【Rakuten AI Optimism】三木谷氏「AI店長」デモ初披露 店舗の個性を活かす楽天市場の「AI店長」開発進む

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ECのミカタ編集部

楽天グループ株式会社(以下、楽天)は2026年8月5日から8月7日までの3日間、パシフィコ横浜でグループ最大級のビジネスイベント「Rakuten AI Optimism」を開催した。初日のオープニングキーノートには同社 代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏が登壇。グループ全体でAI活用・開発に注力することを示し、楽天市場においては各ショップでAIによるアバターが接客を担う「AI店長」を開発中であることを発表した。

楽天エコシステムはモバイル抜きで語れなくなりつつある(三木谷氏)

冒頭、三木谷氏は「楽天は、世界で一番AIを活用しているプラットフォームになろうと考えている」と表明。次いで、インフレや物価高、円安基調といった日本経済の現状と、それに対応するための楽天モバイルにおける通信費引き下げへの挑戦を紹介した。

さらに、楽天モバイルの成長が楽天エコシステム(経済圏)全体に大きく寄与していることにフォーカス。楽天モバイル契約者は、非契約者に比べて楽天市場でのショッピングが51.3%増え、楽天トラベルの利用は+21.6%、楽天カードの利用が33.3%増えているという(※1)。また、楽天市場の流通総額の23%が楽天モバイルユーザーであり、楽天モバイルから楽天市場へ月5000万トラフィックの送客を達成した、それらの波及効果の高さを語った。「モバイル抜きには、楽天のエコシステムを語れなくなりつつある」(三木谷氏)

続いて、この日の本題であるAIの進化と楽天における活用・開発を解説。三木谷氏は現在、AIエージェントの性能は7カ月ごとに倍増するほどのスピードで向上しており、業務遂行力は人間に追いつきつつあると述べ、グループとして、楽天エコシステムで保有する巨大なデータを強みに、「総力をAIの活用、AIの開発に注いでいる」と述べた。

※1:3指標とも、過去同様の購買傾向のある楽天モバイル契約者と非契約者の直近1年間の各サービスでの流通総額(取扱高)を比較

オープニングキーノートに登壇した楽天グループ株式会社 代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏

「AI店長」のデモ動画を初めて披露

三木谷氏がこの日、初めて発表したのが楽天市場への実装を想定した「AI店長」だ。開発が進められているこの「AI店長」は、ショップそれぞれのプロファイルやペルソナをアバターに設定した「AI店長」が、24時間ユーザーからの問い合わせに対応したり、商品購入をサポートしたりするものになるという。この日、三木谷氏は「AI店長」を使った接客デモ動画も初披露。ユーザーとの自然な対話から購入にいたる一連の流れを紹介した。

そのうえで、楽天ではモバイル、ショッピング、トラベルといった個別領域ごとのAIではなく、それらを統合する「スーパーエージェント」の展開を目指すことを明言した。

「やはり人間は、『人間味のあるAI』を必要としてるのではないでしょうか。ショッピングにおけるAIエージェントは、単純に買い物を遂行するのではなく、(ユーザーのニーズを)くみ取り、『こういった商品はいかがですか』といった提案を、それぞれの店舗の特徴を活かしながら行っていくことが大切だと思っている。楽天らしいエージェントをさらに進化させ、皆さまとともに進めていきたい」(三木谷氏)

店舗の個性を活かす楽天市場の「AI店長」

三木谷氏はキーノートに続いて行われたセッション「AI時代の勝ち筋」にも登壇した。同氏は、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー受賞店舗が参加する研修旅行「SOY TRIP」を体験した3店舗、「コスメティック やよい」の西尾勝太氏(株式会社やよい 副社長)、「くまもと風土」の吉永安宏氏(株式会社ローカル 代表取締役社長CEO)、「澤井珈琲」の澤井理憲氏(株式会社澤井珈琲 取締役社長)をゲストに迎えたセッションの中でも、「AI店長」に言及。「『AI店長』がリリースされるまでに店舗側で準備しておくべきこと」を問われた三木谷氏は、「店舗独自の視点」の重要性を述べた。

「まず、『AI店長』が正しく答えられるようにするため、誤った答えをしないためのアルゴリズムの開発に向けて、皆さまにさまざまな意見を伺っていくと思う。一方で、商品説明においては、『なぜ、この商品を買うべきなのか』という説明や“うんちく”の充実も重要だと思う。たとえば商品ページにおいて、基本情報だけではなく、各店舗の思いが表現できているかどうかが、『AI店長』にとっては重要なファクターになってくる。その商品ページに何が書かれているのかによって、店舗ごとに『AI店長』の答えが変わってくる。

たとえば、ミカンを販売するとして、『そのミカンは、他のミカンと何が違うのか』。単純に『これがいいですよ』というふうに説明するだけでは面白くない。『なぜ、この商品が良いのか』、ワインでも同じだが、なぜロマネ・コンティが高いのかと言えば、そこにうんちくがあるからだと思う。こうしたうんちくは結構重要になってくる思っている。今後とも一緒に頑張っていきましょう」
(三木谷氏)

具体的な実装時期は明言されなかったものの、出店する事業者にとって大いに気になる楽天市場の「AI店長」。国内外の各ECプラットフォームにおいてAI接客エージェントの開発が続いている今、「ショップの個性を活かす」楽天市場の「AI店長」は、どのような展開を見せるのか。引き続きその動向を注視していきたい。