TikTok経由の推定消費額は前年比+46% TikTok Shopで「新たな顧客との出会い」創出
TikTok Japanは2026年6月9日、ショームービープラットフォーム「TikTok」が日本社会にもたらす経済的・社会的影響を分析したレポート「TikTok Socio-Economic Impact Report~日本における経済的・社会的影響~」(2026年6月発行)※1を公開。本稿では、同日に開催された発表会から、TikTok Shopの利用動向などを含めたトピックスをお伝えする。
TikTokを通じて生まれた2025年の国内推定消費額は3468億円
今回で3度目となる「TikTok Socio-Economic Impact Report~日本における経済的・社会的影響~」。本レポートによれば、TikTokが日本でサービスを開始して約9年が経過し、現在の国内月間アクティブユーザー数は約4950万(※2)。直近1年以内にTikTokを視聴した人は、全国15~69歳男女の32.4%と3年連続で増加しており、中でも30代以上の利用が伸びているという。
また、TikTokの利用を通じて発生した2025年の国内推定消費額は3468億円で、前年比+46%と伸張。企業のマーケティング・動画制作といった関連支出や他産業への波及効果も合わせると、2025年の国内名目GDPへの貢献額は6800億円(前年比+40%)。さらに、5.2万人の雇用がTikTokを通じて支えられたという。
※1:調査委託先:マクロミル/調査企画・分析委託先:株式会社エイトハンドレッド/調査実施期間:2026年3月6日~3月9日/調査対象期間:2025年1月1日~12月31日
※2:2026年5月末時点。ユーザー数はTikTokとTikTok Liteのユーザー数(重複を除く)
「TikTok Socio-Economic Impact Report〜日本における経済的・社会的影響〜」(2026年6月発行)の主要な調査結果
一方、動画を発信するクリエイター側の動向を見ると、TikTokで活動するクリエイターは前年比+4%の235万人で、その経済活動による推定収益額は1389億円と試算されている。クリエイターが取り上げるテーマも多様化しており、旅行・地域情報やニュース・社会問題を取り上げる投稿が前年よりも増加。視聴者が動画をきっかけに関心を持ち、情報を詳しく調べたり、家族や知人を話題にしたりするようになるなど、経済だけでなく、社会に影響を及ぼすメディアとしての存在感を高めていることが示された。
「(TikTokが)若い世代だけのアプリというイメージは変化しつつある。発見から関心、そして行動へという流れが、TikTokのサービスとクリエイターの掛け合わせによりさらに加速していく可能性がある」(TikTok Japan 安永修章氏)
TikTok Japan 執行役員 公共政策本部長 安永修章氏
TikTok Shopで「接点のなかった地域の顧客からの購入増加」の声
消費者の購買行動への影響という観点で注目されるのは、2025年6月末に日本でのサービスを開始した「TikTok Shop」だ。
本レポートではTikTok Shopにおいて「出店企業やクリエイターがそれぞれの視点で商品を紹介するコンテンツを通じて、ユーザーが商品を発見し、その流れで購入・決済に至る新しい消費行動が生まれている」とした。
視聴者にとっては動画で気に入ったものを見つけたら、商品名を検索する手間をかけることなく、「その場ですぐ買える」利便性の高さは大きなメリット。一方、出店する側にとっても、これまで接触機会があまりなかったユーザー層にリーチしやすくなり、動画やライブ配信で商品を訴求し、そのまま購入に導くことのできるTikTok Shopの可能性は大きい。
発表会に登壇し、今年の傾向を解説したエイトハンドレッドの大谷直子氏は、「TikTok Shopは、地方中小企業にとって従来のECサービスとは異なる新たな販路として機能し始めている」と語る。実際に出店企業へのアンケートでは、“TikTok Shopを活用したことによる影響”として、40.6%が「これまで接点のなかった地域の顧客からの購入増加」を挙げており、同じく「地方に立地したまま、販路を全国に広げることができた(37.2%)」「全国の小売店やバイヤーからの問い合わせ増加した(38.0%)」という回答も、ともに3割を超えた。
「従来のECサービスは欲しいものを検索して買うという行動が前提。 一方、TikTok Shopは動画やライブ配信での発見が購買につながるディスカバリーEコマースの構造。 発見・興味・購買がアプリ内でシームレスに完結するため、これまで認知されにくかった地方の商品でも全国の消費者という接点が生まれやすくなっている」(大谷氏)
株式会社エイトハンドレッド ブランド&マーケティンググロース本部 マネージャー 大谷直子氏
出会いから認知・理解・購買まで、一体で進むTikTok Shop
「TikTokが生み出す、地域・観光への貢献」と題したパネルディスカッションでは、株式会社IZULCAの榎原良樹氏が、TikTok Shopの特徴を生かして新たな販路を開拓し、地域活性化に貢献している事例を紹介した。IZULCAはTikTok Shopで地方特産品を扱うオンラインショップ「47マルシェ」を運営し、全国各地の商品を紹介・販売している。2025年9月には兵庫県豊岡市と協業し、クリエイター&7社の販売事業者とともに、2日間にわたってLIVEコマースを実施したところ、大変好評だったという。
「地方の事業者様からすると、独自で日本全国の生活者とつながって、ものを販売するというのは、非常にハードルが高い。TikTok Shopはそれを可能するプラットフォームであり、その役割は大きい」(榎原氏)
動画やライブ配信は作り手の思いや背景を伝えやすく、写真+説明文だけの商品紹介よりも、視聴者の心情に訴えかけやすい。ユーザーと商品の出会いを生み出し、その場で認知・理解してもらうことができ、購買までスムーズに進めることのできるTikTok Shopは、知られざる地方産品を販売するのに適したプラットフォームと言えそうだ。
株式会社IZULCA 代表取締役社長 榎原良樹氏
本レポートで示された調査結果によれば、TikTok Shopを利用したり認知したりしている人のうち、53.5%が今後「利用したい」という意向を持っており(※3)、その中でも40~60代の利用意向が高い傾向にあるという。中高年層にも広がりを見せているTikTok Shopは、従来のECサイトや実店舗とは異なる新たな買い物の仕方として、今後定着していく可能性があるだろう。
※3:TikTok Shopの今後の利用意向を質問し、「とても利用したい」「やや利用したい」と回答した割合の合計(対象はTikTok Shop利用者・認知者:n=616)
●写真後列(左から)TikTok Japan 執行役員 公共政策本部長 安永修章氏/株式会社エイトハンドレッド ブランド&マーケティンググロース本部 マネージャー 大谷直子氏/TikTokクリエイター あやんぬ氏/株式会社IZULCA 代表取締役社長 榎原良樹氏/TikTokクリエイター ゆうさくスポーツ氏 ●写真前列(左から)TikTokクリエイターの美魔女yuko氏、神社あゆ氏、けんご(紙上健吾)氏/和歌山県 観光振興課 見上育民氏/衆議院議員 山本大地氏


