株式会社博報堂（本社：東京）のシンクタンク博報堂生活総合研究所による「来月の消費予報」が発表され、2023年12月の消費意欲指数は55.3点で、前月比＋7.9ptと大きく上昇した。同社のレポートでは「長引く物価高の影響はあるものの、それ以上に、クリスマスや年末年始に向けた12月らしい消費意欲の高まりが期待できそう」と分析している。

消費意欲指数55.3点は今年最高、最近5年間でも2番目に高い数値

博報堂生活総合研究所は、20～69歳の男女1500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施し、｢来月の消費予報｣として発表している。2023年12月を対象にした調査の結果によれば、同月の消費意欲指数は55.3点で、前月比＋7.9ptと大きく上昇、前年比でも＋0.9ptとやや上昇した。

消費意欲指数は、「消費意欲が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月（12月）の消費意欲は何点くらいですか？」という質問に対する回答から歳出。12月の55.3点は今年の最高値で、最近5年間でも2021年12月（56.1点）に次ぐ2番目に高い指数であり、生活者の消費への前向きさを示す結果となった。

「年末かつクリスマス。昨年と違い、コロナもない」と消費にポジティブな声が増加

レポートでは回答した消費意欲指数の理由も紹介（※1）。「年末かつクリスマス。昨年と違い、コロナもない（100点・男性45歳・兵庫県）」「クリスマス、年末などのイベントが多いし、ボーナスがあるので、使えるお金が普段より多くなる予定だから（90点・女性23歳・愛知県）」といった声が取り上げられている。

一方、消費にネガティブな理由は、｢欲しいものがない・意欲がない（11月：378件→12月：276件）」「他の出費・出費予定のために控える（11月：132件→12月：87件）」とそれぞれの回答が11月よりも減り、2022年と比較しても「金銭的な理由で節約・我慢（2022年12月：183件→2023年12月：163件）」「物価高・値上げ・円安（2022年12月：139件→2023年12月：95件）」と減少。全体として消費にポジティブな回答が増え（11月：363件→12月：588件）､ネガティブな回答（11月：867件→12月：660件）が減ったという。

※1：「（消費意欲の点数について）あなたがその点数をつけた理由をお答えください。（自由回答）」に対する回答からの抜粋

「特に買いたいモノ・利用したいサービス」は幅広いジャンルで消費意識が上昇

また、｢特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の割合は39.3％で、前月比で＋9.9pt、前年比でも＋2.7ptと上昇。特に【食品】【ファッション】【外食】【飲料】【化粧品】【理美容】【家電・AV】【装飾品】【インテリア用品】の9カテゴリーでは11月よりも20件以上の増加。【食品】【外食】は2022年12月に比べても20件以上増えており、レポートでは「クリスマスや忘年会、お正月といったイベントに向け、“食”を中心とした幅広いカテゴリーで消費意向が高まりそう」と結んでいる。

調査結果にも表れているように、クリスマスや忘年会、お正月の準備と、イベントが続く12月は生活者の消費意欲が特に高まる時期。
逆に1月は例年消費意欲指数が低くなる月であるとされ、2023年1月の同調査（2022年12月1日から5日に実施　※2）を振り返ると消費意欲指数は47.9点と、前月比で-6.5pt低下していた。

いよいよ師走に突入。イベント需要が見込まれる食品関連はもちろん、関連事業者は幅広いジャンルで消費意欲が高まっていることを意識した準備と施策で、追い込みに入った2023年の年末商戦の売上向上につなげてほしい。

※2「博報堂生活総研[来月の消費予報・2023年1月]（消費意欲指数）」より

調査概要

■調査概要：生活総研が、生活者の気持ちの変化を読み解くために、生活に関する意識を指数（100点満点評価）で回答してもらうものです。
■調査地域：①首都40km圏 ②名古屋40km圏 ③阪神30km圏
■調査対象者：20～69歳の男女
■対象者割付：調査地域①～③各500人を各地域の人口構成比（性年代）に合わせ割付
■調査人数 合計1500人
■調査方法：インターネット調査
■調査時期：2023年11月2日～6日
■調査機関：株式会社 H.M.マーケティングリサーチ

出典：「博報堂生活総合研究所　来月の消費予報」