タカラトミーのマーケティングを加速させるフロムスクラッチ社『b→dash』

ECのミカタ編集部

株式会社フロムスクラッチ(本社:東京都新宿区/代表取締役:安部 泰洋、以下「フロムスクラッチ」)が開発・提供するマーケティングプラットフォーム「b→dash」が、トミカ・プラレール・リカちゃんの製造・販売で知られる「株式会社タカラトミー」(本社:東京都葛飾区/代表取締役会長:富山 幹太郎、以下「タカラトミー」)に導入された。この導入で同社のマーケティング基盤構築によるデジタルシフト強化が期待される。

マーケティングプラットフォーム「b→dash」の概要

マーケティングプラットフォーム「b→dash」の概要

「b→dash」は、企業が保有するユーザーデータ・広告データ・購買データなど、マーケティングプロセス上に存在する全てのビジネスデータを一元的に取得・統合・活用・分析可能な多機能なクラウド型マーケティングソリューションだ。

フロムスクラッチ社は今後、さらにデータ統合基盤や処理エンジンの開発強化に加えて「b→dash」に蓄積された膨大なマーケティングデータに機械学習をはじめとする人工知能技術を導入することで、マーケティングテクノロジー領域における新たなソリューション開発を加速させる計画だ。

「b→dash」導入の背景

タカラトミーは、激変する市場動向を前に2012年からは店頭販売だけではなく、ECサイトを開設し、デジタルマーケティングへの本格的な取組みを行ってきた。さらにそれを推し進めるために、インターネットやスマートデバイスの普及による、消費者行動の多様化に対応すべく、顧客1人1人の属性・行動データに基づいたOne to Oneマーケティングが可能となるよう注力してきた。

一方で、データ活用によるOne to Oneマーケティングを行うには、ECサイトに対して複数のマーケティング・データツールを導入する必要性があったが、データが各ツールに分散されて管理されるという事態も生み出した。そのため、データの統合・処理を行う際は都度、手動で広告データやアクセスログデータ、商品データ、顧客データ等を加工しなければならず、膨大なコストと工数が発生せざるを得なかった。

そうした工程では、データの管理・統合作業について限られた担当者しか扱えない、つまり属人性の高さも課題となっていた。加えて、各施策のデータ分析を行う際に必要なカートシステムや広告・アクセスログからのデータの取込み・統合作業も人力で行っていて、この点の業務工数が増大し、結果として全体のPDCAサイクルの遅延につながっている状況だった。

導入・運用により期待される効果

今回のマーケティングプラットフォーム「b→dash」の導入により、広告データやアクセスログデータ、購買データ、顧客データといったこれまで分散していた各データが、ビッグデータとして一元的に取得・統合・活用できるようになる。そのことで、膨大な時間を費やしていた管理・統合のプロセスが簡易化・最適化され、生産性向上が期待され、多様なデータの掛け合わせが実現し、より詳細なセグメント設定や分析のもとでOne to Oneマーケティングが可能となる。

将来的には、『玩具』という商品特性から得られる、顧客の家族構成や年齢、興味関心を示す行動データなど、詳細かつ複数のデータを統合していくことで、これまでとらえらえることができなかった顧客インサイトが把握でき、商品戦略・商品開発へのフィードバックも期待できる。

マーケティング領域にマーケティングツールやデータ管理分析ツールを導入する企業は多いが、同時に複数のツール間での連携は人力に頼らざるを得ないケースも多く、企業など事業体の頭を悩ませてきた。そうしたマーケティング領域における先進企業ならではの課題を一挙に解決し得るソリューションと導入事例といえ、ビッグネーム企業での運用を通してさらなる展開へのつながることに期待したい。


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