小林幸子降臨!ニコニコ超パーティーでネットの威力を見た

石郷“145”マナブ

約15,000人集結。皆が自分の居場所だと胸を張る

 ネットが作った文化は、リアルの世界にどれだけの影響をもたらすのだろうか。

 そんなことを思い、インターネットの動画サービス「niconico」のステージイベント「ニコニコ超パーティー2016」に潜入してみた。場所はさいたまスーパーアリーナ。会場に踏み入れると、熱狂に包まれていた。

 そもそも「ニコニコ超パーティー」とは、今年で開催 5 回目となったイベントで、niconico 内の「歌ってみた」、「踊ってみた」ジャンルなどで活躍するユーザーや、有名アーティストが一堂に会し行われる niconico 最大のライブイベントだ。皆が主役といった風で、一般投稿者であったとしても、動画が数十万回(中には数百万回の動画も)以上の再生数を記録し、人気スターになることもある、ネットで作り上げられた文化がここにある。

 まさに、知る人ぞ知るネット上のタレントが総勢 100 組以上出演するもので、果たしてどれだけの人が集まるのだろうと思っていた。会場内には音楽ライブステージとゲーム実況ステージの 2 つのステージが用意され、両ステージを来場者は自分たちの気持ちに合わせ、選択し、楽しむわけだが、どこにいっても人の数に驚かされる。

ニコニコユーザーが湧く!小林幸子さんの貫禄

ニコニコユーザーが湧く!小林幸子さんの貫禄

 観客数は、主催の株式会社ドワンゴの発表したところによれば約15,000人。会場を埋め尽くす観客は皆ペンライトを持ち、アーティストが現れるたび、様々な色に変えて、ステージ上を盛りたてた。「niconico」が作り出す世界観で力を発揮し、才能を開花させたアーティスト達。そして、そこにファンが生まれ、人がリアルに集まり、これだけの人を興奮させる。

 いつしか、その影響力はメジャーな人たちすらも心を動かす。

 オープニングから華々しく。アニメ『ポケットモンスター』の映像を用いたニコニコ超パーティーのためのスペシャルムービーに続いて、松本梨香さんがステージに姿をみせると、会場からは割れんばかりの歓声が上がった。

 圧巻なのは、第一部のラストに登場した小林幸子さん。冒頭の写真の通り、超豪華衣装“メガ獅子”のシシオとともに登場して、動画投稿されたばかりの完全新曲『サチコサンサチコサン』を初披露した。

 「アルスマグナ」というダンスボーカルユニットのサプライズゲストには、朱鷺宮佐江こと元SKE48の宮澤佐江さんが登場するなど、飽きさせない演出を見せ続けた。

 上の写真は、ネット通販でも話題になった「おそ松さん」のオープニングテーマ曲を歌うA応Pというユニットの姿だ。日本の文化が垣間見える。

 コンテンツ次第で、ネットは全国津々浦々の人を同時に熱狂させ、そして同じ価値観を持った人同士で、大きなコミュニティを形成する。ニコニコ超パーティーに集まった人たちは、間違いなく、自らその魅力を打ち出し、また同時に、魅了された人たちでもある。


 ネットでショッピングするという当たり前の行動の中にあるEC業界においても、ただ便利な方向に走ることなく、その商品の裏側であったり、店舗の魅力なりの、気持ちを盛り立てるという部分において、見習うべきところはあるように思う。

 ネット内での完成度が高ければ高いほど、その完成度は、リアルの世界をも唸らせ、大きな時代の波を生み出すことができる。ネット通販も熟成された、完成されたものだからこそ、大きく勝負をかけてみるのもありかもしれない、そう思うのである。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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