アジア太平洋地域「カード不正利用率」初めて世界最低に Stripe調査

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ECのミカタ編集部

Stripeインサイト:Stripeの数十億件のデータが示す地域別カード不正利用の最新動向

ストライプジャパン株式会社(以下、Stripe)は2026年10月19日、2022年1月から2026年3月の間にStripeで処理された数十億件の取引データを分析。各国・地域における、カード不正利用の傾向や要因をまとめたレポートを発表した。

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APACのカード不正利用率が初めて世界最低に

今回の分析対象のすべての地域の中で、アジア太平洋地域(以下、APAC)の企業におけるカード不正利用率は、2022年から2025年にかけて最も低下していることが明らかとなった。

さらに、2026年には、本調査期間中で初めてAPACが全地域中で最もカード不正利用率が低い地域となった。

この結果についてStripeは「オンラインのカード決済に3Dセキュア認証が義務づけられたことが不正利用率低下に効果を上げていると考えられます」と分析している。

日本企業においても、2022年から2025年にかけて毎年、不正利用率が継続的に低下していることが明らかとなっている。

Stripe上のデータを分析すると、日本企業における2025年のチャージバック申請率は2024年の同期比で30%以上低下している。

Stripeは「チャージバック申請率と不正取引発生率に相関関係があることから類推すると、同様に不正取引発生率も大幅に低下していると考えることができます」とコメントしている。

※画像参照:Stripeインサイト:Stripeの数十億件のデータが示す地域別カード不正利用の最新動向(ストライプジャパン株式会社)

ヨーロッパのカード不正利用率は国によってばらつき

ヨーロッパの企業におけるカード不正利用率は2022年から2025年にかけて21%低下したが、域内の国によって大きなばらつきがある。

主要市場のフランスとイギリスはいずれも一貫した低下傾向を示しており、フランスは40%、イギリスは27%それぞれ減少した。

※画像参照:Stripeインサイト:Stripeの数十億件のデータが示す地域別カード不正利用の最新動向(ストライプジャパン株式会社)

ヨーロッパの企業には、不正利用を防ぐために決済時の二要素認証を義務付けるSCA規制(※1)が適用されている。この規制により、カード発行会社は高度な不正利用対策インフラへ投資するための制度的枠組みと、十分な時間を確保することができた。

一方、スペインやポルトガルは、分析対象のヨーロッパ地域の中で唯一、カード不正利用率が2022年から2025年にかけて毎年上昇している。

両国は、他のヨーロッパ市場よりも認証の一時セキュリティコードとしてワンタイムパスワードへの依存度が高く、この認証方法は生体認証やアプリ経由の本人確認と比べて不正利用されやすい傾向がある。またいずれの国の消費者も頻繁にスミッシング詐欺(※2)のターゲットにされやすい傾向にある。

南米は2025年も全地域中最高水準を維持

今回の分析対象地域の中で、南米における企業のカード不正利用率が2022年1月以降、一貫して最も高い水準で推移していることが明らかとなった。

エクアドルやパナマ、ブラジルの企業では2022年から2025年にかけてカード不正利用率の低下が確認されたが、南米地域全体では、依然として不正利用率は高いままとなっている。

Stripeはその構造的な要因として、次の内容を挙げている。

◆根強い現金依存
▷南米は他地域と比べて現金への依存度が高く、カード不正利用の検知システムが参照できる取引履歴データが限られている可能性がある。

◆事業者に不利なチャージバック申請
▷カードの異議申し立てルールがカード保有者に有利な場合が多く、請求が争われた際は企業側が証明責任を負う。

◆複雑な規制
▷国ごとに標準や要件が大きく異なるため、運用上の負担が増大する。

本調査結果を受けてStripeは「カード不正利用におけるさまざまなリスクに対応するには、市場ごとに専任チームを配置し、各国・地域ごとに対策を講じることが必要です」とコメントしている。

越境EC事業者には、進出先の市場ごとに不正利用の傾向を把握し、対策を講じることが求められるだろう。

※1:強固な顧客認証(Strong Customer Authentication)
※2:「SMS」と「Phishing(フィッシング詐欺)」を組み合わせた造語。銀行や通信会社、配送業者などの信頼できる企業を装った SMS を送り、偽サイトへ誘導してカード情報や個人情報を抜き取る詐欺の手口を指す。