商品を選ぶときに「環境ラベルを参考にする」3割以上 消費者庁調査
消費者庁は2026年8月20日、景品表示法の観点から、環境ラベルに関する事業者の表示について実態調査を実施。その結果に基づき、同法上の考え方を取りまとめた内容を公表した。
本調査は、近年多種多様な環境ラベルが登場する中、環境ラベルに関する表示の実態を把握し、景品表示法上の考え方を整理することを目的に行われた。本記事ではEC事業者へ向けて、一部の内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆事業者ウェブサイトやECサイトなどのインターネット上の一般消費者向け商品又はサービスに係る広告表示に用いられている環境ラベル139種類を収集してサンプリング調査
◆環境ラベルを表示する事業者等(計15者)、第三者認証ラベルの運営主体(3機関)に対しヒアリング調査
◆一般消費者1000名に対しアンケート調査
◆出典:環境ラベルに関する実態調査報告書(消費者庁表示対策課)
約3割~約4割の消費者が「参考にする」と回答
本調査における「環境ラベル」とは、事業者が自己の供給する商品・サービスが、環境に配慮したものであることを一般消費者に示すマークや目印のことであり、広告表示の一種である。
今回、一般消費者に対して、商品・サービスを選択する上で環境ラベルをどの程度参考にするのか(各項目について当てはまるものを選択)を調査。その結果、約3割~約4割の回答者が、商品・サービスを選択する上で環境ラベルを「参考にする」と回答した。
商品・サービスを選択する上で環境配慮が判断要素の1つになっており、環境ラベルの有無を重視している一般消費者が、一定数存在することがうかがえる。

対象範囲が明確でないラベルも複数確認
サンプルとして確認できた本調査対象の環境ラベル139種類を、表示されている商品・サービスごとに分類。「生活・文化用品」(洗剤、ティッシュペーパー、文具等)、「食料品・飲料」(加工食品、菓子等)で全体の過半を占めた。
一方、複数の商品・サービスの区分にまたがって表示される環境ラベルが36種類あり、そのうち31種類は第三者認証ラベル(※1)となった。

環境ラベル139種類のうち、「衣服のタグに、原材料として再生素材を利用している旨を示す環境ラベルが表示されているが、再生素材が利用されている範囲が衣服か、タグかが明確でない」など、訴求する環境配慮の対象が商品本体か、包装等か、商品と包装等の全体かが明確でないものが20種類みられた。
また、原材料等の環境配慮を訴求している環境ラベル62種類のうち、「食品の容器包装に「バイオマス素材を使用」と示す環境ラベルが表示されているが、バイオマス素材の具体的な使用割合が明確でない」といった、使用割合が具体的な数値を用いて明確に表示されていないものが29種類みられた。
◆環境ラベルのサンプル

※画像元:環境ラベルに関する実態調査報告書【概要】(消費者庁)
消費者に誤認される場合は「景品表示法」の問題に
2001年には公正取引委員会が「環境保全に配慮した商品の広告表示に関する実態調査報告書」において、景品表示法の考え方を公表している。近年は多種多様な環境ラベルが出現するなど、環境を取り巻く広告表示の在り方が変化しつつある。
こうした背景から、同調査報告書で示した考え方を踏まえつつ、近年の変化に鑑み、景品表示法の考え方を示すことを目的に、本調査を実施するに至った。
消費者庁としては、環境ラベルに関する不当表示等を防止するため、本調査報告書において示した考え方を、関係する省庁(環境省)とも連携を図りながら、広く事業者などへ周知する予定。
環境ラベルによって、商品又はサービスが実際のもの又は事実と相違して、競争事業者のものよりも著しく環境に配慮していると一般消費者に誤認される場合には、不当表示(優良誤認表示)として景品表示法上の問題となる。
EC事業者にとっても、商品ページなどで環境配慮を訴求する際には、「何が」「どの程度」環境に配慮されているのかを明確にすることが重要になる。表現が適切かどうか、今一度、確認したい。
※1:事業者とは独立した第三者機関が一定の基準を設定し、当該機関又は別の第三者機関がその基準に基づいて審査を行い、適合性が確認された場合に付与される環境ラベルのこと。


