D2C・オンラインブランド卸サイト『orosy』ベータ版が公開 アップデートによってバイヤー・店舗アカウントの審査制を廃止

ECのミカタ編集部

スペースエンジン社は、同社が運営する事業者専用の卸・仕入れサイト「orosy」のベータ版を公開した。

D2Cブランドなどと販売店をマッチング

株式会社スペースエンジンは、買取、委託形式で卸仕入れ取引を効率化できる事業者専用の卸・仕入れサイト「orosy」のベータ版を公開した。orosyは、D2Cブランドを中心とした各種商品のサプライヤー(製造元や保有元)と、高感度な商品の販売を希望する小売店舗のマッチングサービスだ。

商品供給のサプライヤーは、D2Cブランドなど、EC販売を中心に活躍するオンラインブランドとなっている。サプライヤーは、商品の卸価格や条件をorosyに登録し、卸販売を開始できる。商品購入側は、大手小売店舗から地方の個人店舗、サービス店舗など、高感度な商品の販売を希望する実店舗を持つ事業者だ。

店舗はorosy内で商品を検索し、掲載された条件に従って、買取または委託(消化)仕入れで商品を仕入れることができる。取引口座がorosy1つにまとまり、掛金もorosyが100%保証する。

◆orosy利用料金

[サプライヤー利用料金]
初期費用、月額費用などの固定費は一切かからない。無料でB2Bの受注サイトを作ることができる。買取卸が成立した場合、流通総額に対して10%の手数料が発生する。

[バイヤー・店舗利用料金]
0円。初期費用、月額費用など、利用に一切費用はかからない。

ベータ版では、バイヤー・店舗アカウントの審査制を廃止

ベータ版では、バイヤー・店舗アカウントの審査制を廃止

2020年6月に公開したorosyのアルファ版では、サプライヤー100社、大手小売店30社が利用し、シーズンの仕入れやイベントの集客に合わせた仕入れ、サプライヤーとバイヤーのコラボ商品といった実績が積み重ねられたという。好評を得たことから、今回、バイヤー・店舗アカウントの審査制を廃止し、ベータ版を公開することとなったのだ。

近年、SNSの普及により、ブランド独自の魅力やストーリーをSNS等を通じて直接顧客に訴求できるD2Cブランドは急成長を遂げている。その一方で、新型コロナウイルスの影響により展示会や商談がキャンセルとなった実店舗のバイヤーは、商品探しに苦労しているケースも多く、orosyを通じて実店舗と相性の良いD2Cブランドの仕入れを行いたいというニーズが高まっていることもその背景にあるようだ。

orosyを通じて新たな出会いが

アルファ版ユーザー企業からは次のようなコメントが出されている。

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社

「弊社が運営する公共施設併設の蔦屋書店にて、その地域の企業様の商品や、地域の方々におすすめしたい商品をorosyを利用して仕入れ、管理していきます。orosyに登録されている魅力的な背景を持つブランドを蔦屋書店で販売できることを期待しています」

株式会社ナノ・ユニバース

「アパレル以外のD2Cブランドを始めとする好感度な商品をorosy経由で仕入れ致します。また、ブランドを発見するだけでなく、口座管理、契約書、掛金もすべてorosyにまとめることができるため、集客に必要なイベントの仕入れなどにも利用できとても助かっています」

株式会社ミサワ

「展示会や商談会の開催が難しい状況の中でも、orosyを通じて店舗のイメージにマッチする、素晴らしいブランドに出会うことが出来ました。orosyの扱う、独自性と品質を兼ね備えたD2Cブランドとの出会いを今後も楽しみにしています」

スペースエンジン社も述べているように、SNSなどを通してストーリーを展開し、ユーザーに訴求するD2Cブランドは、広がりを見せている。従来の大手メーカーや、販売チャネルといった枠組みに縛られない、独自色のあるブランドや新興メーカーも多く登場しているが、それらと販売店を結ぶ方法は限られていた。orosyは、まさにその両者をつなぐプラットフォームとして確かな実績を積み重ねてきたが、今回のベータ版の公開によって、さらにその有用性を高めることになりそうだ。

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