海外の年末セールで売れる商品とは? eBayの売れ筋から越境ECトレンドを読み解く

ECのミカタ編集部 [PR]

イーベイ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 佐藤 丈彦 氏
イーベイ・ジャパン株式会社 マーケティング部 部長 ジェームス ヒックリン 氏

世界最大級のグローバルECサイト「eBay」を運営するイーベイ・ジャパンはこのほど、2019年7-9月にeBayで日本から海外に売れた商品のランキングデータを公開した。eBayの販売データからは、越境ECの最新のトレンドが見えてくるほか、2020年以降を見据えて日本企業が狙うべき海外マーケットのヒントも満載だ。

越境ECやインバウンドがかつてないほど盛り上がる中、越境ECで成功するには、どのような戦略が有効なのか。また、11月29日から米国で始まる「ブラックフライデー」や「サイバーマンデー」といった大型セールで売り上げを伸ばす方法とは。

eBayの販売データとセラー(販売者)の成功事例を踏まえ、日本企業が越境ECを成功させるポイントをイーベイ・ジャパンの佐藤丈彦社長とマーケティング部のジェームス ヒックリン部長に聞いた。

海外で売れる商品の特徴とは?注目は「カメラ」「ゲーム」「おもちゃ」

──イーベイ・ジャパンさんが公開した2019年第3四半期(7-9月)におけるeBayの販売ランキングデータは、EC業界で話題を呼んでいます。越境ECのトレンドについて、あらためて詳しく聞かせてください。

イーベイ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 佐藤丈彦氏(以下、佐藤氏):
2019年第3四半期に日本のセラー様が販売した金額を商品ジャンルごとに集計したところ、「おもちゃ」「カメラ」「ビデオゲーム」といったジャンルが大きく伸びていました。成長率は前年同期比10%以上です。

詳細をお話しすると、もっとも成長率が高かった「おもちゃ」ジャンルでは、トレーディングカードがよく動いています。世界的に売れている商品の1つは「マジックザギャザリング」。今年5月ごろに新シリーズが発売され、大会に向けてカードをそろえたいユーザーが購入しているようです。グローバルで品薄状態が続いており、日本からも売れ続けています。

2019年7-9月は「おもちゃ」「カメラ」「ビデオゲーム」の販売額が伸びた

──日本限定のカードが売れているのでしょうか?

佐藤氏:
売れているカードは日本語版のものです。レビューに「やっと日本から買えた」というコメントも付いていますから、日本語のカードへのニーズが高いことは間違いありません。海外ユーザーのニーズを理解している日本のセラー様が、日本語のカードを出品することで売り上げを伸ばしている状況です。

──カメラも販売金額が前年同月比114%ですね。

佐藤氏:
日本製のカメラは以前から海外で人気が高いですが、第3四半期も引き続き販売金額が伸びました。レンズは3000~4000米ドル(約32万~43万円、11月7日時点)と比較的高単価のものが中心に売れ筋です。カメラは新品よりも、質の良い中古品が売れる傾向にあります。フィルムカメラは日本からとても良く動いています。

──「ビデオゲーム」は、どのようなトレンドがありますか?

佐藤氏:
「プレイステーションVita」は今年3月に製造中止になってから、世界的にニーズが高まっています。おそらく、商品を探している方々が世界中にいて、日本からも買っているのでしょう。この傾向は年末まで続くと予想しています。

──日本語版や日本限定の商品、質の高い日本製品、製造が中止になった商品などが売れているのですね。

佐藤氏:
そうですね。例えば、「プレイステーションVita」やセイコーの「Mechanical」時計などは、発売から10年近く経って製造が中止されてから、再び人気が高まりました。製造が中止されたものがマーケットで品薄になると、eBayでの販売額も増えていく傾向にあります。こうしたトレンドを知っておくと、越境ECで成功しやすくなると思います。

2019年4-9月のカテゴリー別売上高ランキング。ブランドバッグや時計、カメラ、キャラクターグッズ、ゲームなどが上位に入った

販売先は米国が拡大、州税にもeBayが自動対応

──越境ECの販売先は、どの国や地域が多いのでしょうか。

佐藤氏:
日本からの販売額は、米国向けが最も多いです。ブランド中古品やカメラ、おもちゃ、キャラクターグッズなどが売れています。

──米国以外の地域で、目立ったトレンドはありますか?

佐藤氏:
欧州では、2018年から輸入品に対してVAT(付加価値税)が厳格に適用されるようになったことから、日本から越境ECで売りにくい状況が続いています。欧州で売ることが難しくなった分、米国向けを強化している日本のセラー様も見られます。

──税制の影響という点では、米国でも州によってインターネット・セールス・タックス(州税、日本の消費税に近い税制)の税率が異なるなど、少し複雑な仕組みがありますね。

佐藤氏:
おっしゃる通り、米国は州ごとにセールス・タックスの税率が異なります。例えば、カリフォルニア州は7.25%ですが、隣のオレゴン州は0%です。

米国内の消費者がインターネットを介して海外から商品を購入する場合、以前はセールス・タックスがそれほど厳しく適用されることはありませんでした。しかし、2019年からレギュレーションが変わり、eBayのようなマーケットプレイスは決済時にインターネット・セールス・タックスを購入者から徴収し、各州に納めるよう義務化されました。

こういった話をすると、米国向けの越境ECは難しいように感じるかもしれませんが、まったく心配はいりません。eBayでは、米国内のバイヤー(購入者)の居住地域を特定し、決済時にその州の税率を自動的に計算して徴収しています。日本のセラー様は、米国のどの州に配送しようと、税金は自動計算され自動で徴収しますから、従来と変わりなく販売できます。

「サイバーマンデー」や「ブラックフライデー」など海外年末セールで売るポイント

──日本からの越境ECが拡大している米国市場では、いよいよ11月29日から「ブラックフライデー」や「サイバーマンデー」といった年末セールが始まります。こうした大型セールでは、売れる商材が通常とは異なるのでしょうか?

佐藤氏:
「サイバーマンデー」は新品の売れ行きが一気に高まります。自家消費に加え、クリスマスなどのギフト需要が伸びてくるためです。

また、普段から売れている商品が、さらに売れるようになるのも「サイバーマンデー」や「ブラックフライデー」の特徴の1つ。例えば、ポケモンカードの「ブースターパック」と呼ばれるセット商品は普段から人気が高いですが、セール中は普段以上に、大量に購入するバイヤーさんが目立ちます。

セール中に売れる商品のトレンドは、セール前の時期の販売データを細かくチェックしておくことで見えてきますよ。

──日本のEC事業者が、「ブラックフライデー」や「サイバーマンデー」で売り上げを伸ばすには、どういった準備が必要でしょうか?

佐藤:
重要なポイントは主に2つあります。

1つ目は、売り上げが見込める商品の在庫をしっかり準備しておくこと。「サイバーマンデー」や「ブラックフライデー」では、普段では考えられないぐらい大きな売り上げが立ちます。2019年に海外から売れている商品のトレンドを事前に調べておいて、有望な商品は在庫を手厚くしておくと良いでしょう。

そして2つ目のポイントは、海外配送の体制を整えておくこと。国内の出荷拠点から海外の顧客に、どのような方法で届けるのか。セール前に返品対応を含めた物量に対する準備をしておかなくてはいけません。注文が来てから慌てて配送手段の拡張を手配しているようでは、配送日数が長くなり顧客からの評価が下がります。また、予想以上に配送費用がかさみ、利益が減ってしまうかもしれません。

配送への準備という点では、台風など天災で国内のロジスティクスが止まった場合にどう対応するか、事前に考えておくことも大切でしょう。

イーベイ・ジャパンでは様々な国際配送会社と提携し、セラー様の配送をサポートしています。また、決済や顧客対応、税制対応など越境ECに必要なインフラを包括的に提供しています。海外の大型セールに初めて挑戦する企業さまは、弊社のような越境ECプラットフォームを活用していただくと、成功しやすいと思いますよ。

売上拡大をサポートするeBayの「プロモーテッド・リスティング」とは?

──セラーさんの販売を後押しするために、御社が力を入れている施策はありますか?

佐藤氏:
eBay全体で取り組んでいることとしては、「プロモーテッド・リスティング」というeBay内のリスティング広告に力を入れています。

「プロモーテッド・リスティング」とは、検索キーワードに連動した成果報酬型の広告。販売金額に対する広告の手数料率を設定し、料率等によって露出の度合いが変わります。

この広告を上手く活用することで、eBayの中で露出を増やし、売り上げを伸ばすことができます。現在、出品数の5割近くが「プロモーテッド・リスティング」を使っています。

──日本のセラーさんの中には、海外向けのリスティング広告に不慣れな会社も多いと思います。

イーベイ・ジャパン株式会社 マーケティング部 部長 ジェームス ヒックリン氏(ヒックリン氏):そういったセラー様のために、広告運用のノウハウを学んでいただくセミナーを開催しています。また、セラー様向けの日本語のポータルサイト「セラーポータル」を通じて、広告運用のハウツー動画も提供しています。

「プロモーテット・リスティング」の運用をサポートしてくれるパートナー企業を紹介することも可能です。

「セラーポータル」をリニューアルし、セミナー情報や販売データのトレンドを発信

──セラーさん向けのポータルサイト「セラーポータル」を11月15日にリニューアルしたそうですね。(https://ecnomikata.com/company_blog/24268/


ヒックリン氏:
はい。eBayで売り上げを伸ばしていただくために必要な情報を、より閲覧しやすくしました。

リニューアルの大きなポイントとして、eBayで今売れている商品ジャンルを閲覧できるようにしました。例えば、「エルメス」や「ルイ・ヴィトン」といったブランドごとの販売動向も分かりますので、そういったデータを踏まえて、売れそうな商品を「プロモーテッド・リスティング」で訴求し、売り上げを伸ばすといった戦略も有効でしょう。

佐藤氏:eBayは「TERAPEAK」を開発・提供しているテラピーク社を2017年に買収し、eBayの販売動向をセラー様が検索できるようにしました。

ただ、「TERAPEAK」はまだ英語で検索する必要があるため、日本のセラー様には使いにくい。そのため、まずは主要なデータを抽出して「セラーポータル」に表示するようにしています。

「TERAPEAK」を使いこなせば、ブランドごとの販売動向や価格のトレンドなども分析できます。今後、日本のセラー様が使いやすくするために、「セラーポータル」をさらに改善する計画です。

ヒックリン氏:eBayのプラットフォームに関する重要なお知らせや、弊社が開催しているセミナーの日程や場所なども「セラーポータル」で告知しています。

「サイバーマンデー」や「ブラックフライデー」といった海外のホリデーセールもカレンダー上に表示するようにしました。現地時間もリアルタイムで表示していますから、海外のセールに向けて準備を行いやすくなったと思います。

越境ECを始めるならプラットフォームの活用が成功の近道

──これから越境EC販売を始める企業に向けて、越境ECを成功させるためのアドバイスはありますか?

佐藤氏:
越境ECを行うには、各国の法制度や税制に対応する必要があるほか、決済や配送のローカライズも必要です。越境ECを初めて行う企業が、それらに対応するのは簡単ではありません。やはり、最初はeBayのようなマーケットプレイスを利用していただくことで、安全に、安心して越境ECを行えるのではないでしょうか。

弊社は世界各地の税制や法制度、配送事情などに関する情報を集め、さまざまな面でセラー様をサポートしています。日本語のサポートチームもあります。eBayのプラットフォームを活用していただくことで、越境ECのハードルを下げられると思います。

ヒックリン氏:越境ECのリスクを防ぎ、セラー様を守ることがイーベイ・ジャパンの役割です。海外の消費者とのトラブルや、返品対応などでお困りのときに、日本語で相談できる窓口があることは、これから越境ECを始める企業さまにとって非常に重要なことだと思います。

──各国の法制度への対応や、リスク対応はイーベイ・ジャパンさんに任せることで、セラーさんは販売に集中できますね。

佐藤氏:
はい。弊社は越境ECのプラットフォームを10年以上運営していますので、これまでに培ったリスク対応のナレッジをセラー様にご提供します。

それから、越境ECを始める企業さまへのアドバイスとしては、消費税の免税制度を活用していただきたいです。越境ECで海外に物を売った場合、エンドユーザーから消費税を徴収しない代わりに、商品を仕入れる際に支払った消費税相当額が販売者に還付されます。日本では10月から消費税率が+2%上がり10%になりましたね。つまりは還付分が+2%になったという事です。消費税の免税は越境ECの特徴の1つですから、押さえておいていただきたいポイントです。

──最後に、イーベイ・ジャパンさんの今後の展望をお聞かせください。

佐藤氏:
弊社は、セラー様が越境ECを成功させるために必要な情報を提供し、セラー様が販売に集中できる環境を整えていきます。「セラーポータル」は今後もリニューアルを重ねていきますし、「プロモーテッド・リスティング」の運用セミナーを増やすなど、売り上げを伸ばしていただくためのサポートを一層強化してきます。

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