アパレルEC「商品検索」利用促進で購買率127%改善【Sprocket調査】

ECのミカタ編集部

CRO(コンバージョンレート率最適化)のためのプラットフォームを提供する株式会社Sprocket(本社:東京都目黒区、代表取締役:深田浩嗣、以下「Sprocket」または「同社」)は、アパレルECサイトのユーザー行動を分析し、サイト機能の利用率と購買に与える影響に関するレポートを公表した。

一般的なECサイトに欠かせない機能といえば、「商品検索」や「お気に入り登録」などがあるだろう。あるのが当たり前で、これらの機能が購買に与える影響はブラックボックスになっていることも多い。そこでSprocketでは、ECサイトの標準的な機能が「どの程度購買に影響を与えているのか」を今回、調査・分析している。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

「お気に入り登録」利用で購入率最大約46倍の違い

「お気に入り登録」利用で購入率最大約46倍の違い

Sprocketでは、サイト上のユーザーの行動データを計測することができる。その行動データを分析し、顧客にとって望ましいオンライン体験の構築に取り組んできた。今回、アパレルECサイトを運営する8社を対象に、商品の「非購入者」と「購入者」で、「商品検索」機能と「お気に入り登録」機能それぞれの利用率にどのくらい違いがあるのかを分析。

「商品検索」について見ていくと、最小でも約3倍、最大では約10倍、利用率に違いがあることがわかった。また「お気に入り登録」の利用率の差はより大きく、最小で約10倍、最大で約46倍も違いがあった。

上記の結果から考えられるのは、機能の存在とそれを活用するメリットを訴求することで、機能の利用率を高め、購買にもつなげられるのではということだとしている。元々買う気のあるユーザーが「商品検索」や「お気に入り登録」といった機能を活用するのは当たり前とも言えるが、機能の利用が購買行動にも影響を与えている可能性があるためだと分析している。

【調査概要】
調査対象:Sprocketを導入している8社のアパレルECサイト
調査方法:Web行動データと購買データを解析
データ集計期間:2022年7月~2023年1月
※スマートフォンからの閲覧を対象

「商品検索」利用促進策で購買率が127%改善

「商品検索」利用促進策で購買率が127%改善

前述の8社のアパレルECサイトを対象に、サイト機能の利用が購買行動に与える影響を調査している。サイト機能の利用を促進するため、Sprocketではポップアップを利用したWeb接客施策を実施しているとのことだ。

例えば、「商品検索」なら、「商品の探し方」について順を追って説明。「お気に入り登録」の場合は、まずはそういった機能があること自体を気づかせるといったことが考えられるとしている。

Sprocketがこれまで手がけたアパレルECサイトにおける施策の平均勝率は約40%だという。施策の非表示グループと表示グループを比較し、A/Bテストを行い、購入完了率が改善できた場合を“勝ち”と定義。実行施策数のうち勝ちとなった施策数の割合を勝率としている。

「商品検索」の利用を促進する施策では、勝率は62.5%となり、平均値を大きく上回った。また購入完了の平均改善率は127%だった。「お気に入り登録」の利用を促進する施策の勝率はさらに高く、85.7%となった。購入完了の平均改善率は104%だった。

【調査概要】
調査対象:Sprocketを導入している8社のアパレルECサイト
調査方法:Web行動データと購買データを解析
データ集計期間:2022年10月~2023年1月
※PC・スマートフォンからの閲覧を対象に、90日以上実施した施策で検証

サマリー

調査結果にあるように「商品検索」では、最小でも約3倍、最大では約10倍、利用率に違いがあることがわかった。また「お気に入り登録」の利用率の差はより大きく、最小で約10倍、最大で約46倍も違いがあった。

また「商品検索」の利用を促進する施策では、勝率は62.5%となり、平均値を大きく上回った。また購入完了の平均改善率は127%だった。「お気に入り登録」の利用を促進する施策の勝率はさらに高く、85.7%となった。購入完了の平均改善率は104%だった。

これらの結果から、「商品検索」や「お気に入り登録」の利用を促進する施策の勝率は高く、結果的に購買にもプラスの影響を与えていることが読み取れそうだ。ECサイトに標準的に備わっている機能が、コンバージョン改善のポイントになり得ることは見落としがちかもしれない。まずは自社ECサイトなどの機能利用率をしっかり確認し、改善する余地がないか検討することが成功へのカギともなりそうだ。


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