「2024年問題に関するアンケート」調査 コスト上昇による業績悪化など、マイナス影響が生じるとみている企業が6割を超える

ECのミカタ編集部

「2024年問題」で6割の企業が「マイナス」影響 人件費上昇など、影響は幅広い業種に広がる

株式会社東京商工リサーチ(以下:東京商工リサーチ)は、「2024年問題に関するアンケート」調査を実施、結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

サマリー

◆「2024年問題」で、「マイナス」の影響が生じるとみている企業が6割(構成比61.9%)

◆産業別では、トップが卸売業の73.0%で、規制対象となる建設業(同69.3%)、運輸業(同72.7%)を上回る

◆運輸業の「マイナス」影響は「稼働率の低下による利益率の悪化」が回答率57.5%でトップ

◆建設業と運輸業以外の「マイナス」影響は「物流や建設コスト増加による利益率の悪化」が回答率73.2%

以降で詳細を確認していく。

全体の6割がマイナス影響と回答

「2024年問題」が経営に与える影響について質問したところ、マイナス影響が発生すると回答した企業は5151社のうち3189社で、全体の6割(構成比61.9%)を占めた。

内訳は、「大いにマイナス」が構成比19.3%(995社)、「どちらかというとマイナス」が同42.5%(2194社)。

企業規模別では、「マイナス」と回答した企業が、大企業で同68.0%(467社)、中小企業で同60.9%(2722社)と、大企業が中小企業を7.1ポイント上回った。

産業別での「マイナス」回答の構成比トップは、卸売業で73.0%。運輸業の時間外労働の上限規制が適用されると、配送コスト上昇への対応や納品スケジュールの見直しなどが必要になり、流通の効率化に影響を及ぼしかねない。

次いで、時間外労働の上限が規制される運輸業(構成比72.7%)と建設業(同69.3%)が続く。建設業や運輸業は、残業や休日出勤で受注をこなすケースが多いため、規制適用後はこうした時間外労働時間を削減する必要があるだろう。

コスト上昇による業績悪化が懸念

どのような「マイナス」影響を受けるかについて質問したところ、「物流・建設コスト増加による利益率の悪化」が67.9%とトップ。エネルギーや原材料など様々なモノの価格が上昇している中、運賃や作業費などのコスト上昇による業績悪化が懸念される。

時間外労働の上限規制の対象となる建設業と運輸業では、最高が「稼働率の低下による利益率の悪化」で57.5%(370社)と半数を超えた。次いで、全体トップの「物流・建設コスト増加による利益率の悪化」が48.0%(309社)、「稼働率維持に向けた人員採用による人件費の増加」が44.4%(286社)と続く。

産業界全体で負担を共有、軽減する取り組みを

建設業は賃金のもとになる労務費の目安を設け、適切な価格転嫁を促す施策が進んでいる。また、2024年から現場監督になるための国家試験の受検要件が緩和され、19歳以上であれば学歴や実務経験の有無を問わず、受検が可能となる。

運輸業は、外国人労働者の在留資格である「特定技能」に自動車運送業を追加し、深刻な人手不足を補う施策が検討されている。一方、荷主側の取り組みでは、段ボール箱などのバラ積み貨物をパレタイズし、荷待ち時間の削減やドライバーの荷役負担の軽減に取り組む企業も現れた。

時間外労働の上限規制を前にして、様々な産業への「マイナス」の影響が議論されているが、これまでは運輸業者や建設業者がこうした負担を長時間労働で肩代わりしてきた実態がある。今後は一部の産業、企業に負担を強いるのではなく、産業界全体で負担を共有し、軽減するための取り組みを進めることが求められるはずだ。

調査概要

◆調査機関:東京商工リサーチ

◆調査期間:2023年10月2日~10日

◆調査方法:インターネットによるアンケート調査

◆回答数:5151社

※資本金1億円以上を大企業、1億円未満(資本金がない法人・個人企業を含む)を中小企業と定義


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