10月のEC利用、アパレル関連商品と食料が減少傾向【総務省統計局調べ】

ECのミカタ編集部

総務省統計局が「家計消費状況調査」を実施し、平成28年10月分の結果を発表した。毎月増加傾向にあるネットショッピングの割合は、10月も増加しているのだろうか。

EC利用者は増加傾向、支出額は減少傾向に

 まず、主な財(商品)・サービス別の状況に関して、テレビが名目5.1%、実質28.0%増加しており、スマートフォン・携帯電話等通信料が名目6.3%、実質8.7%増加していることが明らかとなった。また、エアコンは、名目9.0%、実質7.5%増加していた。

 一方、減少している品目は、自動車(中古車)、パック旅行費(外国)、婦人服スーツ・ワンピースである。内訳は、自動車(中古車)が名目38.8%、実質38.9%、パック旅行費(外国)が名目23.5%、実質29.3%、婦人服スーツ・ワンピースが名目9.2%、実質10.9%となった。

 続いて、ネットショッピングの利用状況に関して、支出額は7,790円であり、前年同月比は名目0.9%増加している。なお、支出総額に占める割合は2.5%で、前年同月差は0.1ポイント上昇した。

 ネットショッピング利用1世帯当たりの支出額は27,597円となり、前年同月比は名目5.5%の減少が見られた。また、支出総額に占める割合は7.4%であり、前年同月差は0.2ポイント低下した。さらに、ネットショッピング利用世帯の割合は28.2%であり、前年同月差は1.8ポイント上昇した結果となった。

アパレル関連商品が減少した理由に「衣替え」?

 ネットショッピングで特に前年比で増加した項目が「チケット」と「化粧品」である。内訳は、チケットが23.5%増加しており、名目寄与度が0.84%。なお、化粧品が16.5%増加しており、名目寄与度が0.66%である。

 一方、減少した項目は「衣類・履物」と「食料」だ。内訳は、衣類・履物が5.1%減少しており、名目寄与度が-0.62%。なお、食料が4.2%減少しており、名目寄与度が-0.62%となった。

 今回の調査を見る限り、ネットショッピングの利用は引き続き増加傾向にあることが分かる。しかし、衣替えなどで需要が予想される10月に、衣類・履物の購入が減少しているなど予想に反した結果も見られる。その原因としては、例えば気候の変動や、新作アイテムは実店舗で試したいというニーズも考えられる。そういった原因に対して、ECを活かして何を提案できるか考えていく必要がある。

 ネットショッピングの市場全体としては好調でも、ジャンルによっては好不調の違いや変化があるということも、今回の調査から分かる。ネットショッピングのジャンルが多様化している中で、そういったより落とし込んだ点も見逃さず、対策を立てること求められてくるだろう。


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