小学館と共に体制を整え直した「MERY」の再出発。市場・ユーザーはどう評価するか

ECのミカタ編集部

 株式会社MERY(本社:東京都千代田区)は、2017年11月21日(火)に小学館との新たな記事制作体制とフローによる新しい女性向けメディア「MERY」の提供を開始すると発表。小学館とDeNAは今年8月に共同出資会社を設立している。

 社会的な関心事となったDeNAのキュレーションサイト問題。複数のサイトが閉鎖する事態となった。その中でもとりわけ読者の支持を得ていたのが「MERY」だ。その「MERY」が新しい体制を整え、満を持して再出発を迎えると発表があった。

 小学館とDeNAが今年8月に設立した共同出資会社のプレスリリースによると、記事掲載に至るまでの作成、編集、校閲などのノウハウが必要な業務に関しては小学館が、システム構築やネット上のマーケティングなどのサポートはDeNAが中心となった体制を確立していくとしている。

 そのうえで、従来の「MERY」における運営体制を抜本的に刷新のうえ、全ての記事を新たなプロセスに則り作成し、新しい「MERY」の誕生を目指していくという流れだ。

 MERY公認ライターおよび編集部が執筆した記事は、法令に基づき各種確認を経て公開判断を行う。ライターはMERYにて新たに採用面接を行い、教育・研修を受けたライターが執筆を担当する。非公開化前の旧「MERY」の記事は一切使用しないとしており、すべての記事は校閲、編集部の二重チェック後に公開されるという。

「MERY」の再起を賭けた再出発。ユーザーファーストの姿勢を貫けるか

「MERY」の再起を賭けた再出発。ユーザーファーストの姿勢を貫けるか

 閉鎖された、かつてのキュレーションサイトでは確かにユーザーファーストといった形ではなく、プレビュー数至上主義で、収益の向上のみがメインあったことは間違いない。しかし、そうした記事を乱立していたのはDeNAだけではなかった。そんな中でDeNAだけが矢面に立たされているのも、Web上で記事を書く者として甚だ疑問に感じていた。

 こうして、またMERYというキュレーションサイトが再起を賭けて立ち上がったということは同業者としては応援したいという気持ちがある。MERYというサイト名を変えなかったことも、真っ向から「再評価してほしい」という気持ちが汲み取れて清々しい。

 ECサイトの事業者にとっても、別世界の話ではないと感じる。インターネットユーザーの目は厳しくなってきており、消費者を甘く見た私腹を肥やすためだけのサイトや、商品をただ羅列しただけのショップは相手にされなくなってきている。あまりにひどい場合は糾弾の対象となる。

 今回「MERY」が環境を整え再出発を図るという時に、果たしてユーザーや世間は一体どのような評価を下すのか。ユーザーが「面白い」と感じるコンテンツを配信できれば再浮上はできるのか。それとも一度ついたイメージは払拭できないのか。インターネットを介してユーザーと向き合う業界にいる方は、その動向を注視しておく必要があるだろう。

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