショナルCRM『EMOROCO』という製品を開発・販売しています。

本気で、CRMを成功させたいとお考えであれば、ぜひ当社にご相談いただきたいと思います。

■アーカス・ジャパン3つのポイント
1.日本では数少ないCRMコンサルティングの専門家
2.現状分析から戦略実行まで一気通貫のCRMコンサルティングを実現
3.必要に応じてビジネスモデルを再設計し、企業価値創造に寄与

【「ECのミカタ通信vol.18」より転載】

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