ピンチをチャンスに変える。今、取り組むべき『問い合わせ対応』の体制づくり。

野中 真規子 [PR]

CENTRIC株式会社 営業本部課長 宮崎篤氏

新型コロナウイルスの影響で、顧客からの「問い合わせ」の対応が難しくなっている事業者は多いのではないだろうか。中には感染予防のため自社センターの閉鎖を検討しているケースもあるだろう。

しかしEC通販のニーズが高まる今、ここでスムーズな問い合わせ対応ができる仕組みを整えておけば店舗の価値が上がり、ピンチをチャンスに変えることもできる。コールセンター業務を行うCENTRIC株式会社には、実際にそう考えるEC事業者からの依頼が増えているという。

同社の営業本部課長 宮崎篤氏、課長代理 篠塚明子氏、熊本支店の山下健一氏にお話を伺った。

全国3拠点を活用し、現在も電話対応をしっかりサポート

全国3拠点を活用し、現在も電話対応をしっかりサポートCENTRIC 熊本支店

ーー今、問い合わせ対応に頭を悩ませているEC事業者は多いと思います。具体的にどのような課題がありますか?

宮崎氏:地域にもよりますが、とくに自社でコールセンターを運営している場合、新型ウイルスの影響でオペレーターの出社が難しくなり、急激に電話が増えた場合に自社だけで受けきれなくなっているところが増えています。

解決しようとしても人件費の高騰や採用、教育の難易度などによりなかなか難しいでしょう。また自社オペレーターの中で感染者が発生してしまった場合、センターを停止しなければならないというリスクもあります。

ECのニーズ自体は生活必需品を中心に上がっている状況ですが、それに比例して問い合わせが増えても、本社は縮減しなくてはならないというジレンマに悩んでいる事業者さんは多いと思います。

山下氏:弊社にも、1ヶ月くらい前からそうしたEC事業者さんからの問い合わせが増えています。自社コールセンターからの移管を希望されているところや、委託していたコールセンターが閉鎖になってしまい、乗り換えたいというご要望もあります。

ーーいずれにせよ、コールセンターの拠点が1箇所しかないとリスクが大きいということですね。

山下氏:はい。弊社は拠点が熊本和歌山沖縄と3箇所あり、コロナ以降もセンターの除菌やパーティションの設置、オペレーターの体調管理を徹底しながら電話応対業務も継続して行っています。

EC事業者向けの業務は受注問い合わせ対応がメインとなっていますが、他にもセル窓口、サービス施設の予約など幅広い対応が可能です。また最近増えているのが求人窓口や、代表窓口の代行業務です。

電話のほか、メールによる対応もしていますが、クライアントによっては電話対応のみを弊社に委託いただき、メール対応は自社でテレワークを活用しながら継続して行っておられるケースもあります。

解約抑止、受注などにおいて、目標値を上回る実績も多数!

ーーこれまでの実績を教えてください。

山下氏:新型ウイルスの影響で委託いただいたクライアントからは「窓口を閉じずに済んで本当に良かった」「この状況でも電話対応できるという安心感を得られた」などのご感想をいただいております。

また以前からのクライアントについてですが、お子様向け成長サプリメントの解約抑止では、スタート時に目標として解約入電の20%阻止を掲げられていたところ、弊社としては25%をキープする意識で取り組み、開始当初から20%超をマーク、現在は平均25%、好調なときは30%を超えています。

また漢方薬の受注では、クライアントからの目標が入電の50%だったところ、現在は65〜70%超をマークしています。

ーー高い成果を上げられる秘訣は何でしょうか。

山下氏:商品について徹底理解することはもちろん、お客様のライフスタイルも詳細に理解した上でのトークを心がけています。

たとえばお子様向けサプリメントなら、お子さんのご年齢や生活リズムなどを詳しくお伺いして、その状況に合わせた飲み方のご提案や、忘れないように飲んでいただくためのポイントなどをご説明します。さまざまなケースに応じてトークの流れを管理者が用意し、オペレーターに丁寧に指導しています。

また逆にオペレーターがお客様から伺ったクレームやおほめの言葉、何気ない会話から教えていただいた使い方などの情報も日々収集し、効果的なトークを蓄積、アップデートしています。

宮崎氏:弊社ではオリジナルの感情解析のシステムも運用しており、オペレーターが自信を持ってご提案できているかどうか、モチベーションが下がっていないかなどの情報を分析し、離職防止につなげています。

正社員率も60%をキープしており、品質の高い応対業務を安定してご提供できることは、他社にはない強みだと自負しています。

コストセンターではなく、利益を生むプロフィットセンターとして

コストセンターではなく、利益を生むプロフィットセンターとして

ーーコールセンターをアウトソースする際、事業者としてはやはり費用が気になります。

宮崎氏:弊社は人材が安定していることもあり、派遣社員を採用しているコールセンターと比べるとコストは安いと思います。ただよく「自社でアルバイトを雇うくらいのコストでアウトソースしたい」という声を聞くのですが、コールセンターには人件費だけでなく人が座るスペースや、パソコン、回線インフラなど諸経費がかかります。アルバイトの人件費とはとんとんにはならないのが現状です。

安価なコールセンターもありますが、人材が安定せず電話を受けられないとか、受けたとしても希望している水準の対応ができない、また状況報告がなく、フタをあけたら全然対応ができていなかったという話も聞きます。

弊社では質の高い対応はもちろん、報告もデイリーで行っています。
とくにECの場合、大事なのは単発の商材ならいかに受注率を高めるか、定期の商材ならいかに継続していただくかだと思いますが、問い合わせ対応の状況が悪くなれば結果的に歩留まりが悪くなり、事業採算も悪くなってしまう悪循環に陥ります。

一般にコールセンターはコストセンターなどともいわれていますが、弊社では利益を生むプロフィットセンターであるという認識を持ち、適切な対価をいただきながら、EC事業者様がより発展されるような方向で貢献したいと考えています。こうした姿勢がEC業界全体の健全化にもつながっていくと思います。

ちなみにコールセンターに限りませんが、事業のコストは人だけでなく、場所、もの、通信など全てにかかってきます。実店舗であれば、ものを売るためには人がいるだけではだめで、在庫、販売スペース、設備などが必要です。

ECの場合スペースのコストは店舗より安くなるものの、ゼロになるわけではありませんし、他にも諸経費がかかります。新しくECを始める場合はとくに、そこを意識されることが大切だと思います。

採用もさらに強化し、質の高いサービスを継続していく

ーー今後はどのようなEC事業者さんに貢献したいと考えておられますか?

宮崎氏:最近のトレンドとして、外出自粛などの影響により、地域食材を販売する企業がECを緊急で立ち上げるケースが増えてきています。弊社ではそのジャンルのお手伝いを積極的にしていきたいですね。もちろん、その他の商材でもお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

クライアントは月のコール数が2000〜5000件の規模をメインに、さまざまな事業者さんがいらっしゃいます。弊社がサポートさせていただくことで、さらなる規模拡大のお手伝いになるようなおつきあいをしていきたいです。

新型ウイルスの影響で世の中の人の在宅率が上がっている中、インターネット、テレビ、ラジオ、雑誌などメディアの全領域において受け手の反応が上がっていますので、ECは今が攻めどきともいえます。弊社としても反応のいい媒体をご紹介するなど、このマーケットチャンスを生かすお手伝いができればと考えています。

山下氏:熊本支店は震災後、地域復興に役立てようと立ち上げた拠点ですが、現在も採用を堅調に行っており、人員を増やしていく方向でおります。今後も引き続き幅広いEC事業者さんのお役に立ちながら、地域に根ざして発展していきたいと考えています。

宮崎氏:会社全体としては、コールセンターは人が集まってできる業種でもあるので、人を大事にしていこうという認識を常に大切にしています。それがエンドユーザーや、EC担当者さんを大切にしていくことにもつながると思います。


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記者プロフィール

野中 真規子

ライター。著書(電子書籍)『片付けられない、という「思い込み」をなくして、今すぐ片付けるための本』(ハウスキーピング協会)が好評発売中。ECのミカタにおいては、ECサービスのお話から伝わる本質的なメッセージを受け取り、拡散することが歓びです。

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