スギ薬局が「MOVO Berth」を全物流センターへ導入 30分以上の待機車両が0.34%に

ECのミカタ編集部

株式会社Hacobu(ハコブ、本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員CEO:佐々木太郎、以下「Hacobu」または「同社」)は、株式会社スギ薬局が、トラック予約受付サービス「MOVO Berth」を導入したことを公表した。

16センターを統一KPIで管理し、物流課題に向き合う

Hacobuは、スギ薬局がトラック予約受付サービス「MOVO Berth(ムーボ・バース)」を導入したことを公表した。また自社運営の物流センター及び外部に運営を委託する全16センターを統一KPIで管理し、荷待ち時間削減をはじめとした物流課題の改善に取り組んだ導入成果等についても公開している。

「MOVO Berth」は、規模の大小や入出荷問わず、全国の物流拠点、工場で利用でき、46万人(同社調べ)のトラックドライバーが登録しているサービスだ。クラウドサービスであるためシステム開発費は不要で、各種設定にて拠点ごとの業務にあわせたカスタマイズが可能だ。また契約後、最短2週間で現場のスタッフが使えるようになるとしている。

導入成果

導入成果

同社がまとめる導入成果は次の通りだ。

◆全センターの情報を集約し、統一KPIで管理・改善できる体制を構築

スギ薬局では「品質」と「効率」の観点で5つのKPIを設定。MOVO Berth導入により、KPIのひとつである待機車両品質(「30分以上の待機車両(台数)の割合」)を管理・改善できる体制が整った。またMOVO Berthを全物流センターに導入したことで、業務が標準化され、一つのセンターの改善事例が他のセンターにも展開しやすくなった。

◆30分以上の待機車両が0.34%に

初回に導入した2つの物流センターの待機状況としては、大府センターでは「2時間以上待機する車両」が全台数の約19%、豊川センターでは約13%だったが、MOVO Berth導入直後には、それぞれ2.5%、0.4%まで減少した。2022年度(2022年3月~2023年2月)は、「30分以上の待機」でKPIを設定。全センターで128250台の入荷車両があったが、そのうち30分以上の待機は440台で0.34%に抑えられた

◆入荷作業の適切な人員配置を実現

MOVO Berth導入前は、その日に来る荷物の総量は把握できていたが、車両の台数までは把握できていなかった。MOVO Berth導入により、今日来る車両の台数と入場時間を朝の時点で把握できるようになったことで、残業の予定やスキルを加味した人員の配置が可能になった。

課題を定量的に把握し、荷待機時間を削減

課題を定量的に把握し、荷待機時間を削減

スギ薬局では、取引先から物流センターで入荷車両の長時間待機が発生しているという話があった際、スギ薬局で事実を正確に把握する手段がなかったという。待機時間は取引先経由のドライバーからの申告でしか把握できておらず、センターがドライバーを待たせているのか、車両の到着時間が早いのか、事実を正確に把握し、問題の本質を見極める必要があった。つまり、2時間超の長時間待機が発生していたが、全物流センターの課題を正確に把握する手段がなかったことになる。

そこでスギ薬局は、課題を定量的に把握し、入荷車両の長時間待機を前にした荷待ち時間削減を成し遂げるためにHacobu社の「MOVO Berth」の導入に至ったのだ。その結果、先述のように、全センターの情報を集約し、統一KPIで管理・改善できる体制を構築したことで30分以上の待機車両が0.34%にまで減少し、入荷作業の適切な人員配置を実現にもつながった。EC市場全体を支える生命線たる物流の効率化という観点からも、特筆すべき成果と言えそうだ。


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