EC業界News1週間まとめ〜ヤフーで高まるECの存在感/ヤマト運輸、値上げ/配送への消費者の本音とは?

石郷“145”マナブ

こんにちは。
メディア編集部 石郷です。

今週読まれた記事、話題になったのはこちら。
ヤマト運輸、40年目の決断/配送料金値上げを遂に発表〜集配に協力で割引
https://www.ecnomikata.com/ecnews/14442/
【独自調査】再配達問題での消費者の声と各社の対策事例〜楽天/ヤマト×DeNA/JR東日本等
https://ecnomikata.com/ecnews/14372/
2016年通期及び第4四半期決算発表〜EC強化へ前進/ソフトバンク会員は6月以降もポイント10倍
https://www.ecnomikata.com/ecnews/14414/
ヤフーの“新・母の日”提案!?カーネーション不足の異常事態、発生中!?
https://www.ecnomikata.com/ecnews/14427/
百貨店とEC業界の未来 〜ECは百貨店を侵食したのか?
https://www.ecnomikata.com/ecnews/14337/

4/23〜29のEC業界ニュースをギュギュっとまとめました

4/23〜29のEC業界ニュースをギュギュっとまとめました

 今週で話題になったのは、まずヤフーの2016年通期決算発表でした。
今期は、純粋な営業利益でいえば、1,920 億円(前年度比 -14.6% ) となっています。当初想定していた営業利益よりも、アスクルの影響によって下回った部分はあるかなと思います。また、来年2017年通期の営業利益はどのくらいを想定しているかと言いますと、1,750~1,850億円といいます。ある種、先行投資を進めるためと説明しており、会社の構造自体も変化していくことはありそうです。ただ、少し弱気なのではないかという考え方もできなくはないかなとは思います。

 そのほかのトピックで言いますと、宮坂社長が就任した当時は、スマートフォンが弱いというイメージがあったヤフーではあるが、eコマースについても、スマートフォン経由比率46.3%となっていて、特に第4四半期だけで見ると、50%を超えているという状況です。こうしたスマホの利便性向上もまた、国内流通総額1.85 兆円超という部分を後押ししているのではないでしょうか。

 さて、今回の決算においても、ヤフーがeコマースを強化していくことは明白で、その説明にかなりの時間を割いていた。なぜ彼らがeコマースを重視するのかといえば、今後は、ヤフーがマルチデータカンパニーとなるから。メディア、eコマース、金融の3つを柱として、データを通して、ユーザーが生活する上でのあらゆる場面に密着し、寄り添うことで、その価値を高めようとしているからなのです。

ヤフーの変質。高まるECの存在感。先行投資で今が勝負時か。

 現にヤフーは、Yahoo!ショッピングにおいて、SoftBankユーザーへの優遇施策を続けるとしており、ポイント10倍となります。これにより、プレミアム会員がYahoo!ショッピングで定期的に購入する流れを生み出したように、SoftBankユーザーでもそれを地道に行い、着実にヤフーのシナジー効果を利用して、アクティブなユーザー情報をうまく囲い込んでいると言えるでしょう。

 この辺は、eコマースの話だけの問題ではなく、メディアの変質を映し出しているようにも思えるわけで、今まではマスに対して打ち出し、圧倒的なその集客力の元に広告収益を成り立たせたわけだが、データを活用できるほどにテクノロジーが進化したことで、個々の人間に正確に、必要な情報を持ってアプローチする時代になったということになります。

メディアを含めたアクティブユーザーの多さを売りにヤフーが動く

 データを最大化させる上で、ユーザーの実生活でより密着していくことが重要となり、必然的にeコマースの価値がヤフー内で向上したということになるでしょう。また、eコマースは決済とも密接で、その意味でも重要性が高まっているわけです。それゆえ、組織が4月から変わっているが、eコマースを束ねるコマースグループには、ショッピングカンパニーやヤフオクカンパニーの他に、決済もあります。

  今まではショッピングモールというと、集客の意味でその存在感を発揮していたが、このヤフーの話を聞く限りにおいては、活用次第で、ヤフーというメディアなどのシナジー効果の恩恵を預かれるという意味での活用ということになって来そうにおもいます。

 昨日入ってきた話であるが、ヤフーという会社を大きくした立役者の悲しきニュースが入ってきました。96年に取締役就任、その後、社長に就いた井上雅博さんが、事故によって亡くなられました。彼が退任したのは2012年。つまり、16年もの間、社長として先頭に立って、検索エンジンにはじまり、メディアとして、ヤフーを日本屈伸の企業になるまでに成長を果たしました。今でこそ、Googleが台頭しているものの、少し前までパソコンにYahoo! JAPANのトップ画面が映っていることの方が常識でした。井上さんが築いてきたものがあるからこそ、今の宮坂さんの動きがあって、そして、上記の動きにつながっています。改めて、世の中は変化するのだという意識を持って、次の時代に備える自分たちでいたいものです。

ヤマトが値上げに踏み切る。集配に協力すると割引も

 そしてヤマト運輸のニュースです。ヤマト運輸は、ついに値上げの発表を行いました。60-80 サイズが現行の運賃に一律140円を加算、100-120 サイズが現行の運賃に一律160円を加算、140-160 サイズが現行の運賃に一律180円を加算することとなります。
 
 ただ、一方で、高くするだけでなく、集配に協力してくれれば、割引にするなどして、バランスを取っているようにも見えます。一つ目は、店頭端末「ネコピット」で発行したデジタル送り状の利用で荷物1 個につき 50 円を割引する、というもの。もう一つは、クロネコメンバーズ会員が発送時に直営店に持込みした発送荷物 1 個については、追加で 50 円を割引(現行の持込割引と合わせ、150 円を割引)するというものです。配送という現場の風景が少し変わることは間違いないですね。

配達の問題、消費者に実際に聞いてみました

配達の問題、消費者に実際に聞いてみました

 今回の話は、出荷する側の話でしたが、ヤマトに関連して、ECのミカタ編集部では、受け取る側の立場として、配達の実態に関しての調査も一般消費者150人に対して、行っています。これにあたっては、なぜそもそも再配達が生まれてしまうのか、と聞いてみると、買い物に行ってしまったなどの回答があり、拘束時間に耐えきれずにそうなったことを浮かび上がらせています。

 が、とは言え、結局のところ、どうしたいの?という質問を改めて消費者に投げかけてみると、これまた面白く、自宅で受け取りたいニーズは強く、時間さえ施策として徹底すれば、きちんと受け取るということでした。僕が思うに、些細なことの変化で再配達が減るのではないかなとも思うのです。

 例えば、実際に、僕はAmazonのプライム会員であるが、プライム会員の特典として、お急ぎ便があるが、早く欲しいと一心だけでそれを選ぶが、時間指定がない。すると、結果、消費者の拘束時間が増えることになり、そのイライラに耐えられずに買い物に行くこともあるだろう。僕自身もそうだった。申し訳ない。注文=受け取る日時指定の徹底ということを意識することが大事なのではないかと思います。

というわけで今日はこの辺で。ゴールデンウィークですね!
笑顔溢れる一週間でありますように。
また来週お会いしましょう。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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