商品企画から伴走 倍々の越境EC売上を達成できた秘訣は“愛”のあるプロモーション

ECのミカタ編集部

(左から)ZenGroup株式会社 ZenPromo 越境ECプロモーション事業部 事業部長 奈良大和氏、株式会社シナダグローバル 営業 森坂大空氏

越境ECに活路を見出す事業者が増える中、「越境ECを始めたいけど、売り方がわからない」という事業者の強い味方となるのが、越境ECプロモーションサービスだ。ぬいぐるみの企画・製造・販売を手がけるシナダグローバルは、ZenGroup(ゼングループ)の海外プロモーション代行サービス「ZenPromo(ゼンプロモ)」を利用して、倍々の売上アップを達成。シナダグローバルにとって、「ZenPromo」の一番の魅力は「“愛”のある売り方をしてくれること」だという。オリジナル商品で越境ECの売上を拡大できた背景には何があったのか。ZenGroup株式会社 ZenPromo 越境ECプロモーション事業部 事業部長 奈良大和(ひろかず)氏と、株式会社シナダグローバル 営業 森坂大空(たく)氏に話を聞いた。

企画の成功で越境ビジネスへの思いがガラリと変化

──まずは、両社の事業内容と提供されているサービスについてお聞かせください。

株式会社シナダグローバル 営業 森坂大空氏(以下、森坂) シナダグローバルは、ぬいぐるみやキャラクターグッズの企画・製造・販売を行う企業です。他社商品の製造を請け負うOEM事業に加え、2016年からはオリジナルの「もちシリーズ」も展開しています。

ZenGroup株式会社 ZenPromo 越境ECプロモーション事業部 事業部長 奈良大和氏(以下、奈良) ZenGroupはもともと購入代行・海外発送サービスから始まり、「日本のいいものを世界に届ける」ことを目指して、越境ECを中心に事業を展開しています。シナダグローバル様には2021年に当社の越境ECショッピングモール「ZenPlus」にご出店いただき、2022年夏に海外プロモーション代行サービス「ZenPromo」が立ち上がってからは、両サービスを併せてご利用いただいています。

──越境ECに取り組むにあたって、当初シナダグローバル様にはどのような課題がありましたか。

森坂 当社商品の特徴であるモチッとした感触をインターネットで表現するのが難しく、ECでの販売自体に課題を感じていました。正直なところ、当初はただ写真を載せていただけという感じで、「見せ方」の部分は弱かったと思います。

ですので、ZenGroup様が、動画で感触を伝えるなど海外向けの新しい企画を次々に出してくれることがまずありがたかったですね。しかも実際にZenGroup様の提案を受けて3色の「もちかわうそ」を新発売したところ、1日数百件の注文が入るようになり、当社の越境ビジネスに対する思いがガラリと変わりました。それからどんどん新しいアイデアのキャッチボールができるようになり、売上も右肩上がりに伸びているので、越境ECには大きな可能性を感じています。

奈良 当社でリサーチを進める中で、アメリカにシナダグローバル様のファンコミュニティがあることがわかりました。そこで挙がっている「こんな商品があったらな」という声や、当社で取ったユーザーアンケートの結果をもとに、広告施策だけでなく商品企画の提案もさせていただいています。

──ユーザーの声が直接拾えるというのは大きなメリットですね。

森坂 私たちにとっては本当に価値ある情報ですし、それによって思いがけない発見がたくさんありました。ZenGroup様から日々情報を共有していただいているおかげで、今年に入ってからすでに数種類の企画ができています。ちょうど今、「もちシリーズ」用のオリジナルTシャツのテスト販売に向けて動いているところです。

「ブランド」としての価値を高める“愛”のある売り方が魅力

──シナダグローバル様の商品は、どこの国や性別、年齢層の方に売れているのでしょうか。

奈良 国ではアメリカが最大のマーケットです。男性のお客様もいらっしゃいますが、20代の女性が一番のボリュームゾーンですね。シリーズで揃えている方や、自作の服やベビー服を着せて、デコレーションを楽しんでいる方も多いです。

──「ZenPromo」によるプロモーション支援によって、どのような成果がありましたか。

森坂 昨年から「ZenPlus」での売上・販売数は右肩上がりに伸びています。出店した当初は月商10万~20万円程度でしたが、今では月商200万円以上に達することもあります。「ZenPromo」を利用することで、国内ECの売上と越境ECの売上が逆転しました。海外向けサブスクリプションボックス「ZenPop」とのコラボ限定の「桜もちかわうそ」を発売した際は、1日で500個が完売しました。ここ最近は2倍、3倍、4倍とどんどん売上が伸びている状況で、まだまだ伸びしろがあると感じています。

──「ZenPromo」によるプロモーション支援はどのような点が優れていると感じますか。

森坂 「ZenPromo」のチームの方々が、週に何度もきめ細かく情報共有をしてくださること、「ZenPlus」内での露出拡大に加えて、Instagramでの広告やインフルエンサー施策などのプロモーションを行っていただいていることが、成果が出ている要因として大きいです。

何よりありがたいのは、“愛”のある売り方をしてくれていることです。ZenGroup様は私たちの商品を単なるモノとして見るのではなく、いかに「ブランド」として根付かせていくかを考えてくれます。目の前の売上を上げるための施策だけでなく、長く愛されるために本質的な価値向上につながる提案をしてくれますし、私たちの商品をすごく大事にしてくれるので、メーカーとして嬉しい限りです。現地の声を拾って、商品企画から携わっていただけるので、私たちのようにオリジナル商品を持っている企業は特に「ZenPromo」の価値を実感できるのではないでしょうか。

奈良 「ZenPromo」には決まったメニューがあるわけではなく、近い距離感で並走しながら、テーラーメイドで最適なプロモーションを模索するというスタイルなので、単なる広告宣伝だけでなく、売れる商品の企画からお手伝いできるのが当社のサービスの特長ですね。何よりも、19カ国の外国人マーケターが在籍しているので、外国人目線の意見やアイデアをシェアできるのが強みです。越境EC支援企業でも、これだけ多くの国のメンバーが揃っているところはなかなかありません。だからこそ、単なる翻訳ではなく、外国人マーケターの知見をもとに、多角的な視点で商品企画やプロモーションが組み立てられるのです。

インバウンド回復後も越境ECは右肩上がりの予想

──ZenGroupでは日本発の越境ECの可能性をどう考えていますか。

奈良 コロナ禍で越境ECが伸長し、最近では円安も追い風になっています。コロナ後の越境ECの動向を懸念する方もいらっしゃいますが、当社の越境EC会員にアンケートを取ったところ、「日本に行けるようになっても越境ECは継続して使いたい」と答えた方が圧倒的多数でした。また、来日して日本が好きになった外国人は、帰国後に越境ECを利用する意向が高いこともさまざまな調査からわかっています。インバウンドが回復して、日本に来る外国人が増えれば、それに比例して越境ECの利用も右肩上がりになると予想しています。

──越境ECにおいて、今後取り組みたいことや実現したいことをお聞かせください。

森坂 ZenGroup様は当社の商品を大事に考えて“愛”のある売り方をしてくださるので、今後も二人三脚で「ブランド」として根付かせるための取り組みを続けていきたいです。「もちかわうそのストーリーを作りましょう」というご提案もいただいていて、ZenGroup様からのご提案にはできるだけ応えていきたいです。今はアメリカ先行ですが、今後は中国など他の国や地域にも当社の商品を広めていきたいですね。

奈良 「日本のいいものを世界に届けたい」という想いがZenGroupの原点なので、これからも「独自性のあるいいものを発掘して世界に届ける」という観点でビジネスを進めていきたいです。そのひとつの例として、シナダグローバル様のぬいぐるみを将来的にはIP(知的財産)にまで発展させていけたらいいなと考えています。今後は、伝統産業・工芸品のようなジャンルでもシナダグローバル様のような事例を作っていきたいですね。「いいものを作っているけれど、どうやって海外に販売したらいいかわからない」というメーカー様はぜひお声がけください。

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