DNPとEmotion Techの「エモーショナルCJM」で効果的なマーケティング施策を

ECのミカタ編集部

DNPとEmotion Techの「エモーショナルCJM」で効果的なマーケティング施策を

 大日本印刷株式会社と株式会社Emotion Techは共同で、企業が効果的なマーケティング施策を決定する際に有効なツール「エモーショナル カスタマージャーニーマップ(以下:エモーショナルCJM)」を開発し、1月22日に提供を開始すると発表した。

 近年、ビッグデータやAIを活用したデジタルマーケティングの実施にあたり、誰に、いつ、どのようなプロモーション施策を行うかを決めるため、顧客の体験(カスタマーエクスペリエンス:CX)を可視化した「カスタマージャーニーマップ(CJM)」を用いて分析することが主流となっている。

 一方、新規顧客の獲得よりも既存顧客の離反を防ぐほうが費用対効果が高いため、既存顧客のロイヤルティを向上させるマーケティング施策の重要性も指摘されている。顧客ロイヤルティを測る指標としては、購買者が企業の製品・サービスを「友人や知人に薦めたいか?」という観点から数値化するNPSが最近注目されている。

 大日本印刷は、戦略立案のコンサルティング、マーケティングオートメーション(MA)施策の実施、これら一連の業務を代行するBPO(Business Process Outsourcing)サービスの提供など、リアル店舗やEC店舗を利用する生活者一人ひとりの行動に合わせた企業のマーケティング活動の最適化を行っている。

 またエモーションテックは、NPS指標の企業収益に与えるインパクトを可視化する独自の“感情解析手法”を用いて、業務プロセス上の企業のどのような行動(要因)が顧客ロイヤルティに影響し、収益に反映されたのかを数値で分析することで、企業の業務改善を支援している。

 今回両社は、この“感情解析手法”をCJMに活用し、数値による定量的な評価指標を提供することで、企業が行うべき施策とそのタイミングを提案し、企業の効果的なマーケティング活動を支援していくとした。

「エモーショナルCJM」で課題を定期的・継続的に観察して改善する

「エモーショナルCJM」で課題を定期的・継続的に観察して改善する

 デジタルマーケティングで使うCJM上に、NPSに基づく“感情解析手法”で得られた“Impact Power LINE”(上図青線)と“Current state”(上図赤線)の2つの数値のギャップを表示して、実施すべきマーケティング施策の決定を支援する。

 Impact Power LINEは、既存顧客へのアンケートを“感情解析”し、生活者がマーケティング情報等に触れる機会(タッチポイント)において顧客ロイヤルティに与えるインパクトの強度(下図青線)を示し、Current stateは、タッチポイントにおける既存顧客の実際の影響の強弱(下図赤線)を示している。

 この2つの数値のギャップを可視化することで、CJM上のどのタッチポイントでギャップを縮める施策をどのように優先的に行うべきかという瞬時の判断を助け、顧客のロイヤルティを高めることができるという仕組みだ。

 生活者へのヒアリング等による定性的なアンケートではなく、生活者の属性やNPS、タッチポイントごとに独自に設定する項目や評価軸によって、顧客ロイヤルティを数値として取得できる。

 そして生活者属性に加え、生活者との接点ごとのロイヤルティへの影響の大きさと、実際の体験に基づく影響度とのギャップを数値化することで、具体的な課題の大きさや、改善事項の優先順位を可視化し、デジタルマーケティング施策の内容や実施時期についての迅速な意思決定を促してくれる。

 購入までの理想と現実の行動のギャップを数値で把握することで、課題を定期的・継続的に観察して改善することができるということだ。

「ユーザー目線に立つ」という重要なことを疎かにしてはならない

 趣味趣向の多様化は進み、ユーザーとの関係性を以前より密度の濃いものにしなければ顧客ロイヤルティは上がってこないだろう。当メディア編集部の石郷編集長が今週出した「1週間まとめ」の記事(https://ecnomikata.com/ecnews/17638/ )にもあるように、関係性を構築するコミュニティが大事な時代に突入してきていると思う。

 そんな時代だからこそ、ユーザー目線に立ち「何が欲されているのか」を真剣に考えなくては競合他社に埋もれてしまうだろう。発信していきたいことと、欲されていることをよく理解した上で、どう立ち回っていくかが問われているように感じる。

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