ANA×ヤマト運輸、当日手ぶらサービスのテストを開始

ECのミカタ編集部

記者の論点:旅行を楽しんでいるときに、手荷物が邪魔になったことは無いだろうか。「景色が撮りたいけど、手が荷物でふさがっていて取れない…」などの場面が多い。そのような心配を無くすために、ANAとヤマト運輸が新たな取り組みを始めた!その取り組みとは…

ゴールデンルートは…「東京と大阪」

全日本空輸株式会社(以下、ANA)とヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト運輸)は、訪日旅行者を中心とした国内旅行者に対する新たな取り組みを始めた。平成28年3月23日より、関東(東京)⇔関西(大阪・京都)間の当日手ぶらサービス「Same Day Delivery Service(仮称)」のテスト運輸を開始する。

近年、アジア圏を中心に訪日旅行者が年々増加し、2015年には1973万人と過去最高を記録した。国土交通省の「訪日外国人の消費動向(平成26年 年次報告書)」によると、主な旅行先として「ゴールデンルート」の起点および終点である東京と大阪を主な滞在先とする旅行者が多い。また、約6割が団体ツアーではなく、個人旅行として自ら大きな手荷物を持って日本国内を移動している。さらに、国土交通省が旅行者に行ったアンケート調査「手ぶら観光の促進に関するニーズ調査結果及び今後の取組について」によると、手荷物の当日郵送(宿泊先ホテル間など)によって、「手ぶらで移動・観光したい」というニーズが高い結果が出ている。その一方、これまでそうしたニーズに対応する関東⇔関西間を当日中に輸送するサービスは無かった。

ANAとヤマト運輸は、2012年9月より日本から海外空港のターンテーブルまで手荷物を輸送する「手ぶらサービス」を開始するなど、旅行者が手ぶらで快適に旅行するためのサービスを展開してきた。今回は、「手ぶらで快適に旅行したい」という訪日旅行者のニーズに応えるため、それぞれが有する航空ネットワークと宅急便ネットワークを活用し、訪日旅行者を含む国内旅行者の利便性向上に向けた新たな取り組みを開始した。

気になる当日手ぶらサービスの内容とは…?

当日手ぶらサービス「Same Day Delivery Service(仮称)」は、指定の宿泊先ホテルから関東と関西の届け先まで、当日中に手荷物を輸送するサービスである。例えば、東京に宿泊している旅行者が、京都の観光地に行く際、手ぶらで移動・観光した後に、当日中に京都の宿泊先ホテルなどで、手荷物の受け取りができるようになった。

「Same Day Delivery Service(仮称)」の利用対象者は、「ハイアットリージェンシー 東京」「ヒルトン東京」「ANAクラウンプラザホテル大阪」「ANAクラウンプラザホテル京都」に宿泊した人である。輸送対象地域・サービスレベルは、東京都のホテルに関しては、届け先の地域は関西で、大阪府と京都府のホテルに関しては、届け先は関東である。また、発送締め切り時間は午前8時まで、お届け予定日時は当日の18時以降と全てのホテルで決まっている。利用料金に関しては、手荷物1つにつき、2,000円(税込)である。

今後は、テスト運用で得たお客さんの声や、利用件数などのデータを分析し、旅行者のニーズに合った新サービスとして実運用の開始を目指す。また、手ぶら旅行の推進と国内のホテルや旅行代理店などが旅行者に対して提供できる付加価値サービスとして確立していく。

旅行をするときに、手荷物が邪魔をすることはよくある。例えば、「美しい景色を写真に残したい」と思っても、荷物で手がふさがっていたらカメラを構えることも難しい。せっかくの旅行にも関わらず、写真が一枚も無いことはもったいない。美しい景色が多い旅行先ならば、なおさらそう思うはずだ。だが、今回の手ぶらサービスにより、そのような心配は無くなる。朝に荷物を預けると、夜のホテルに帰る時間に荷物が届くようになっている。このサービスにより、手ぶらで楽しく観光することができるだけでなく、旅行先で荷物を紛失する可能性も低くなる。旅行者が多い現代だからこそ、必要なサービスなのではないか。

また、海外の観光客が、ヤマト運輸のサービスを使って、観光が快適になるとしたら、海外の人にとっても日本人同様に、ヤマト運輸との親密度、信頼感にプラスに働くことだろう。グローバルな展開を考える上で、今回の取り組みは、ヤマト運輸にとって大きな価値をもたらすだろう。


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