食品メーカーの利益は物価高に値上げが追い付かず二極化 東京商工リサーチ調査
株式会社東京商工リサーチは2026年4月17日、2026年「食料品メーカー」動向調査の結果を発表した。
調査概要
◆調査対象:東京商工リサーチの企業データベース(約440万社)から、日本産業分類の食料品製造業を対象に、2025年1月〜12月期を最新期(2025年)とする5期連続で業績が判明した企業
◆調査企業数:4994社
◆出典:2026年「食料品メーカー」動向調査(株式会社東京商工リサーチ)
「収益強化」が課題に浮上
全国の主な食品メーカー4994社の2025年の売上高は、24兆2,824億円(前年比3.4%増)。コロナ禍を経て、内需回復とインバウンド効果の寄与で3期連続で増収を維持している。
一方、2025年の利益は8806億円(同9.5%減)で減益となった。前期は価格改定(値上げ)などで利益を押し上げたが、その後の物価高や人件費の上昇に値上げが追い付かず、収益は落ち込んだ。一時的な値上げより、収益強化への取り組みが課題に浮上している。
インバウンド需要などで市場は回復
食品メーカーの売上高分布は、最多が売上高1億円以上5億円未満の1354社(構成比27.1%)、次いで10億円以上50億円未満が1295社(同25.9%)、1億円未満が989社(同19.8%)、5億円以上10億円未満が658社(同13.1%)と続く。
売上高1000億円以上は41社(同0.8%)で、前期(38社)より3社増えた。

2025年の最終利益が黒字企業は、3898社(構成比78.0%)で約8割を占めた。一方、黒字企業数は前期の3983社(同79.7%)を下回る。
この結果について東京商工リサーチは「消費回復とインバウンド需要などで、市場は回復しているが、物価高で生産コストが上昇し人件費負担も増している。相次ぐ値上げも、こうしたコスト上昇に追い付かない状況を反映している」と指摘している。

倒産は2年ぶりに前年度を上回る
2025年度(4月〜3月)の食品メーカー倒産は168社(前年度比13.5%増)で、2年ぶりに前年度を上回った。
コロナ禍の2020年度、2021年度の倒産は資金繰り支援で倒産は減少。しかし支援策が終了した2025年度は、過去10年間でコロナ禍前の2019年度の169件に次ぐ水準に戻った。

東京商工リサーチは本結果について、次のようにコメントしている。
「物流費、人件費、原材料のコストアップでも、資金力のある大手は、DX化などの合理化で市場シェアの拡大を進めている。中小・零細企業は、値上げに伴う名目上の売上増より、収益確保が課題で、如何に稼ぐ力を取り戻せるかを問われている」
価格改定(値上げ)で売上高が伸びたが、物流の「2024年問題」や、人件費上昇、物価高などが利益を押し下げ、コスト上昇の吸収が難しい現状が浮き彫りとなっている。引き続き今後の動向を追っていきたい。


