YouTube Works Awards Japan 2026、グランプリは「掃除を​ホラーゲーム化」した花王

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ECのミカタ編集部

高い効果を獲得した動画広告を表彰する YouTube の広告賞 「 YouTube Works Awards Japan 2026 」を開催

Googleは2026年5月29日、 YouTubeで高い効果を獲得した動画広告を表彰する「YouTube Works Awards Japan 2026」の受賞作品を発表した。6回目の開催となる本年から、全8部門の各部門において部門賞(Gold)だけでなく、Silver、Bronzeも選出。グランプリは​掃除を​ホラーゲーム化し、YouTube Creator Collaboration部門のGoldも獲得した花王株式会社の「しずかな​おそうじ」が獲得した。

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掃除をホラーゲーム化した花王「しずかなおそうじ」がグランプリ

各部門賞の中から「最もインパクトが大きく、イノベーティブかつクリエイティビティに富んだ表現でYouTube広告を最大限に活用し、ビジネス効果へと繋げることに成功した作品」に贈られるGrand Prix(グランプリ)には、花王株式会社の「しずかなおそうじ」が選出された。

◆Grand Prix
▷作品名:「しずかなおそうじ」
▷広告主:花王株式会社

グランプリを獲得した花王の「しずかなおそうじ」。コミュニケーション戦略の核は、YouTube クリエイター、ガッチマンによるライブ配信。さらにゲーム本体を無料配布して配信をフリー化することで、クリエイターや視聴者による自発的な実況プレイを誘発し、コミュニティの熱量を巻き込む導線も設計した

発表されている​詳細事例集(※1)によれば、花王のホームケア事業はカテゴリエントリー層(Z世代)の認知・購買に課題を抱いていた。そこで、Z世代のカルチャーに深く根付いている「ホラーゲーム」と、YouTube配信者の間で流行している「ゲーム実況」に注目。“戦略的な掛け算”で、花王の掃除製品の認知と製品理解の創出を目的に、掃除をゲームの核となる仕組みとして組み込んだ3D探索型ホラーアクションゲーム「しずかなおそうじ」を設計した。

YouTubeでの実況配信を核に施策を展開したところ、実況動画の再生数は想定を上回る45.1万回を突破。公開直後にX・LINE NEWSでトレンド1位を獲得し、ゲーム公開30日でのダウンロード数は目標比の5倍、Steam無料ランキングのトップに掲載された。

ホラーゲームの緊迫感のなか、アイテムを発見するワクワク感や汚れを見事に落としてクリアに近づく達成感。実用的な掃除のティップスをそのままゲームの「攻略法」として機能させることで、視聴者も実況者と一体となって盛り上がりながら、自然と製品の魅力を体感できるエンターテインメントへと昇華させた。

※1:画像出典「YouTube Works Awards Japan 2026」​受賞作品およびファイナリスト作品事例集

Best Brand Fandom部門

◆Gold
▷作品名:睡眠計量e-SPORTS CUP「SLEEP FIGHTER II」
▷企業名:エスエス製薬株式会社

◆Silver
▷作品名:明電舎Pixel Singer Project
▷企業名:株式会社明電舎

◆Bronze
▷作品名:それぞれの音色 吹奏楽13パート
▷企業名:大塚製薬株式会社

Goldを受賞した「睡眠計量e-SPORTS CUP『SLEEP FIGHTER II』」は、睡眠改善薬「ドリエル」において、睡眠を軽視しがちなゲーマー層の意識を変え、よい睡眠で豊かな毎日と人生を実現するブランドとして浸透させるための施策。eスポーツの大会に「睡眠の計量」を導入し、睡眠不足のプレイヤーに減点を課すという斬新なルールを設定した。配信の最大同時接続数は約11.8万人を記録し、認知者の購入率は非認知者の約46.9倍と大きな成果を上げた。

Best Brand Lift部門

◆Gold
▷作品名:おねがいテプラ
▷企業名:株式会社キングジム

◆Silver
▷作品名:カロリーメイトCM 「いちばんの味方」篇
▷企業名:大塚製薬株式会社

◆Bronze
▷作品名:ダスキンモップ「画面に毛」「飼い主に一曲」
▷企業名:株式会社ダスキン

Goldを受賞した「おねがいテプラ」は、肩こりや職場の緊張など、一見テプラでは解決不能な課題に対し、ラベルを貼ることで人の意識や行動が変わる様子を描いたドキュメンタリー動画を制作。「事務用品」という固定概念から「現場の課題解決パートナー」へとブランドの価値を再定義した。業種ごとに異なる課題を描き分け、適した視聴者層へ出し分けたことで、広告認知者の導入意向が非認知者と比べて31.5ポイント高まった。

キングジムの「おねがいテプラ」

Best Engagement & Action部門

◆Gold
▷作品名:Cook Do 極シリーズ「極中華道」~最古の鍋で原点を食らう~
▷企業名:味の素株式会社

◆Silver
▷作品名:お金のこと夫婦で話しづらい件
▷企業名:株式会社イオン銀行

◆Bronze
▷作品名:バブルーン ショート動画PJ
▷企業名:アース製薬株式会社

Goldを受賞した「Cook Do 極シリーズ『極中華道』~最古の鍋で原点を食らう~」は、中華合わせ調味料「Cook Do 極」シリーズの認知・トライアル促進と、継続的な間口拡大によるブランドのライフタイムバリュー向上が目的。開発責任者が中国の四川省へ赴き、古い中華鍋を探して現地の料理人に商品を実食してもらうという、52分に及ぶ食文化ドキュメンタリーを制作した。本格中華としてのこだわりや商品開発のストーリーを伝えることで、ECサイトへの遷移を促した。

味の素の「Cook Do 極シリーズ『極中華道』~最古の鍋で原点を食らう~」

Best Multi Format部門

◆Gold
▷作品名:ルンバで #床サイコー
▷企業名:アイロボットジャパン合同会社

◆Silver
▷作品名:レイク「ラジオブース」篇
▷企業名:新生フィナンシャル株式会社

◆Bronze
▷作品名:アイリスオーヤマ パックごはん
▷企業名:アイリスオーヤマ株式会社

Goldを受賞した「ルンバで #床サイコー」は、「毎日ピカピカの床で過ごす爽快感」といった価値を再定義し、UGCを集めて購買を後押しすることを目指した。縦型に最適化したUGC風のクリエイティブを制作し、「#床サイコー」というコピーで共感を喚起。YouTubeの複数フォーマットを駆使し、認知から購買意欲の醸成までを一気通貫で実現した。

Best Offline Sales Lift部門

◆Gold
▷作品名:プレミアムガーナ「劇的一粒」コミュニケーション
▷企業名:株式会社ロッテ

◆Silver
▷作品名:Coke ON 最大4本無料祭り!
▷企業名:日本コカ・コーラ株式会社

◆Bronze
▷作品名:深夜ラーメンの誘惑
▷企業名:サントリーホールディングス株式会社

Goldを受賞した「プレミアムガーナ『劇的一粒』コミュニケーション」は、こだわりの原材料で作ったチョコレート「プレミアムガーナ」において、ライト層に対して「支払う価格に見合うおいしさ」への期待感を最大化することを目的とした。商品を食べた後にあえて言葉を発さずリアクションをするタレントの姿を描き、期待感と好奇心を醸成。YouTubeショートやクリエイターとのコラボ動画など幅広いフォーマットで展開し、指名購買につなげた。

ロッテの「プレミアムガーナ『劇的一粒』コミュニケーション」

Best Use of Google AI部門

◆Gold
▷作品名:やさしいメル﨑
▷企業名:株式会社メルカリ

◆Silver
▷作品名:もしも、江戸時代にメルカリがあったなら
▷企業名:株式会社メルカリ

◆Bronze
▷作品名:動画生成AI「Veo3.0」を活用したファン基盤拡大クリエイティブ
▷企業名:トヨタ自動車株式会社

Goldを受賞した「やさしいメル﨑」は、「メルカリ」の利用に不安を感じている未利用層に対し、サービスが安心安全であることを伝え、新規登録を促すことを目的とした。GeminiをはじめとしたGoogleのAIを活用して膨大な取引データやレビューを分析し、「お客さま同士の優しさ」というインサイトを発掘。その結果を基に、視聴者層ごとに深く届く20パターンのストーリーをAIで制作。好意度が42.1%向上した。

メルカリの「やさしいメル﨑」

Force for Good部門

◆Gold
▷作品名:CHECK-2cm「母さん、少し小さくなった?」
▷企業名:雪印メグミルク株式会社

◆Silver
▷作品名:ゼスプリ キウイ 栄養改革プロジェクト
▷企業名:ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社

◆Bronze
▷作品名:スマホ課題コミュニケーション
▷企業名:ソフトバンク株式会社

Goldを受賞した「CHECK-2cm『母さん、少し小さくなった?』」は、乳製品などを扱う企業として、自覚症状がなく自分ごと化しづらい「骨密度低下」という社会課題を扱った動画。特にリスクの高い高齢女性とその家族へ向けて、「身長が2cm縮むのは危険信号」という印象的な言葉で気づきを与え、骨密度を気にかけたり食生活を見直したりといった具体的な行動を促した。

雪印メグミルクの「CHECK-2cm『母さん、少し小さくなった?』」

YouTube Creator Collaboration部門

◆Gold
▷作品名:しずかなおそうじ
▷企業名:花王株式会社

◆Silver
▷作品名:「そうはならんやろ、柴崎さん」篇
▷企業名:株式会社リクルート

◆Bronze
▷作品名:共同開発商品の物語化 アサヒ空想開発局×江頭2:50 タイアップコラボ
▷企業名:アサヒビール株式会社

Goldは、グランプリにも輝いた「しずかなおそうじ」が受賞。ホラーゲームの実況で人気のクリエイターを起用した生配信は、実況を通じて製品の効果や使い方が自然に伝わるコンテンツに。ゲームを無料配信したことで、数百万人の登録者を持つようなゲーム実況者もこぞってプレイするなど、連鎖的な拡散を実現した。

「インサイトを発見する人間の肌感覚」が一層大切に

Googleの発表によれば、日本のユーザーの76%が「最近の購入を決める際にYouTubeが重要」と回答(※2)。また、日本のユーザーがYouTubeを商品リサーチの際に利用する割合は、他社サービスと比較して1.7倍となっている(※3)。

本アワードの審査委員長 松井美樹氏(株式会社博報堂 顧問)は次のようにコメントしている。

「(今回の審査を通じて)見えてきたのは、作り手がこれまでの作法やプロセスを疑い、互いに巻き込みながら新しいやり口を見つける『共創』の重要性です。また、AIにより、インサイト発掘や戦略立案といったマーケティングの根幹から変革が起きており、その可能性を実感。しかし、だからこそ、人の心を動かす『ゼロイチのインサイト』を発見する人間の肌感覚が一層大切になると感じます。グランプリがYouTube Creator Collaboration部門から出たことも、『共創』の力を体現する象徴的な出来事です」

YouTubeをはじめとした動画プラットフォームの利用が消費者の日常に浸透した今、そこで展開する広告キャンペーンの重要性も必然的に高まる、事業者にとって、今回選ばれたファイナリストたちの事例は今後の施策を考えるうえでのヒントになりそうだ。

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※2:出典 Google/MTM、Shopper Journey調査、日本、n=557、調査対象者:18~64歳、月 1回以上のYouTubeを利用者、CPG(日用消費財)、電化製品、美容、食品・飲料のいずれかのカテゴリーにおいて、商品購入を検討する際にオンラインプラットフォームを利用した経験を持つ。調査期間:2025年5月~2025年6月、調査対象: Instagram、Facebook、TikTok、Amazon。調査対象の買い物客とは、定められた期間内に主要カテゴリのいずれかで商品を購入した個人を指す
※3:「1分以上の横型動画のみ」で1.7倍、「縦型動画含む全ての平均」で1.5倍。出典 Google/MTM、Shopper Journey調査、日本、n=557(Instagram、TikTok、Facebook、Amazonの平均利用率と比較して)