「店舗に支えられたEC」から「店舗を守れるEC」へ タビオが語る、25年間の分岐点と選択
EC事業が成長すると、実店舗との関係をどう設計するかという課題に直面する。「ECと店舗の連携を進めたいが、それぞれの役割が整理できていない」「長年使ってきたシステムが事業に合わなくなってきた」…。これらを乗り越えるために重要になるのは、EC単体の売上だけではなく、「ECが、店舗運営やブランド育成を含む事業全体に、どのような価値を生み出すのか」を考えることだろう。
ECのミカタが9月17日に大阪・梅田で開催する「EC Growth Conference in 関西」では、「靴下屋」や「Tabio」を展開するタビオ株式会社から、マルチメディア企画部 課長の武田知定氏が登壇。「『店舗に支えられたEC』から『店舗を守れるEC』へ タビオが25年間のEC事業で経験した分岐点と選択」をテーマに、同社の歩みを語る。
詳細・申し込みはこちらから
https://biz.ecnomikata.com/kansai2026
広報から始まったECが、重要な販売チャネルへ
タビオのEC事業は、約25年前、広報活動の一環として始まった。現在では自社ECを軸にモールにも出店し、スマートフォン対応、店舗とECの会員基盤統合など、顧客や市場環境の変化に合わせて事業の形を変えてきた。
商品の情報を届けるためのサイトから、売上を生む販売チャネルへ。さらに、店舗と顧客をつなぎ、ブランド全体を支える基盤へ。タビオはEC事業の成長に合わせて、運営体制やシステム、店舗との関係をどのように変えてきたのか。本講演では、その変遷を時系列で振り返る。
モールへの参入と撤退、その判断背景
EC事業を拡大する際、多くの企業が検討するのがモールへの出店だ。モールには新規顧客との接点を増やし、売上を拡大できる利点がある。一方、手数料や広告費、運用負担、価格競争などを考慮すると、出店を続けることが必ずしも最適解とは限らない。
タビオも、成長過程で複数のモールへの参入を経験し、その一方で収益性を理由に撤退を選択したモールもある。どのチャネルへ出店するか。売上だけでなく、利益や運営負担、ブランドとの相性をどう評価するか。そして、どの段階で撤退を判断するのか。
本講演では、「結果」だけでは見えない意思決定の背景が紹介される。自社ECとモールの役割を見直したい事業者にとっても、判断のヒントとなるだろう。
スクラッチ開発からShopifyへ移行
タビオが経験した大きな分岐点の一つが、長年利用してきたスクラッチ開発のECサイトから、Shopifyへの移行である。独自開発には、要望に合わせて機能を設計できる強みがある一方、事業環境や顧客ニーズが変化するなかで、システム改善・改修にかかる時間や費用、保守運用の負担が課題になることもある。
これまで積み上げてきた仕組みを残すのか。それとも、将来の変化に対応するために基盤を切り替えるのか。システム移行は、単なるリニューアルではない。既存の業務や必要な機能を見直し、今後のEC事業をどのような形で運営するかを決める経営判断でもある。本講演では、タビオが移行を決断した背景と、EC基盤の変更を通じて目指している事業の姿に迫る。
店舗と競うECではなく、店舗を守るECへ
タビオは、「靴下屋」「Tabio」「Tabio MEN」などのストアブランドを、250店舗以上で展開している。全国に店舗網を持つ同社にとって、ECと店舗の関係は事業全体に関わる重要なテーマだ。
ECが店舗の商品や認知に支えられて成長するだけではなく、ECで得た顧客接点やデータ、利便性を店舗へ還元し、ブランド全体の価値を高めていく。その先にあるのが、「店舗に支えられたEC」から「店舗を守れるEC」への転換である。ECの売上を増やすことと、店舗の価値を高めることを、対立するものとして捉えない。顧客が店舗とオンラインを行き来することを前提に、それぞれが果たす役割を再設計する必要がある。
本講演では、店舗とECの会員基盤統合を含むこれまでの取り組みとともに、タビオが目指す現在地と次の挑戦が語られる。
登壇する武田氏は、2008年に撮影アルバイトとしてタビオへ入社。商品撮影などの「ささげ」業務から、Web・UIデザイン、広告、分析、CRMまで幅広い領域を経験し、現在は本店ECサイトの責任者としてリニューアルなどのプロジェクトを推進している。
ECと店舗の役割を整理したい企業や、既存システムの刷新を検討している事業者、ECを事業全体の成長へつなげたい担当者にとって、自社の「次の分岐点」を考える機会となるはずだ。
開催概要
●開催日時:2026年9月17日(木)14:00~19:30
●タビオ 登壇時間(予定) 17:20~17:50
●会場:NORIBA10 umeda
●アクセス:阪急大阪梅田駅 2階中央改札口を出てすぐ
●定員:70名
●参加費:無料
●対象:EC・通販事業者
講演終了後には、登壇者やEC事業者同士で直接話せる交流会も実施します。なお、本カンファレンスのアーカイブ配信は予定されていません


