インスタグラマーのアイテムを一括買取してフォロワーにつなぐ『#ootd専属買取クラブ』が本格スタートへ

ECのミカタ編集部

MODALAVA(モダラバ)株式会社(本社:東京都、代表取締役CEO:桂茉莉子)は、Instagramユーザーから“ファッションアイテムとセンス”を一括で買い取る新サービス「#ootd専属買取クラブ」を、国内外にチェーン展開している古着店「ドンドンダウン オン ウェンズデイ」を運営する株式会社ドンドンアップと提携し2018年6月より試験運用を開始した。なお同サービスは、2018年9月1日より本格運用を開始する予定だ。

古着店・インスタグラマー・フォロワーそれぞれにメリット

着なくなったファッションアイテムを月次の専属契約で一気に買い取ってもらえる「#ootd専属買取クラブ」では、毎月古着買取店へファッションアイテムを送付し査定してもらうことができる。

このサービスは、インスタグラマーにとって大きな有用性を持つだろう。フリマアプリへの出品や店頭持ち込みではなく、テイストなどでマッチングした古着買取店への宅配での買取を利用することで、大量のアイテムを一気に整理でき手間を省くことが可能だ。たとえ値段の付きにくいノーブランド品でも“インスタグラマーとしての価値”が付加されることで、査定金額が上がるのも大きな利点となる。

また、そうしたインスタグラマーのフォロワーにとってもメリットは大きい。今回発表のあった新サービスでは、ユーザーとなるインスタグラマーのファンは、いつもInstagram上でフォローしている人のファッションアイテムを、古着買取店で直接購入することができるため、間接的にコミュニケーションをとることができるからだ。

一方、契約をする古着買取店にもメリットがある。一定期間でファッション感度の高い古着の入荷が期待でき、店舗で販売することで、新規来店など販促効果が期待できる。また、コーディネート画像の提供プランもオプションで用意されているため、センスの良い画像も同時に買い取ることが出来る。7月29日時点で登録ユーザー数は205名となっており、実際の買取では、オプションによって最低保証金額を上回る2,000円~20,000円で取引が行われている。現在、古着買取店ウェイティングリストの登録を受付ており、システム公開に伴って順次サービスを利用可能だ。

古着店とインスタグラマーのマッチングも行う

古着店とインスタグラマーのマッチングも行う「#ootd専属買取クラブ」公式サイトより

新サービスの主な流れはこうだ。買取を希望しているインスタグラマーがフォームにて登録する。MODALAVAが、オファーを希望するインスタグラマーと古着買取店をマッチングし、インスタグラマーは契約期間中に買い取ってほしいアイテムを毎月発送する(送付なしも可能)。

古着買取店は1箱10点1,000円以上(最低保証金額)で毎月査定・買取を実行。決定した査定金額をインスタグラマーに振込み、その後の契約継続オファーもできる。さらに最低保証金額と同額を、手数料として古着買取店から運営するMODALAVA株式会社に支払う。

プランによってはInstagram上のコーディネートネート画像を買取店が販売時に使用できるようにしたり、買取契約中のインスタグラマーにPR投稿をしてもらうなどにより査定価格が増加するオプションシステムも用意されるとのことだ。

眠れるニーズに光を当てる

同社では、サービスの本格運用開始について次のような分析をしている。昨今ファッションアイテムの買い方について二極化が進んでおり、サイジング技術やAIを活用した「自分へのジャストフィット」を求める傾向が高まっている一方、SNS等で親近感を感じる企業や個人の「つながりで購入」する流れも注目されているとしている。

Instagramでインスタグラマーが多くの所有するアイテムを用いて、ファッション投稿を行っているが、一度投稿したアイテムを再度投稿することがほとんどない点に着目。インスタグラマーの手元に多くのアイテムが眠っているということにもなる。また古着市場では、アイテムの前の所有者が必ず存在するため、購入を通して、そうした前のオーナーのコミュニティに帰属するという心理的ニーズも高まりつつあるとの仮説に立っている。特にインスタグラマーはファッション分野ではフォロワーをリードする立場にあり、こうした意識が醸成されやすいとの想定も成り立つだろう。

こうした背景から同社による新サービスの本格展開が決定されたようだ。新サービスによって、一層、ファッションECを牽引するインスタグラマーを取り巻くプロモーションを間接的に円滑にすることも期待できる。眠っているニーズに光を当て、それぞれの立場の人をつなげる、まさにECだからこそ生み出せる新しい価値と言えるだろう。

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