アリババが2018年6月期四半期決算を公表

ECのミカタ編集部

中国発のITサービスおよびECプラットフォームを展開するAlibaba Group(阿里巴巴集団、アリババグループ、以下「アリババ」)は、2018年6月期四半期の業績をとりまとめ、その内容を公表した。

総収入は809億元(前年同期比61%増)

今回公表された決算内容の概要は次の通りだ。当該四半期の全体では、YoY収入の際立った伸長やコア事業における収益とユーザーの堅調な成長が継続されている点、ターゲットとなる市場に積極的な投資を断行しても、なお高い収益性を確保している点などが高らかに提示された。

数字でみても、総収入は809億人民元(122.29億ドル)で、前年同期比61%増という大幅な伸びとなっている。一方、営業利益は、昨対比54%減の80.2億人民元(12.12億ドル)だった。調整EBITAは265億人民元(40億米ドル)で、株主に帰属するGAAP純利益(87億人民元)および希薄化後EPS(3.3万人民元)は、アリ・ファイナンシャルの評価額の大幅な増加および株式報酬費用のあおりを受けたが、この一時的な影響を除けば、株主帰属純利益および希薄化後EPSは、それぞれ35%および33%増加した。フリー・キャッシュ・フローは、16%増の26,358百万人民元(40億米ドル)となった。

同社資料より(以下同様)

コアコマースでも大きな成長

アリババグループを牽引するコアコマースでの売上高は612億人民元(同105億米ドル)で、前年同期比61%増だった。Tmallは引き続きシェアを拡大し、B2C市場のリーダーシップをさらに強化したと言っていいだろう。物品GMVは未払い注文を除いて34%増だった。また、MCM、モスキーノ、ジュゼッペ・ザノッティなどの国際ブランドがTmall's Luxury Pavilionに加わっている。

またクラウド事業における売上は、昨対比93%増の46.98億人民元(7.1億ドル)となった。デジタルメディアとエンターテインメントにおける売上は、昨対比46%増の59.75億人民元(9.03億ドル)だった。イノベーション関連における売上は、昨対比64%増の10.59億人民元(1.6億ドル)となった。

さらに、アリババの中国小売マーケットプレイスにおける年間アクティブユーザーは、5.76億人に達し、2018年3月31日時点の記録より2,400万人増加している。アリババの中国小売マーケットプレイスにおけるモバイルのマンスリーアクティブユーザーは、2018年6月時点で6.34億人に達し、2018年3月時点の記録より1,700万人増加した。

「素晴らしい四半期を迎えることができた」

今回の決算発表にあわせて、アリババグループCEO ダニエル・チャン氏は、次のようなコメントを出している。

「ユーザーの大幅な拡大と、成長し続けるアリババのエコシステム間のインタラクティブ性の強化により、素晴らしい四半期を迎えることができました。アリババの中国小売プラットフォームは引き続き市場シェアを拡大しており、ニューリテール事業もさらなる売上拡大を促進、小売パートナーは、消費者へよりシームレスなサービス提供が可能となりました。

またEC以外の大きなターゲット市場にもリーチするために、デジタルエンターテインメントとローカルサービスを提供することで、消費のあらゆる側面でより多くの価値と選択肢を消費者に提供するという計画も進めています。我々は、競争における優位性と長期的な成長を維持するために、戦略的なビジネスチャンスとイノベーションに投資し続けます」

流通総額を見ても世界最大級の小売・流通企業となっているアリババ。今回の決算発表でも、その地位を確かなものにする華々しい業績が示された。中国経済そのものは、かつての大幅な成長から堅調な成長へと変化するなか、アリババの快進撃がどこまで続くか、その行方にも注目したい。

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