独身の日だけじゃない、ブランド力に注目!天猫8.8

ECのミカタ編集部

8月8日開催、8.8ショッピングフェスティバル

 アリババが運営する、中国最大のショッピングモール「天猫mall(Tmall)」。その天猫mallが2013年9月に越境型ECとして開始したサービスが「Tmallグローバル」だ。それまで、中国外の企業が中国内に向けてネット通販を行うには、中国に法人を設立する必要があったが、Tmallグローバルでは、中国に法人設立をせずともネット通販が可能になった。

 そのTmallグローバルが毎年8月8日に行っているのが「8.8ショッピングフェスティバル」。今年も開催され、中国で人気の高い海外商品が披露された。今年は開催中の模様をTmallアプリで生中継し、人気商品ランキングをリアルタイムで更新するなど、新たな取り組みも行われた。Too Cool for school(韓国化粧品メーカー)やコーセー、GNC(米スポーツ栄養会社)などでは、トレーニング方法やメイクの仕方を生中継するといった、斬新な販促方法も導入された。

独身の日との違いは、ブランドの推進

 アリババが開催するイベントと言えば、毎年11月11日に開催される「独身の日」が有名だが、独身の日があらゆる商品を対象とするのに比べ、8.8ショッピングフェスティバルは、独身の日と同様にオンラインセールイベントである一方、中国外の良質なブランドを中国の消費者に知ってもらうという点に力を入れている。というのも、中国は消費者の消費力の上昇に比べ、海外ブランドに対する認知はまだ限られているという現状があるからだ。

 実際、Tmallグローバルでは、出店条件でも、ブランドを重視しており、海外に実際の会社がある企業のうち、「1)ブランドの所有企業である、2)ブランドを販売する権利がある、3)ブランドの正規品であることの証明がある」という3点のいずれかを満たすことを条件としている。また、優先条件として「1)海外の有名なマーケットあるいはB2サイト、2)中国国内にまだない有名ブランドの所有企業」という2点を掲げている。

自社ブランド品を推したい企業にチャンス

 Tmallグローバルでは、現在53ヶ国の7,700ブランドを取り扱い、そのうち2,300は今年からTmallグローバルに出店したブランドだ。8.8ショッピングフェスティバルでは、各ブランドは独自の割引価格で商品を提供する。ただセールというだけでなく、ブランドの認知拡大、浸透に力を入れるTmallグローバルの8.8ショッピングフェスティバルは、中国に進出したいブランドメーカー・販売店にとっても良い機会と言えるだろう。
 
 例えば、最近Tmallグローバルに出店した、イギリスの老舗スーパーマーケット「セインズベリー」は、商品数を拡大するなど積極的な施策を見せ、Tmallグローバル側もそれを推している。Tmallグローバルとしては、ただブランド品を拡充するだけでなく、中国消費者に、海外ブランド品を使う生活習慣、文化を根付かせることを意図しているという。天猫モールにおける、こうしたブランド重視の姿勢は、中国越境EC市場に参入したいと考えている企業にとっては、自らのビジネスに、追い風となるのではないだろうか。


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