売上向上のチャンスは12月!差別化の鍵はスマホ対応【Criteo調べ】

ECのミカタ編集部

パフォーマンス広告およびマーケティングに特化したテクノロジーリーダーであるCriteo S.A.は、日本国内のファッション業界の売り上げトレンドに関する「2016年版ファッションフラッシュレポート」を発表した。この発表により、ECにおいて訪問数・売上が上がりやすい時期と、日本ならではのEC事情が明らかになった。

90%近くがスマートフォン経由で買い物

 レポートによると、EC店舗を訪問するユーザーは、1月を基準とした時、8月にかけて連続的に減少する傾向が見られた。特に、夏休み時期の8月は、1月と比べて約15%も訪問者数が減少する。しかし、1〜8月の中で売上のピークは6~7月であり、これは国内企業の多くがボーナスを出す時期と重複するためと考えられる。

 また逆に、8月から12月にかけては、EC店舗への訪問者は増加していくが、閲覧ページ数は1〜8月と比べて少ない傾向が見られた。しかし、12月は年間を通して最も売上が上がる時期で、年間平均よりも13%売上が増加する傾向にある。

 さらに、ファッション業界におけるモバイル経由の売上のうち、90%近くがスマートフォンを経由していた。特にファストファッションブランドでは、iPhone経由の売上が業界平均と比較して136%高い。日米で比較すると、日本のモバイル経由の売上シェアは1.6倍以上。アメリカでは約6割がデスクトップ経由に対し、日本では6割以上がモバイル経由となった。

 なお、日本のユーザーがスマートフォンで買い物カゴに商品を入れ、実購入に至る確率は、米国と比較して1.8倍で、WEBサイトの訪問数に対する商品購入者の割合も同様に1.8倍高い。また、オンラインにおけるファッションの売上の多くがモバイルデバイス経由だが、コンバージョンレート(CVR)はデスクトップが約3%高くなった。

日本のスマートフォン比率は全世界の平均を上回る

 日本のモバイル売上比率は世界で最も高く、62%にのぼる。また、ファッション業界のモバイル売上比率が50%を超える国は、日本(62%)、韓国(57%)、イギリス(55%)の3ヵ国だ。

 さらに、日本のスマートフォン比率は、全世界平均よりも高く90%にのぼる。特に、その日本より比率が高いのが韓国で、99%がスマートフォン経由の売上という結果になった。また、全世界的にモバイルでの購入割合が高い国ほど、iPhoneの使用比率が高い傾向にある。ただし、韓国とフィンランドでは例外で、韓国ではサムスン、フィンランドではノキアと、モバイルでの購入割合は高いが、Androidの使用比率が高い傾向となった。

 今回のレポートにおいて、EC店舗の売上を向上させるために注目すべき点は、やはり12月の売上が極めて高いということと、特に日本においてスマートフォンを経由するユーザーが急増しているということだろう。このことから、今のうちから12月の商戦期に向けた対策を練るべきだろうし、スマホで快適な買い物環境を作ることは急務と言えるだろう。

 12月は冬のボーナスが出る時期でもあり、さらに1年の締めくくりとして、購買意欲が高まる時期でもある。しかし同時に年末で仕事が忙しいという人も多く、そこで通勤時や隙間時間にスマホで買い物がしやすいECは、高まった購買意欲に応える場となるだろう。2016年最後の商機を逃さないよう、今から対策を始めてみてはいかがだろうか。


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