オーナー必見! 多店舗経営を考えるなら、必ず知っておくべき利点と注意点

今村 綾子 / 田川 碧

開業してしばらく経ち、ある程度売り上げが安定してきた段階で考えたいのが、2店舗目の出店です。 店舗を複数構えられると、売り上げが底上げされるだけでなく、収益リスクの分散にもつながります。 とはいえ、店舗が増えれば増えるほどマネジメントが複雑になり、それだけ優秀な人材を育成させるのが難しくなることも。 そこで今回は、多店舗経営の良し悪しから、成功させるためのコツについて解説します。

売り上げの底上げで、より盤石な経営へ! 多店舗経営に進出すべき6つの利点

売り上げの底上げで、より盤石な経営へ! 多店舗経営に進出すべき6つの利点

1店舗がある程度落ち着いたら考えていきたい、多店舗経営。ここでは、多店舗経営に進出することで得られる利点を挙げてみましょう。

売り上げの底上げ

1店舗で経営をしている現在よりも、2店舗目を出店することで、売り上げが底上げされます。 店舗の土地柄や客層に応じて売り上げの伸びしろによって、売り上げの限界値は異なってきますが、基本的に店舗を増やせば、それだけ利益を増やせるチャンスが広がります。

リスク分散

1店舗だけでなく複数の店舗を経営することで、リスク分散に繋がり、経営は安定しやすいです。 全ての店舗で売り上げが安定して良ければそれに越したことはありませんが、何かの事情でどこか1店舗が売り上げが落ち込んだとしても、他の店舗の売り上げでカバーすることができます。 1店舗の売り上げに依存する経営体制から、脱することで、より安定した経営がしやすくなるでしょう。

コストダウン

店舗経営に欠かせない仕入れ作業。 その仕入れ作業を全店舗でまとめて発注できれば、仕入れ原価を下げられます。コストダウンにつながります。

認知度の向上

店舗が増えれば増えるほど、お客さまと接する機会が増えるので、それだけ認知度の向上に繋がります。 認知度が向上すれば、口コミも広がりやすくなるので、お店のファンを増やしやすくなります。

顧客データの検討及び分析

2店舗目、3店舗目と出展することで、それだけ多くのビジネスが生まれます。 多店舗経営をすることで、同じ商品でも売れる場所・時間などが異なったり、客層も異なってきます。 成功例も失敗例も、多くのお客さまのデータが蓄積されることで、新たに出店する際の戦略を練りやすくなります。

スタッフのモチベーション向上

店舗を増やすほど、そこで働くスタッフも増えていきます。 店舗が複数存在すれば、それだけ多くのポストが生まれるので、売り上げの良い優秀なスタッフを良い待遇・役職に就かせることができます。 スタッフのキャリアパスがうまく設計することができれば、スタッフのモチベーションも上がり、よりお店に貢献してくれるでしょう。

人手不足は致命的! 多店舗経営をする際に気をつけたい注意点

人手不足は致命的! 多店舗経営をする際に気をつけたい注意点

以上のように、多くの利点が見込める多店舗経営ですが、同時に開店前(もしくは開店後)に、気をつけておきたい注意点がいくつかあります。

開店にはまとまった経費が必要

1店舗目を開店するときもそうですが、開店にはそれ相応の経費がかかります。 その経費をどこから捻出をするのか、資金を調達するための方法をよく考えることが大切です。 また、銀行や日本政策金融公庫に融資を受ける場合には説得材料が必要になります。1店舗目での実績や、新店舗の立地や事業計画など、できる限り詳細に書くことが必要です。

経営管理が複雑になる

1店舗目までは、オーナーが自分の店舗をじっくり育てていく、というスタイルを取れます。 しかし、2店舗以上経営していくことになると、店舗経営における人材育成から財務やバックオフィスなど、様々な面で管理が複雑になっていきます。

育成の困難による、人材不足

経営管理の項で挙げたように、特に人材不足における経営困難状態は避けたいところです。 人を受け入れられる場所はあっても、そこに入る人がきちんと育っていなければ、売り上げを上げるのは難しくなってしまいます。

多店舗経営をするなら必ず心がけるべき、3つのポイント!

多店舗経営をするなら必ず心がけるべき、3つのポイント!

最後に、リスクをできるだけ小さくして、多店舗経営に乗り出すために必要な3つのアドバイスをご紹介します

【1】導出店前に、現状分析を徹底する

2店舗目を出店する前に、現在経営している店舗の現状分析を徹底して行いましょう。

現在、もしくは過去に行った施策や、展開したサービス、商品などあらゆる面で「なぜ成功(もしくは失敗)したのか?」を明らかにすることで、次に出店する際のヒントになります。 それが2店舗目以降をヒットさせるカギになり、ひいては事業計画書にも影響を及ぼします。 銀行等から融資を受ける場合は、この事業計画書と現在の店舗経営の状況に寄って判断させることもあります。 融資を受けるためにも、そして多店舗経営を成功させるためにも、必ず分析は徹底しましょう。 また、多店舗ビジネス運営を成功するためには、業務を「マニュアル」化しておき、1店舗と同じレベルのサービスが提供できる状態にしておきましょう。

【2】立地選びは慎重に

新たな店舗を出店する際に気をつけたいのは、店舗の立地。

1店舗目から近すぎると、カニバリゼーション(同じ会社の店舗同士が競合になること)を起こす危険性もあり、かといって遠すぎると店舗の管理に、オーナーの時間とコストを余計にかけてしまいます。 特にこれから初めて2店舗目を出す、というオーナーにとっては遠すぎると何かと面倒なことになってしまうので、おすすめしません。 何かあった時にすぐに対応できるよう、店舗同士が程よい距離に居合わせると良いでしょう。

【3】無理のない資金繰りをする
注意点にも挙げたように、多くのオーナーにとって1番のネックは資金繰り。
自分で資金を作るなり、融資を受けるなり、創業資金や初期の運転資金をどこから調達するにせよ、しっかりとした事業計画を提出することが必要です。 また、融資を受ける際には無理のない返済プランを立てるようにしてください。


著者

今村 綾子 / 田川 碧 (Ayako Imamura / Aoi Tagawa)

ブラザー販売は、ブラザーグループの国内マーケティングを担う企業として、“At your side.”の精神のもと、ユニークな製品やソリューションを提供し続けています。

弊社のラベルプリンター、モバイルプリンター、ビジネスプリンターは、【製造・物流・店舗・小売】業界を中心とした多くの企業に業務効率化を支援する機器としてご利用いただいております。

コラムでは、弊社製品の説明を交えながら店舗・小売業界を中心としたソリューションをご紹介いたします。

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