ZOZOが同志社大学との共同研究で生み出す「新しいファッションとの出会い」

ECのミカタ編集部

ZOZOグループの、ファッションを数値化し科学的に証明するプロジェクトチーム「ZOZO研究所(ZOZO RESEARCH)」は、同志社大学 桂井麻里衣助教の研究グループと、同グループが運営するファッションコーディネートアプリ「WEAR」のビッグデータを活用した、ファッションアイテム・コーディネートレコメンドエンジンの共同研究を開始することに合意した。

高精度のレコメンドエンジン開発に必要なもの

ZOZO社によれば、レコメンドエンジンに関する研究は近年盛んに行われているが、この研究では「着用時のシルエット」という、これまで考慮されてこなかった部分に焦点を当てている。

ファッションは、オーバーサイズ・ジャスト・タイトなどの「着用時のシルエット」によって、大きく印象が変化する。「着用時のシルエット」と人に与える印象の関係を研究し、ユーザーの好みをより正確に把握することができれば、精度の高いレコメンドエンジンの開発へつなげることができるとしている。

データに基づいてユーザーの感覚に寄り添う

データに基づいてユーザーの感覚に寄り添う

WEARのコーディネート投稿画像には、ユーザーによって「モード」「フェミニン」などファッションスタイルに関する多数のタグが付けられている。この研究では、そのタグとコーディネートの関係性をAIが学習する。

これにより、ユーザーが投稿したデータに基づいて統計的にスタイルを決めることができるため、ユーザーの感覚に近いスタイルが抽出でき、より数学的にファッションスタイルの分析ができるようになると見込む。

ZOZO研究所では、自社サービスに蓄積されるビッグデータを活用し、画像認識やコーディネートの自動生成、コーディネートの良し悪しを定量化する方法など、ファッションを科学的に数値化するための様々な手法を研究している。

同志社大学 理工学部 インテリジェント情報工学科桂井麻里衣助教の研究グループでは、ビッグデータを活用したデータマイニング、ソーシャルネットワーク解析、マルチメディア処理などをテーマに、様々な情報技術を研究中だ。

今回の共同研究では、両者の強みをかけ合わせることで、現在感覚的に語られているファッションを数値化するための研究を進めていくという。将来的には、自社サービスの検索性向上や、保有データを解析することによるトレンドの発見、より精度の高いレコメンドエンジンの開発など、サービスへの実用化も検討していく計画だ。

【共同研究の概要】
課題名:ファッションアイテム・コーディネート推薦手法の開発
提携先:学校法人同志社 同志社大学 (研究代表者・桂井麻里衣助教)
共同研究期間:2019年1月15日(火) 〜 2020年3月31日(火)

ファッションとの新しい出会いを創出

同社では共同研究を通し、感覚ではなくデータに基づいたAIによるファッションとの新しい出会いを創出し、ファッションを楽しむ人を一人でも多く増やすことを目指すとしている。

言うまでも無くファッションECの分野では、ネットを介したアイテム選びやフィッティングが行われることになる。そこにおいては、ユーザーの感覚がもちろん重要になってくるが、一方でそうした感覚は定量化が難しかった。

今回の共同研究では、まさにこの感覚の部分を最新のテクノロジーによって解析し、実際のレコメンドエンジンの開発という形でフィードバックする点が画期的だろう。これが成功すれば、同分野において、さらに同社の先進性が担保され、アパレルECプラットフォームとしての価値が高まることになるだろう。

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